CS801~2000

C# コンパイラエラー CS1933 について解説

CS1933 は C# のコンパイラエラーで、定数や一部の変数を初期化する際にクエリ式を使用すると発生します。

定数はリテラルや名前付き定数、算術演算子のみで初期化できるため、LINQ のクエリ式を用いるとエラーが起こる可能性があります。

なお、Roslyn では類似のケースで CS0133 が発生することもあります。

エラー概要

C# のコンパイルエラー CS1933 は、定数の初期化時にクエリ式を使った場合に発生します。

このセクションでは、エラー内容の基本的な事項と、その意味について解説します。

エラー内容の基本

CS1933 エラーは、定数や一部の変数を初期化する際にクエリ式を利用しようとした場合に発生する制約に起因します。

C# では、定数はコンパイル時に完全に評価できる値でなければならず、リテラルや名前付き定数、算術演算子の組み合わせしか許容されません。

そのため、実行時に評価される可能性のあるクエリ式は定数の初期化に使用することができません。

定数初期化におけるクエリ式の制約

定数の初期化は、コンパイル時に値が確定している必要があります。

例えば、数値リテラルや文字列リテラルを使って定数を定義する場合は問題ありませんが、LINQ のクエリ式は、内部で動的な処理を行うため、コンパイル時に確定しない値になってしまいます。

そのため、定数初期化でクエリ式を使用すると CS1933 エラーが発生します。

コンパイラエラー CS1933 の意味

エラー CS1933 は「式にクエリ式を含めることはできません」という意味です。

定数初期化のみならず、一部の変数宣言においてもクエリ式が使用できないことを示しています。

これにより、プログラムの意図しない動作を防ぐための設計上の制約が現れています。

エラー発生の事例

ここでは、実際にエラーが発生するコード例を元に、その構造やエラーがどこで発生しているかについて具体的に見ていきます。

再現コードの構造

再現コードは、定数を LINQ クエリ式で初期化しようとするサンプルとなっています。

コード全体の流れとしては、配列などのデータソースから LINQ クエリでデータを選択し、その結果を定数として保持しようとする構造です。

基本的な構成は、using ディレクティブ、クラスの定義、定数の初期化、そして Main関数の実装となっています。

サンプルコードの解説

以下にエラーを再現するサンプルコードを示します。

コメントで各部分の動作を説明しています。

using System;
using System.Collections;
using System.Linq;
class Program
{
    // 定数として LINQ クエリ式を使用するとエラー CS1933 が発生する
    // 定数 'e' は、リテラルや算術演算子の組み合わせで初期化されるもののみ許容される
    const IEnumerable e = from number in new[] { 1, 2, 3 }
                          select number;
    static int Main()
    {
        // 実行環境が整っている場合も、このコードはコンパイルエラーになります
        Console.WriteLine("CS1933 エラーの再現例です");
        return 0;
    }
}
// 出力は生成されません。コンパイル時にエラーが発生します。

エラー発生箇所の確認

上記のコードにおいて、エラーが発生する箇所は定数 e の初期化部分です。

クエリ式 from number in new[] { 1, 2, 3 } select number; がコンパイル時に確定できないため、コンパイラはエラー CS1933 を出力します。

定数に使用できるのは、静的に評価可能なリテラル、名前付き定数、及び算術演算子の組み合わせに限定されるためです。

発生原因の詳細解説

次に、CS1933 エラーがなぜ発生するのか、その原因について詳しく解説します。

C# における定数とクエリ式の仕様

C# の設計において、定数はコンパイル時にその値が確定していなければならないと規定されています。

一方で、クエリ式や LINQ は実行時に評価される処理のため、動的なデータ操作を許容します。

この仕様の違いが、コンパイルエラーとして現れる原因です。

LINQ クエリ式の基本

LINQ クエリ式は、配列やリストなどのコレクションから特定の条件に基づいてデータを抽出するために広く利用されています。

クエリ構文では、fromwhereselect などのキーワードを用いてデータフィルタリングや変換を簡潔に記述することができます。

しかし、これらのクエリは、基本的に実行時に評価されるため、コンパイル時に定数として扱うことができません。

コンパイル時の制限事項

定数に対しては、以下の点が制約となります。

  • 値はコンパイル時に決定している必要がある
  • リテラル、名前付き定数、算術演算子の組み合わせのみが許容される

これに対し、LINQ クエリ式は内部でループや条件判定など複雑な演算を行うため、コンパイル時に完全な評価が不可能です。

結果として、定数の初期化にクエリ式を含めると、コンパイラがエラーを出力する仕様となっています。

解決方法の解説

エラーを解決するためには、定数の初期化にクエリ式を避け、実行時に変数へ代入する方法などを採用します。

ここでは、具体的な修正方法と注意点を解説します。

クエリ変数の修正方法

定数ではなく、通常の変数として LINQ クエリの結果を保持する方法が一般的です。

あるいは、クエリ式を実行した結果のリテラル値を取得し、その値を定数に代入する方法も考えられますが、複雑なクエリの場合は現実的ではありません。

修正手順と留意点

修正方法としては、定数から変数に変更するのが簡単な対策です。

例えば、const の代わりに readonly または通常の変数に変更することで、クエリ式を保持できるようになります。

以下に具体例を示します。

using System;
using System.Collections;
using System.Linq;
class Program
{
    // 定数ではなく、読み取り専用フィールドに変更することでエラーを解消する
    static readonly IEnumerable e = from number in new[] { 1, 2, 3 }
                                   select number;
    static int Main()
    {
        // LINQ クエリの結果を出力して確認する
        foreach (var item in e)
        {
            Console.WriteLine("値: " + item);  // 各要素を出力する
        }
        return 0;
    }
}
値: 1
値: 2
値: 3

上記の例では、const から static readonly へ変更することで、初期化時にクエリ式を使用しても問題なく動作するようになります。

注意点として、readonly フィールドは実行時に評価されるため、コンパイル時定数としての制約は適用されません。

Roslyn における対応状況

C# の新しいコンパイラである Roslyn では、従来の CS1933 エラーの挙動とは異なるエラーコードが生成される場合があります。

具体的には、古いコンパイラでエラー CS1933 が発生するコードは、Roslyn では CS0133 として扱われることがあります。

CS1933 と CS0133 の違い

CS1933 と CS0133 は、どちらも定数初期化時にクエリ式が使用された場合に表示されるエラーですが、以下の点が異なります。

  • CS1933: 古いコンパイラでは、クエリ式自体が初期化に使用できないというエラーメッセージが表示されます。
  • CS0133: Roslyn では同様のケースに対して、より具体的なエラーコードが割り当てられ、定数初期化時に使用できる式の要件に触れる形となります。

この違いは、コンパイラの設計思想の変更に起因しており、エラーメッセージの内容も微妙に異なるため、利用している C# コンパイラのバージョンに合わせた対応が必要です。

開発環境での検証例

開発環境においては、C# のバージョン毎に対応するエラーの挙動が異なる場合があります。

このセクションでは、バージョン別の挙動比較と注意点について解説します。

バージョン別の挙動比較

C# のバージョンや使用しているコンパイラによって、同じコードでも発生するエラーコードが異なる場合があります。

古いコンパイラでは CS1933、最新の Roslyn ベースのコンパイラでは CS0133 が生成されるケースがその一例です。

使用する環境に応じたエラーメッセージを確認し、適切な修正方法を選択することが重要です。

使用する C# バージョンの注意点

  • C# の最新バージョンでは、コンパイラのエラーメッセージが改善され、より明確な原因が示されることがあります。
  • プロジェクトが古い C# バージョンをターゲットにしている場合、従来のエラーメッセージ (CS1933) が表示されるため、バージョンアップを検討するのも一つの方法です。
  • Roslyn ベースのコンパイラでは、CS0133 といったエラーコードが表示されるため、公式ドキュメントや更新情報とともに最新の情報を確認することをお勧めします。

各バージョンでのエラー発生条件や推奨する修正方法については、プロジェクトの仕様や開発環境に合わせた対応を行うようにしてください。

using System;
using System.Collections;
using System.Linq;
class Program
{
    static readonly IEnumerable e = from number in new[] { 10, 20, 30 }
                                   select number;
    static int Main()
    {
        // 各バージョンでの挙動を確認するため、LINQ の結果をループで表示する
        foreach (var item in e)
        {
            Console.WriteLine("出力値: " + item);
        }
        return 0;
    }
}
出力値: 10
出力値: 20
出力値: 30

まとめ

本記事では、定数初期化でLINQクエリ式が使えない理由とその結果として発生するコンパイラエラーCS1933について解説しています。

再現コードを取り上げ、エラー発生箇所や原因、実際の修正方法を具体例を交えながら説明しました。

また、Roslyn環境下でのエラーコードCS0133との違いや、C#のバージョンによる挙動の違いにも触れ、環境に応じた対策が必要なことを理解いただけます。

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