コンパイラエラー

C言語 コンパイラ エラー C2298 メンバー関数ポインタ呼び出しエラーの原因と解決法

コンパイラ エラー C2298は、メンバー関数のポインターに対する不正な操作が原因で発生するエラーです。

例えば、ポインターを使ってメンバー関数を直接呼び出す際に正しい形式でない操作(例:x.*pmfのような直接演算)が行われると、エラーが生じます。

正規の呼び出し方法を用いることでエラーを回避できます。

エラー C2298の背景

エラー内容の解説

エラー C2298は、「operation : メンバー関数式へのポインターに対する操作が不正です」というメッセージが表示されることが多く、メンバー関数ポインタの使い方に問題があることを示しています。

メンバー関数ポインタというのは、特定のオブジェクトのメンバー関数を指すポインタですが、そのままでは直接呼び出せず、専用の記法で呼び出す必要があります。

メンバー関数ポインタの基本

メンバー関数ポインタは次のような形式で宣言します。

たとえば、引数がなく戻り値がvoidのメンバー関数なら、次のような書き方になります。

typedef void (ClassName::*MemberFuncPtr)();

このポインタをメンバー関数に初期化するときは、&ClassName::FunctionNameと記述し、呼び出すときはオブジェクトと.*またはオブジェクトのポインタと->*を使います。

基本の使い方を理解することで、エラーを防ぐことができます。

発生原因の詳細

不正な演算子使用によるエラー

エラー C2298は、メンバー関数ポインタに対して不正な演算子を使用すると発生します。

たとえば、メンバー関数ポインタから得た値に対して+などの演算子を使おうとすると、コンパイラが適切な操作と認識しないためエラーが出ます。

また、誤った演算子でオブジェクトにメンバー関数ポインタを適用した場合にも、正しく呼び出されずエラーとなります。

型の不一致と構文上の誤り

メンバー関数ポインタを用いる際、関数のプロトタイプや定義が一致しなかったり、型の不一致が発生するとエラーになります。

たとえば、通常の関数ポインタにメンバー関数ポインタを代入しようとすると、期待される型と合わずエラーとなります。

正しい構文と型に沿った記述が求められます。

正しい呼び出し方法と対策

正規のポインタ呼び出し記法

メンバー関数ポインタを正しく呼び出す場合は、オブジェクトを使い、(object.*pointer)()という形式で呼び出します。

以下は正しい呼び出し方法の例です。

#include <stdio.h>
struct X {
    void mf() {
        puts("in X::mf");
    }
    void mf2() {
        puts("in X::mf2");
    }
};
int main(void) {
    X x;
    // 引数なし、戻り値voidのメンバー関数ポインタを定義
    typedef void (X::*pmf_t)();
    pmf_t pmf = &X::mf;
    pmf_t pmf2 = &X::mf2;
    // 正しい呼び出し方:オブジェクトと.*演算子を使用
    (x.*pmf)();
    (x.*pmf2)();
    return 0;
}
in X::mf
in X::mf2

関数プロトタイプと定義の一致確認

関数の宣言と定義が一致していないと、型の不一致が原因でエラーが発生します。

関数プロトタイプと定義の内容を改めて確認し、双方で同じ型およびパラメータを使用するように注意してください。

また、メンバー関数ポインタに割り当てる対象の関数も、適切な型のものを選ぶ必要があります。

キャストの適用例

場合によっては、型の不一致を回避するためにキャストを適用することも有効です。

以下はキャストを活用する例です。

キャストを利用して明示的に型を合わせ、正しく呼び出す方法を示します。

#include <stdio.h>
struct X {
    void mf() {
        puts("in X::mf (called with cast)");
    }
};
int main(void) {
    X x;
    typedef void (X::*pmf_t)();
    pmf_t pmf = &X::mf;
    // 明示的なキャストを適用し、型を合わせて呼び出す例
    (x.*(pmf_t)((void*)pmf))();
    return 0;
}
in X::mf (called with cast)

コード例の検証と解説

エラーが発生するコード例

問題点の指摘

以下のコード例は、エラー C2298が発生する典型的な例です。

問題点として、メンバー関数ポインタから取得した値を通常の関数ポインタとして扱おうとしたり、誤って+演算子を使っていることが挙げられます。

#include <stdio.h>
struct X {
    void mf() {
        puts("in X::mf");
    }
};
int main(void) {
    X x;
    typedef void (X::*pmf_t)();
    pmf_t pmf = &X::mf;
    // 以下の記述はエラー C2298 を発生させる例です
    int (*pf)();
    // pf = x.*pmf;   // エラーとなる代入
    // +(x.*pmf);     // エラーとなる演算
    return 0;
}

このコードでは、x.*pmfという記述を通常の関数ポインタに代入しようとしている点と、+演算子を使っている点が正しくないため、コンパイラが不正な操作として判定してエラーが発生します。

修正後のコード例

修正ポイントの詳細解説

正しく記述する場合は、変数の型や演算子の使い方を見直し、メンバー関数ポインタを正しく呼び出す方法に統一します。

下記のコード例では、正しい呼び出し記法に沿って修正しています。

#include <stdio.h>
struct X {
    void mf() {
        puts("in X::mf");
    }
    void mf2() {
        puts("in X::mf2");
    }
};
int main(void) {
    X x;
    // メンバー関数ポインタを正しく定義
    typedef void (X::*pmf_t)();
    pmf_t pmf = &X::mf;
    pmf_t pmf2 = &X::mf2;
    // 正しい呼び出し方法を使用
    (x.*pmf)();
    (x.*pmf2)();
    return 0;
}
in X::mf
in X::mf2

この修正例では、余計な演算子の使用を避け、オブジェクトと.*演算子を使った呼び出し方に修正されているため、エラーは発生しません。

まとめ

エラー C2298に関して、メンバー関数ポインタの正しい宣言方法や呼び出し記法、そして型の一致が大切なポイントとなります。

構文の誤りや不正な演算子の使用が原因でエラーが発生するケースがあるため、コード例を通して正しい記法に慣れると安心です。

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