CS401～800

C# コンパイラエラー CS0662 について解説

2025-03-29更新日: 2025-03-29

CS0662は、インターフェイス内のrefパラメーターに対して、[Out]属性だけを指定した場合に発生するコンパイラーエラーです。

refパラメーターを使用する際、[Out]属性を付与するなら[In]属性も併せて記述する必要があります。

例えば、[Out, In] ref int iのように宣言するとエラーが解消されます。

目次から探す

エラー発生の原因
- パラメーター属性の制約
- インターフェイス内のメソッド宣言の仕様
エラー解消の方法
- 正しい属性指定の手法
- 修正コード例の比較
注意事項と補足情報
- 開発環境での動作確認ポイント
まとめ

エラー発生の原因

パラメーター属性の制約

In 属性と Out 属性の同時指定ルール

ref パラメーターに対しては、属性として In と Out を同時に指定するか、どちらも指定しないように決められております。

これは、パラメーターの入出力の性質を正確に示すためです。

例えば、 $既定のルール: ref パラメーターには (In, Out) の両方または何も指定しない$ といった数式で表現できます。

属性を正しく両方指定することで、コンパイラはパラメーターの意図を正確に把握し、不要なエラーを防ぐことができます。

単独指定による不具合の例

Out 属性だけを指定した ref パラメーターの宣言はコンパイラエラー CS0662 を引き起こします。

以下のサンプルコードでは、誤った属性指定によりエラーが発生します。

// CS0662_ErrorSample.cs
using System.Runtime.InteropServices;
interface IErrorSample
{
    // エラー発生: ref パラメーターに Out 属性のみを指定すると CS0662 が発生する
    void ErrorMethod([Out] ref int number);
}
class Program
{
    public static void Main()
    {
        int value = 10;
        // 実行時には呼び出しが行われませんが、コンパイル時にエラーとなる例です
    }
}

エラー CS0662: 'ErrorMethod': ref パラメーターに Out 属性だけを指定することはできません。In 属性と Out 属性の両方を使用するか、両方を使用しないでください。

インターフェイス内のメソッド宣言の仕様

属性使用時の注意事項

インターフェイス内でメソッドを宣言する場合、属性の指定に特に注意が必要です。

インターフェイスは実装を持たないため、メソッドのシグネチャが厳密に設計される必要があります。

例えば、ref パラメーターを持つインターフェイスのメソッドでは、Out 属性のみを指定することは許容されず、必ず In 属性も併せて指定する必要があります。

この仕様を遵守することで、実装クラスにおける挙動が一貫し、予期しないエラーを回避できます。

エラー解消の方法

正しい属性指定の手法

[In, Out] を併用した記述例

正しい属性指定の例として、ref パラメーターに対して In 属性と Out 属性の両方を指定する方法があります。

以下は、正しく属性を併用しているサンプルコードです。

// CorrectAttributeUsage.cs
using System;
using System.Runtime.InteropServices;
interface ICorrectSample
{
    // 正しい属性指定: In と Out を併用している
    void CorrectMethod([In, Out] ref int value);
}
class Program
{
    public static void Main()
    {
        int number = 20;
        // 説明用: インターフェイスの実装はしていませんが、正しいシグネチャの例となります
        Console.WriteLine("サンプルコードの実行: number = " + number);
    }
}

サンプルコードの実行: number = 20

修正コード例の比較

誤った記述と正しい記述の違い

以下の表は、誤った記述と正しい記述の違いを示したものです。

項目	誤った記述	正しい記述
属性の指定方法	`[Out] ref int number`	`[In, Out] ref int number`
コンパイラエラー	エラー CS0662 が発生する	正常にコンパイルされる

誤った記述では、ref パラメーターに Out 属性のみが指定され、その結果としてコンパイラエラー CS0662 が発生します。

一方、正しい記述では、In 属性と Out 属性が両方とも指定され、エラーなく動作するコードとなっています。

この違いを理解することで、属性の不適切な使用を避け、エラーなくコードを記述できるようになります。

注意事項と補足情報

開発環境での動作確認ポイント

コンパイラバージョンの考慮

コンパイラのバージョンによって、属性に関する厳格さや警告の内容が異なる場合があります。

利用中の .NET バージョンやコンパイラのバージョンが、今回の属性指定ルールに対応しているかを確認することが重要です。

例えば、最新のコンパイラでは属性の指定に対して厳密なチェックが行われるため、以前はエラーにならなかった記述がエラーとして検出される可能性があります。

IDE の設定による影響

開発に利用する IDE (例: Visual Studio) の設定によっては、コンパイル時の警告やエラーの表示方法に違いがある場合があります。

IDE の設定で警告レベルを変更することで、細かい違いに気づくことができるため、コンパイラエラーだけでなく、警告も意識して確認することが望ましいです。

さらに、IDE の自動補完やコード解析機能を利用することで、属性の誤りを事前に防ぐことが可能です。

まとめ

本記事では、C# のコンパイラエラー CS0662 の原因と解消方法について解説しています。

具体的には、ref パラメーターに対して In 属性と Out 属性を同時に指定すべき理由や、単独で指定した場合の不具合について説明しました。

また、インターフェイス内における属性使用時の注意点や、正しい属性指定と誤った記述の違いを比較し、サンプルコードを通じて具体的な修正例を示しています。

これにより、エラー解消のための正確な記述方法が理解できる内容です。