C#構造体のインスタンスフィールド初期化エラー CS0573 について解説
CS0573 のエラーは、C#で構造体のインスタンスフィールドに直接初期値を設定したときに発生します。
値型フィールドは既定値に、参照型フィールドはnull
に自動初期化されるため、初期化子の記述は許可されていません。
コード確認の際は、フィールド初期化の有無に注意してください。
エラー発生の背景
CS0573 エラーの定義
C#で構造体にインスタンスフィールド初期期化子を記述すると、コンパイラはエラーCS0573
を出力します。
このエラーは、構造体のインスタンスフィールドに対して初期化子を使うことができないため発生します。
構造体の場合、値型フィールドは既定値が自動的に設定され、参照型フィールドはnull
に初期化される仕組みになっています。
エラーが発生する条件
CS0573
エラーは、構造体定義内で以下のように、フィールドに対して初期値を与えようとした場合に発生します。
- インスタンスフィールドに初期化子を使用している場合
- 構造体のフィールドに明示的な初期値を代入しようとした場合
例えば、以下のようなコードはエラーとなります。
string text = "サンプル";
int number = 10;
構造体の初期化ルール
構造体とクラスの初期化の違い
クラスでは、インスタンスフィールドに初期化子をつけることが可能です。
しかし、構造体は値型であるため、フィールドは既定値が自動的に設定されます。
そのため、構造体内で明示的に初期値を代入する必要がなく、むしろ許容されていません。
また、クラスは参照型であり、初期化子により独自の初期値を設定できる点も大きな違いです。
値型フィールドの初期化動作
構造体内の値型フィールド(例えばint
、double
、bool
など)は、構造体が初期化されると自動的に0
、0.0
、false
といった既定値が設定されます。
この既定値による初期化はコンパイラが自動で行うため、プログラマがフィールド初期化子を追加する必要はありません。
フィールド初期化子を記述すると、エラーCS0573
が発生します。
参照型フィールドの初期化動作
構造体内の参照型フィールドは、初期化時に自動でnull
に設定されます。
そのため、構造体の参照型フィールドに対しても、明示的な初期化子は不要です。
もし初期化子を使用すると、クラスの場合と同様に構文エラーが発生します。
コード例による解説
誤った初期化方法(エラー例)
以下は、構造体内にインスタンスフィールド初期化子を記述した場合のサンプルコードです。
コード内のコメントでエラーが発生する部分を示しています。
using System;
namespace SampleNamespace
{
// 構造体にフィールド初期化子があるためCS0573エラーが発生する例
public struct ExampleStruct
{
// 以下の初期化子はエラーになります
string text = "サンプル"; // CS0573
int number = 10; // CS0573
}
class Program
{
static void Main()
{
// インスタンス生成のみの実装
ExampleStruct instance;
Console.WriteLine("インスタンス生成完了");
}
}
}
インスタンス生成完了
コード例の詳細解析
このサンプルコードでは、ExampleStruct
内でインスタンスフィールドに初期値を設定しています。
string text = "サンプル";
:文字列型フィールドに初期値を与えているためエラーが発生します。int number = 10;
:整数型フィールドに初期値を与えているため同様にエラーになります。
構造体では、フィールドの既定値が自動で設定されるため、これらの初期化子は不要となります。
正しい初期化方法(修正例)
構造体内でフィールドの初期化を行う場合は、初期化子を削除し、コンストラクタ内で初期化を行う方法が推奨されます。
以下のサンプルコードは、コンストラクタを使用してフィールドを初期化している正しい実装例です。
using System;
namespace SampleNamespace
{
public struct ExampleStruct
{
// フィールド初期化子を削除し、フィールドのみ宣言
public string text;
public int number;
// コンストラクタでフィールドを初期化する
public ExampleStruct(string initText, int initNumber)
{
text = initText;
number = initNumber;
}
}
class Program
{
static void Main()
{
// コンストラクタを使用して正しく初期化
ExampleStruct instance = new ExampleStruct("サンプル", 10);
Console.WriteLine("テキスト: " + instance.text);
Console.WriteLine("数値: " + instance.number);
}
}
}
テキスト: サンプル
数値: 10
エラー回避の対策
初期化子を使用しない実装方法
構造体内でフィールドに初期値を与えたい場合は、コンストラクタを利用して初期化を行います。
フィールド宣言時に値を設定するのではなく、コンストラクタ内で各フィールドに適切な値を代入するよう実装してください。
この方法により、CS0573
エラーを回避することができます。
コンパイラ挙動への留意点
構造体は値型であるため、フィールドは自動的に既定値に初期化されます。
コンパイラは構造体の仕様に従い、フィールド初期化子が記述された場合にエラーCS0573
を出力します。
そのため、コンパイラのエラーメッセージを参考に、フィールド宣言と初期化のタイミングを正しく理解し、実装することが重要です。
まとめ
本記事では、C#における構造体のインスタンスフィールド初期化子使用時に発生するCS0573エラーの定義、発生条件、クラスと構造体の初期化ルールの違い、そして誤った例と修正例を示しながら、エラー回避の具体的対策(コンストラクタによる初期化)について解説しています。
これにより、構造体の自動既定値初期化の仕組みとエラー回避方法が明確に理解できます。