CS401～800

C# コンパイラエラー CS0558：ユーザー定義演算子の static と public 指定について解説

2025-03-29更新日: 2025-03-29

CS0558 は C# のコンパイラエラーで、ユーザー定義演算子において static と public の両修飾子が指定されていない場合に発生します。

例えば、暗黙の型変換の実装で public が欠落するとこのエラーが現れます。

正しく両修飾子を併記することでエラーを解消できます。

公式ドキュメントも参考にしてください。

目次から探す

CS0558 エラーの基本情報
ユーザー定義演算子の仕様
- ユーザー定義演算子の概要
- static と public 修飾子の役割
エラー発生例と修正方法
- エラー発生例のコード解説
- 修正方法の実例
コーディング時の注意事項
- アクセス修飾子の正しい記述方法
- ユーザー定義演算子実装時の留意点
まとめ

CS0558 エラーの基本情報

エラーコードの意味

CS0558 エラーは、ユーザー定義演算子の宣言において、必ずしも指定されないといけない修飾子である public と static が正しく付与されていない場合に発生します。

すなわちユーザー定義演算子は、インスタンスではなく型に紐づいており、また外部からアクセス可能でなければならないため、これらの修飾子が必要となるのです。

エラーコード $C S 0558$ は「ユーザー定義の演算子 ‘operator’ は static および public として宣言されなければならない」という意味を持ちます。

発生条件と原因

このエラーが発生する主な原因は、ユーザー定義演算子の宣言時に以下のいずれかの修飾子が欠けている場合です：

static 修飾子が指定されていない場合
public 修飾子が指定されていない場合

どちらか一方でも欠落していると、コンパイラは CS0558 エラーを出力します。

つまり、演算子オーバーロードでは、必ず両方の修飾子を併記する必要があります。

公式ドキュメントの参照方法

公式ドキュメントでは、CS0558 エラーの具体的な説明や対策、修正例が詳細に記載されています。

Microsoft Learn のドキュメントを参照すると、演算子オーバーロードのルールや推奨される実装方法が確認可能です。

エラーメッセージの内容や、必要な修飾子の意味について詳しく記述されているため、エラー修正の際の参考にするとよいです。

ユーザー定義演算子の仕様

ユーザー定義演算子の概要

C# では、演算子オーバーロードを使用することで、独自の型に対しても算術演算子や変換演算子などの振る舞いを定義することができます。

これにより、ユーザー定義型が直感的に扱えるようになり、コードの可読性や表現力が向上します。

しかし、これらの演算子は特定のルールに従って実装する必要があります。

static と public 修飾子の役割

static 修飾子は、そのメソッドが型自体に属し、インスタンス化しなくても実行できることを示します。

ユーザー定義演算子は型全体の振る舞いを定義するため、必ず static である必要があります。

一方、public 修飾子は、その演算子が外部のコードからアクセス可能であることを保証します。

両者とも、ユーザー定義演算子を正しく利用するために不可欠な指定となっています。

宣言例とエラー発生のポイント

以下のサンプルコードは、public 修飾子が漏れているために CS0558 エラーが発生するケースを示しています。

namespace SampleNamespace {
    public class SampleClass {
        // 本来は public 修飾子も必要です
        static implicit operator int(SampleClass instance) { // CS0558 エラー発生
            return 0;
        }
    }
    public static class Program {
        public static void Main() {
            // 実際の実行部分
            SampleClass sample = new SampleClass();
            int value = sample;
            System.Console.WriteLine(value);
        }
    }
}

上記の例では、implicit operator に public が指定されていないため CS0558 エラーが発生します。

演算子を実装する際は、必ず public static として宣言する必要があります。

エラー発生例と修正方法

エラー発生例のコード解説

CS0558 エラーが発生するコード例では、ユーザー定義演算子が適切に宣言されず、public や static のいずれか、または両方が欠落していることが確認できます。

ここでは、不足している修飾子のためにエラーが出る点を重点的に解説します。

問題コードの詳細

以下は、エラーを引き起こすコード例です。

(※元々のコードでは static は指定されていますが、public が欠如している状態です。)

namespace x {
    public class ii {
        public class iii {
            static implicit operator int(iii aa) { // ここで CS0558 エラー発生
                return 0;
            }
        }
    }
}

この例では、implicit operator の宣言において public が省略されているため、コンパイラは CS0558 エラーを出力します。

修正方法の実例

エラーを解決するためには、ユーザー定義演算子の宣言に public を追加し、正しく public static とする必要があります。

以下に正しい修正例を示します。

修正後のコード確認

namespace x {
    public class ii {
        public class iii {
            // 修正：public と static の両方を指定
            public static implicit operator int(iii instance) {
                return 0;
            }
        }
    }
    public static class Program {
        public static void Main() {
            iii sampleInstance = new ii.iii();
            int result = sampleInstance;  // 正常に動作し、0 が出力される
            System.Console.WriteLine(result);
        }
    }
}

上記の例では、implicit operator の宣言に public を追記することで、CS0558 エラーが解消され、期待した動作を実現しています。

コーディング時の注意事項

アクセス修飾子の正しい記述方法

ユーザー定義演算子を実装する際は、必ず public と static の両方を指定することが重要です。

アクセス修飾子に関しては、以下の点に注意してください：

演算子オーバーロードは、型全体の振る舞いとして実装するため static とする必要がある。
外部からも利用可能にするため、必ず public でアクセス指定を行う。

これらのルールを遵守することで、コンパイルエラーを防止できます。

ユーザー定義演算子実装時の留意点

ユーザー定義演算子の実装には、以下の点に注意することが推奨されます：

演算子が直感的な動作をするように設計する。例えば、加算演算子をオーバーロードする際は、実際の加算と同様の振る舞いを実現する。
演算子の戻り値の型や引数の型は、他のクラスやメソッドとの整合性を保つように注意する。
可能であれば、実装前に公式ドキュメントを確認し、仕様に合致する実装方法を採用する。

このような注意点を踏まえながら、ユーザー定義演算子を正しく実装すると、コード全体の品質向上にも寄与するため、ぜひ意識して実装してみてください。

まとめ

本記事では、CS0558 エラーの原因となるユーザー定義演算子の宣言不足(public・staticの指定漏れ)について解説しました。

エラー発生の条件、その具体的な修正方法や正しい宣言の仕方をコード例を交えて説明し、公式ドキュメントの参照方法も述べました。

ユーザー定義演算子の実装時の注意点を確認することで、正しいコード作成の改善に役立てられる内容となっています。