C# コンパイラエラー CS0276 の原因と対策について解説
CS0276 は、C# で発生するコンパイルエラーです。
プロパティやインデクサーにおいて、一方のアクセサーだけにアクセス修飾子を指定すると、構文エラーとなります。
通常、アクセサーには get と set の両方が存在する場合にのみ、それぞれに個別の修飾子を指定できます。
解決方法としては、不要なアクセス修飾子を削除するか、もう一方のアクセサーを追加します。
エラーの定義と仕組み
CS0276エラーの説明
CS0276エラーは、プロパティまたはインデクサーが単一のアクセサーのみを持つ場合に、アクセサーのアクセス修飾子を指定すると発生するエラーです。
具体的には、アクセサーのアクセシビリティ修飾子は、プロパティまたはインデクサー内に get
および set
の両方が存在する場合のみ使用できるため、単一のアクセサーに対して修飾子を指定するとコンパイルエラーとなります。
Microsoft Learnの説明によれば、「アクセサーのアクセシビリティ修飾子は、プロパティまたはインデクサーが get
および set
の両方を含む場合にのみ、使用されます」と記載されています。
エラー発生の背景
このエラーが発生する背景には、C#の設計思想が影響しています。
本来、プロパティやインデクサーは、データの読み書きに対する制御を容易にするための機能です。
しかし、1つのアクセサーのみを持つ場合、独立してアクセシビリティを制限する必要がないと判断され、結果として不要な修飾子が指定されるとエラーとなります。
例えば、読み取り専用のプロパティに対して protected set
のような記述を行うと、規則に反するためCS0276エラーが発生します。
アクセサーにおけるアクセス修飾子の誤用
プロパティとインデクサーの基本構造
C#におけるプロパティやインデクサーは、データアクセスのための get
および set
の両方を持つことが一般的です。
基本的な構造は以下のようになります。
get
アクセサー:プロパティの値を取得するための部分です。set
アクセサー:プロパティの値を設定するための部分です。
両方のアクセサーが存在する場合、個別にアクセス修飾子を指定することが可能です。
ただし、アクセサーが1つしか定義されていない場合は、明示的なアクセス修飾子の指定を行うとコンパイラがエラーを報告します。
アクセサーごとの修飾子指定ルール
アクセサーごとの修飾子指定にあたっては、以下のルールが存在します。
- プロパティまたはインデクサー内に
get
とset
の両方がある場合に限り、個別のアクセス修飾子を使用できる。 - 単一のアクセサーに対してアクセス修飾子を指定するとCS0276エラーが発生する。
正しい記述例
両方のアクセサーが定義されている場合、特定のアクセサーにアクセス制限を設けるといった記述は正しく動作します。
以下は正しい記述例のサンプルコードです。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
// プロパティにおいて、getはpublic、setはprotectedとして定義
public int Property
{
get { return propertyValue; } // 全てのクラスから参照可能
protected set { propertyValue = value; } // このクラスまたは継承クラスからのみ設定可能
}
private int propertyValue;
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// getアクセサーの利用例
Console.WriteLine($"Property value: {obj.Property}");
// setアクセサーへの直接アクセスはコンパイルエラーとなるためコメントにしています
// obj.Property = 10;
}
}
}
Property value: 0
誤った記述例
単一のアクセサーに対してアクセス修飾子を指定すると、CS0276エラーが発生します。
以下は誤った記述例です。
このコードはコンパイルエラーを引き起こします。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
public int ReadOnlyProperty
{
// 単一のアクセサーに対してprotected修飾子を指定しているためエラー
protected get { return 42; }
}
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// このコードは実行される前にコンパイルエラーとなるため出力はありません
Console.WriteLine($"ReadOnlyProperty value: {obj.ReadOnlyProperty}");
}
}
}
エラー発生例のコード解説
コード例から見る問題点
以下のコード例は、CS0276エラーが発生する典型的なパターンを示しています。
1つのアクセサーのみを定義したプロパティに対し、アクセス修飾子を指定しているため、コンパイラが規則違反と判断してエラーを報告します。
‘protected set’ の記述例
次のコードは、Property
に対して protected set
を指定していますが、get
アクセサーが存在しないためにエラーが発生します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
public int Property
{
// 単一のsetアクセサーに対しprotected修飾子を指定しているためエラー
protected set { /* 値の設定処理 */ }
}
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// エラーが発生するため、通常このコードはコンパイルできません
Console.WriteLine("実行例:Propertyの値を取得");
}
}
}
‘internal get’ の記述例
次のコードは、Property2
に対して internal get
を指定しています。
こちらも set
アクセサーが存在しないために、アクセサーのアクセス修飾子が誤った使い方としてエラーが発生します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
public int Property2
{
// 単一のgetアクセサーに対しinternal修飾子を指定しているためエラー
internal get { return 100; }
}
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// エラーが発生するため、通常このコードはコンパイルできません
Console.WriteLine($"Property2 value: {obj.Property2}");
}
}
}
エラー解決方法の手順
不要なアクセサー修飾子の削除方法
単一のアクセサーのみを使用する場合は、余計なアクセス修飾子を削除することでエラーを解決できます。
以下は、修正後の正しいコード例です。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
// 誤ったprotected修飾子を削除し、単一のアクセサーとして定義
public int ReadOnlyProperty
{
get { return 42; }
}
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// 単一のgetアクセサーのみが定義されているため、正しく動作します
Console.WriteLine($"ReadOnlyProperty value: {obj.ReadOnlyProperty}");
}
}
}
ReadOnlyProperty value: 42
もう一方のアクセサー追加方法
もう一つのアクセサーを追加することで、個別にアクセス修飾子を指定することが可能となります。
以下は、get
アクセサーと set
アクセサーの両方を定義し、必要なアクセス制御を実現した例です。
using System;
namespace SampleApp
{
public class MyClass
{
private int propertyValue;
public int Property
{
// getアクセサーはpublicとして外部からの取得が可能
get { return propertyValue; }
// setアクセサーにprotected修飾子を指定して内部および継承先からの設定を許可
protected set { propertyValue = value; }
}
public static void Main()
{
MyClass obj = new MyClass();
// getアクセサーにより値は取得できる
Console.WriteLine($"Property value: {obj.Property}");
// 直接setアクセサーは利用できないため、値の設定は継承先などで行います
}
}
}
Property value: 0
まとめ
この記事では、C#のコンパイラエラーCS0276について、エラーが発生する原因と背後にある仕様、プロパティやインデクサーでのアクセス修飾子の正しい使い方を説明しています。
単一のアクセサーに不要な修飾子を指定するとエラーが発生し、解決策として不要な修飾子の削除や、もう一方のアクセサーを追加する方法を具体例を交えて紹介しました。