C#コンパイルエラーCS0181の原因と対策について解説
CS0181エラーは、C#で属性コンストラクターのパラメーターに無効な型を指定した場合に発生します。
C#では、属性に利用できるパラメーターの型が制限されており、たとえばポインタ型やジェネリック型などは使用できません。
コードを見直し、有効な型に修正することでエラー解消を図ってください。
エラー概要
CS0181エラーの概要
CS0181エラーは、属性コンストラクターのパラメーターとして許可されていない型が指定された場合に発生するエラーです。
C#では、属性のパラメーターとして指定できる型が厳密に限定されているため、例えばポインタ型やジェネリック型など、対応していない型を指定するとエラーとなります。
エラーメッセージは「属性コンストラクター パラメーターに、有効な属性パラメーター型ではない型があります」と表示されます。
発生する状況と影響
このエラーは、属性を定義する際に、属性コンストラクターの引数として無効な型(例:ポインタ型やジェネリック型)を指定した場合に発生します。
主にインターロップ処理やコード生成の際など、特殊な用途で発生することが多いですが、システム全体のビルドエラーにつながるため、基本のコード品質を保つ上でも無視できない重要なエラーです。
発生原因と仕様
属性コンストラクターの基本仕様
属性はメタデータ情報を付与するために使用され、コンパイル時にその内容が固定されている必要があります。
属性コンストラクターで指定されるパラメーターも、コンパイル時定数または特定の型に制限されています。
C#では、基本的に以下の型しか利用できません。
有効な属性パラメーター型の制限
有効な属性パラメーター型としては、以下のような型が定義されています。
・組み込みの数値型(int
、double
、byte
など)
・string
型
・System.Type
型
・これらの型の配列
これらの型はコンパイル時に値が確定しているため、属性のメタデータとして利用することが可能です。
さらに、列挙型も指定できますが、基本的な型と同じ扱いとなります。
禁止される型の例(ポインタ型、ジェネリック型など)
一方、属性パラメーターに使用してはいけない型も存在します。
・ポインタ型(例:delegate*<void>
など)
・ジェネリック型
・その他、コンパイル時に値が確定しない型
特にポインタ型は、セキュリティ上の理由やプラットフォーム依存の部分があるため、コンパイラはこれらの型を属性パラメーターとして許容しません。
また、ジェネリック型も同様の理由で属性パラメーターには使用できません。
コード例と詳細解説
エラーが発生するコード例
以下のコード例は、無効なポインタ型を属性パラメーターに指定しているため、CS0181エラーを発生させるコード例です。
なお、Main
関数が含まれているため、コード全体として実行可能な形式となっていますが、コンパイル時にエラーが出る点に注意してください。
using System;
using System.Runtime.InteropServices;
// 属性の使用例:無効なポインタ型を指定することでCS0181エラーが発生する
[AttributeUsage(AttributeTargets.Method, AllowMultiple = true)]
unsafe class Attr : Attribute
{
// ポインタ型は無効な属性パラメーター型です
public Attr(delegate*<void> d) {}
}
unsafe class Program
{
// エラーが発生する属性使用例
[UnmanagedCallersOnly]
[Attr(&MethodExample)]
static void MethodExample()
{
// サンプル用メソッド
}
public static void Main()
{
Console.WriteLine("CS0181エラーが発生するコード例です");
}
}
error CS0181: 属性コンストラクターのパラメーターに、有効な属性パラメーター型ではない型があります。
エラー例コードのポイント解説
このコード例では、Attr
という属性クラスのコンストラクターにdelegate*<void>
というポインタ型が渡されています。
C#ではポインタ型は属性パラメーターとして無効なため、コンパイラはエラーを報告します。
さらに、MethodExample
メソッドに対して[Attr(&MethodExample)]
と属性が付加されていますが、この部分でエラーが発生する原因となっています。
コンパイラメッセージの読み方
コンパイラが出力するエラーメッセージは、エラー発生場所や原因を明確に示しているため、エラーメッセージに含まれる情報を確認することが重要です。
・エラーメッセージの先頭にはエラー番号(ここではCS0181)が記載されています。
・メッセージ本文には「属性コンストラクターのパラメーターに、有効な属性パラメーター型ではない型があります」とあり、どの部分が問題かを示しています。
・エラーが発生しているコード行やファイルの情報も表示されるため、修正箇所を迅速に特定できます。
対策と修正方法
エラー回避のポイント
CS0181エラーを回避するためには、属性コンストラクターに渡すパラメーターの型を有効なものへ変更する必要があります。
基本的には、先述の有効な型(組み込み数値型、string
、System.Type
など)を利用してください。
また、属性として必要な情報を別の方法で提供できるか検討するのも一つの策です。
有効な型への変更方法
もし、特定の型で情報を伝えたい場合は、その情報を一度文字列やType
型に変換してから属性に渡す手法が考えられます。
例えば、関数ポインタを直接渡す代わりに、関数名やメソッドの情報を示すstring
型やMethodInfo
などを別途取得し、属性では限定された型を使用するように設計を見直してください。
修正例コードの解説
以下のコード例は、属性パラメーターに有効な型であるstring
を使用した修正例です。
サンプルでは、元々エラーの原因となっていたポインタ型の代わりに、メソッド名の文字列を渡す形に変更しています。
実行可能なコード例となっており、コンパイルエラーが解消された状態です。
using System;
using System.Runtime.InteropServices;
// 修正例:文字列型を使用して有効な属性パラメーターとする
[AttributeUsage(AttributeTargets.Method, AllowMultiple = true)]
class Attr : Attribute
{
// 文字列型は有効な属性パラメーターです
public Attr(string methodName)
{
// 属性情報としてメソッド名を保持
MethodName = methodName;
}
public string MethodName { get; }
}
class Program
{
// 修正後の属性使用例(文字列型に変更)
[Attr("MethodExample")]
static void MethodExample()
{
// サンプル用メソッド
}
public static void Main()
{
Console.WriteLine("CS0181エラーが解消された修正例コードです");
// メソッド呼び出し例(必要に応じて呼び出し)
MethodExample();
}
}
CS0181エラーが解消された修正例コードです
修正手順の詳細説明
- 属性クラス
Attr
のコンストラクターを見直し、無効なポインタ型の代わりにstring
型を受け取るよう変更しました。 - メソッドに適用していた属性の引数を、ポインタを示すのではなく、メソッド名を直接文字列で指定するように修正しました。
Main
関数を含めることで、エントリーポイントが明確になり、実際にコードを実行できる形となりました。
以上の修正により、CS0181エラーが解消され、正常にビルド・実行できるコードとなっています。
まとめ
本記事では、CS0181エラーの概要と発生原因、属性コンストラクターで利用できる型の制限について説明しています。
無効な型(ポインタ型やジェネリック型)を指定する場合にエラーが生じる理由と、その対策として有効な型(例:文字列型)への変更方法について具体的なコード例と共に解説しています。
これにより、属性使用時の注意点やエラー解消の手順を理解できます。