C# コンパイラエラー CS0179:extern キーワードの正しい記述方法について解説
CS0179 は、C# のソースコードで extern 修飾子が付いたメンバーに本体を記述すると発生するコンパイルエラーです。
extern 修飾子は、メソッドやプロパティの実装が別ファイルやライブラリにあることを示唆するため、同じクラス内に本体を定義できません。
修正には、extern キーワードの削除か本体の記述を省略してください。
エラー概要
CS0179 エラーの概要
CS0179
エラーは、extern
修飾子が付いたメソッドに本体が含まれている場合に発生します。
C# では、extern
修飾子を指定したメソッドは、その実装が他の場所(例えば外部ライブラリやプラットフォーム固有の実装)に存在することを意味するため、メソッド内で本体を定義してはいけません。
エラー発生の背景
C# のコンパイラは、extern
キーワードで宣言されたメソッドについて、本体が存在しないことを前提に解析を行います。
しかし、誤ってメソッド内に本体が記述された場合、定義と宣言の矛盾が生じ、コンパイラはその不整合を検出してエラーを報告します。
extern キーワードの意義と使い方
extern 修飾子の基本的な役割
extern
修飾子は、関数やメソッドの実装が C# のコード内ではなく、外部の実装に委ねられていることを示します。
これにより、以下のようなシナリオで利用されます。
- プラットフォーム呼び出し(P/Invoke)による外部ライブラリの関数呼び出し
- コンパイラによる特殊な内部処理
外部実装との関連性
extern
を使う場合、実際のメソッドの実装は外部にあり、C# のコードからは呼び出しのための宣言のみが行われます。
例えば、プラットフォーム固有のAPIやC言語で記述されたライブラリの関数を利用する際に活用されます。
正しい記述方法のポイント
extern
修飾子を使用する際は、メソッド本体を記述しないことが必須です。
正しい記述例は、メソッド宣言のみとし、末尾にセミコロンを付ける形式となります。
また、実際の実装が存在する場所に正しくリンクされるように設定が必要です。
クラスメンバーにおける使用上の注意
クラス内で extern
を用いる場合、メソッド以外のメンバー(プロパティやイベントなど)に使用すると想定外の動作を引き起こす可能性があります。
また、誤って本体を定義してしまうと、コンパイラエラーが発生するため、メンバー定義のルールを十分に確認する必要があります。
エラー原因と具体例
本体定義と extern キーワードの矛盾
extern
修飾子が付与されたメソッドは、あくまで宣言のみで実装は外部に存在するため、クラス内にメソッド本体を含むと矛盾が生じます。
この矛盾が、コンパイラエラー CS0179
の直接の原因です。
誤ったコード記述の例
以下のコード例は、extern
メソッドに対して本体を定義しているため、CS0179
エラーが発生します。
// 誤った例: extern メソッドに本体があるためエラーが発生する
public class MyClass
{
public extern int ExternMethod(int parameter) // CS0179 エラーが発生
{
return 0;
}
public static void Main()
{
}
}
コンパイラエラー発生の仕組み
コンパイラは、extern
修飾子が付与されたメソッドに対しては、実装が提供されないことを前提にして解析を行います。
したがって、メソッド本体が存在すると、定義と宣言のルールが破られたと判断し、エラーを出力します。
エラーメッセージは通常「`’member’ を extern にして、本体を宣言することはできません。
`」といった内容になります。
コード例による確認
発生例のコード解説
上記の誤ったコード例では、ExternMethod
メソッドに extern
修飾子が付与されながら、メソッド本体が記述されています。
C# の仕様では、このような記述は認められていないため、コンパイラが矛盾を検出し、エラーとして報告します。
エラーメッセージの内容
エラーメッセージは以下のような形式で表示されます。
'member' を extern にして、本体を宣言することはできません。
このメッセージは、extern
修飾子の使用方法が正しくないことを明確に示しており、誤った記述を修正する必要があることを伝えています。
エラー修正方法
extern キーワードの削除方法
もし、メソッドの実装がクラス内に記述される必要がある場合は、extern
キーワードを削除することでエラーを回避できます。
これにより、メソッドは通常のメソッドとして扱われ、本体が正しく定義されることになります。
定義の分離による修正例
修正前のコード例
以下のコードは、extern
修飾子付きで本体が含まれており、エラーが発生する例です。
// 修正前: extern 修飾子を使用したためエラーが発生する
public class MyClass
{
public extern int ExternMethod(int parameter) // CS0179 エラー
{
return 0;
}
public static void Main()
{
MyClass instance = new MyClass();
int result = instance.ExternMethod(5);
System.Console.WriteLine("結果: " + result); // この行は実行されません
}
}
修正後のコード例
修正後は、外部実装を前提とする場合はメソッド本体を削除し、宣言のみとするか、あるいは extern
を削除して通常のメソッドとして定義します。
ここでは、後者の例を示します。
// 修正後: extern を削除してメソッド本体を正常に定義する例
public class MyClass
{
public int ExternMethod(int parameter) // extern を削除
{
return parameter * 2; // サンプルとして値を2倍にする
}
public static void Main()
{
MyClass instance = new MyClass();
int result = instance.ExternMethod(5);
System.Console.WriteLine("結果: " + result);
}
}
結果: 10
注意事項
メンバー定義ルールの確認ポイント
extern
を利用する場合、定義と宣言のルールに従うことが重要です。
具体的には、以下のポイントを確認してください。
extern
修飾子が付いたメソッドには本体を記述しないこと- 外部実装が正しくリンクされるよう、必要な設定が行われているかを確認すること
- 修正前後のコードの記述方法の違いを理解すること
コンパイル前のチェックリスト
- [ ]
extern
修飾子が正しく記述されているか - [ ]
extern
メソッドに本体が含まれていないか - [ ] 外部実装が必要な場合、プロジェクト設定やリンク設定が正しく行われているか
以上を確認することで、CS0179
エラーの原因を事前に防止することが可能です。
まとめ
本記事では、C#のコンパイラエラーCS0179について解説しています。
externキーワードは外部実装を示すため、本体を持ってはいけないこと、逆に実装が必要な場合はexternを外す必要がある点を具体例と共に説明しています。
また、エラー発生の仕組みや修正方法、クラスメンバーとして利用する際の注意事項についても触れており、開発時のチェックリストを参考に正しいメンバー定義が行えるようになります。