CS0~400

C# コンパイラ エラー CS0150 の原因と対策について解説

CS0150は、C#で定数が必要な箇所に変数が使われた場合に発生するコンパイラーエラーです。

例えば、switch文のcase節や配列の初期化時に変数を使用するとエラーとなるため、定数リテラルを使用する必要があります。

エラー内容を正しく理解し、適切な修正を行っていただくとよいでしょう。

エラー基本

定数と変数の区別

C#では、定数はコンパイル時に値が確定しているため変更できない値を意味し、変数は実行時に値が変更可能なものを指します。

たとえば、定数は宣言時にconstキーワードを使用して定義し、プログラム中で変更できません。

一方、変数は一般的な宣言方法で作成され、必要に応じて値を更新できます。

エラー CS0150 は、定数が求められる箇所で変数を使った場合に発生するため、定数と変数の違いを正しく理解することが重要です。

定数の必要性と使用場面

定数が必要になる場面としては、switch文のcase節や、配列の初期化時など、コンパイル時に値が固定されている必要がある処理が挙げられます。

これらの処理では、コンパイラがコードを解析する段階で値を確定できなければならず、変数ではなく定数が要求されます。

たとえば、以下のiが与えられた値と一致するかどうかを判定するswitch文では、各caseに定数が必要です。

定数が求められる箇所

ソースコード内で定数が求められる具体例について説明します。

主に以下の2点に注意する必要があります。

switch文のcase節

switch文のcase節には、必ずコンパイル時に決定できる定数を使用しなければなりません。

定数として扱えない変数を指定すると、CS0150エラーが発生します。

たとえば、以下の例では、変数jcase節で使用しているためエラーが発生します。

配列初期化時の注意点

配列初期化子を使用して配列に値を一括で設定する場合、配列のサイズもコンパイル時に決定できる定数である必要があります。

変数をサイズとして使用した上で初期化子を併用すると、CS0150エラーとなるため注意が必要です。

エラー発生事例

switch文におけるエラー例

コード例とエラー内容の説明

次のサンプルコードは、switch文のcaseに変数jを使用しているため、コンパイラからエラー CS0150 が発生する例です。

// ErrorSwitch.cs
namespace MyNamespace
{
    public class MyClass
    {
        public static void Main()
        {
            int i = 0;
            int j = 10; // 変数として定義されている
            switch(i)
            {
                // 以下の行は変数 j を使用しているためエラーが発生します
                case j:
                    System.Console.WriteLine("Error case reached");
                    break;
            }
        }
    }
}
コンパイルエラー CS0150: 定数値が必要です。

この例では、case j:の部分に定数が求められるため、変数であるjは使用できません。

配列初期化時のエラー例

エラー発生の原因分析

次のサンプルコードは、動的な変数sizeを使用して配列のサイズを指定し、同時に初期化子を用いて配列を初期化している例です。

この場合も、初期化子を使用する際にはサイズがコンパイル時に決定できる定数でなければならないため、エラー CS0150 が発生します。

// ErrorArrayInit.cs
namespace MyNamespace
{
    public class MyClass
    {
        public static void Main()
        {
            int size = 2; // サイズとして変数を使用
            double[] nums = new double[size] { 1.1, 2.2 }; // エラーが発生するコード
        }
    }
}
コンパイルエラー CS0150: 定数値が必要です。

この例では、配列のサイズに変数sizeを使っているため、初期化子と併用すると定数として評価できずエラーとなります。

エラー対策の方法

定数リテラルの使用方法

エラー CS0150 を回避するためには、定数リテラルまたはconstキーワードを使用してコンパイル時に決定できる値を使用します。

たとえば、switch文の場合は、直接数値リテラルやconst変数を使用することでエラーを防ぐことができます。

具体例としては以下のようになります。

// CorrectSwitch.cs
namespace MyNamespace
{
    public class MyClass
    {
        public static void Main()
        {
            int i = 0;
            const int CONST_VALUE = 10; // 定数として宣言
            switch(i)
            {
                case 0:
                    System.Console.WriteLine("Case 0 executed");
                    break;
                case CONST_VALUE:
                    System.Console.WriteLine("Case CONST_VALUE executed");
                    break;
            }
        }
    }
}
Case 0 executed

このように、定数リテラルやconstで宣言された値を使用すると、コンパイル時に評価されるためエラーが発生しません。

配列初期化の修正方法

配列初期化によるエラーを解消するためには、配列を分割して宣言と値の代入を分ける方法が有効です。

初期化子での宣言ではなく、配列をまずサイズ指定で宣言し、その後各要素に値を代入する手法を用います。

修正前のコード例

以下は、配列のサイズに変数sizeを使用し、初期化子と併用しているためにエラーが発生するコード例です。

// ErrorArrayInit.cs
namespace MyNamespace
{
    public class MyClass
    {
        public static void Main()
        {
            int size = 2; // 動的な変数を使用
            double[] nums = new double[size] { 1.1, 2.2 }; // エラーが発生する
        }
    }
}
コンパイルエラー CS0150: 定数値が必要です。

修正後のコード例

エラーを回避するために、配列の宣言と各要素への代入を別々に行います。

以下のコード例では、まずサイズを指定して空の配列を作成し、その後で各要素に値を設定しています。

// CorrectArrayInit.cs
namespace MyNamespace
{
    public class MyClass
    {
        public static void Main()
        {
            int size = 2; // サイズとして変数を使用
            double[] nums = new double[size]; // 配列の宣言時に初期化子を使用しない
            // 各要素に値を代入
            nums[0] = 1.1; // 要素0に値を設定
            nums[1] = 2.2; // 要素1に値を設定
            System.Console.WriteLine("Array initialized correctly");
        }
    }
}
Array initialized correctly

この修正後のコード例では、配列のサイズを変数で指定しても、初期化子を使用せずに後から値を代入するため、CS0150が発生せずに正しくコンパイル・実行されます。

まとめ

本記事では、C#で発生するコンパイラエラー CS0150 の原因と対策について解説しています。

定数と変数の違いや、switch文のcase節と配列初期化時に定数が求められる理由を具体例とともに説明しました。

定数リテラルの利用や、配列宣言と値の代入を分離する方法を用いてエラーを回避する手法を学べます。

関連記事

Back to top button