コンパイラエラー

【C言語】エラーC2713の原因と対処法:関数内の例外処理形式混在を解消する方法

Microsoftのコンパイラが出すエラーC2713は、ひとつの関数内で許可される例外処理の形式が一種類に限られているため、構造化例外処理の__try/__exceptとC++例外処理のtry/catchを混在させると発生します。

正しい形式のみを採用するように修正いただくと、エラーが解消されます。

エラーC2713の定義と発生条件

エラーの基本説明

エラーC2713は、関数内で例外処理の形式が複数混在している場合に出るエラーです。

コンパイラは、各関数内ではひとつの例外処理形式のみを許可しているため、複数の形式が混ざるとエラーが発生します。

関数内で許容される例外処理形式の制限

関数内では、例外処理の方法としてひとつの形式だけを使うルールがあります。

混在するとコンパイラは混乱し、どの例外ハンドラを適用すれば良いか判断できなくなるため、エラーC2713が表示されます。

主な例外処理の形式は以下のとおりです:

  • Microsoftの構造化例外処理__try/__except
  • C++の例外処理try/catch

これらは同じ関数内で混ぜずに、どちらか一方だけを使う必要があります。

__try/__except と try/catch の違い

__try/__exceptは、主にWindows環境で使われる構造化例外処理の仕組みです。

ハードウェア例外やシステムレベルの例外にも対応しています。

一方、try/catchはC++の例外処理機能です。

C++標準のライブラリやオブジェクト指向プログラミングに適した例外処理を行うための仕組みになっています。

この違いにより、同じ関数内で両方を使用するとコンパイラがどの形式を採用するか迷い、エラーが発生することになります。

原因の詳細分析

例外処理形式の混在による問題

関数内に__try/__excepttry/catchが同時に使われると、例外処理の意図が不明瞭になる状況が発生します。

プログラムの設計上、例外処理は一つの方式に統一することで、コードの見通しが良くなり、意図した動作を保証できる仕組みとなります。

具体的な混在状況と検出の仕組み

たとえば、ある関数内で最初に__try/__exceptブロックを定義し、その後にC++のtry/catchブロックを書くと、コンパイラはどちらの例外処理を採用すればよいか判断できずにエラーを発生させます。

コンパイラは関数内を解析し、複数の例外処理形式が混在しているかどうかをチェックする仕組みが備わっています。

これにより、意図しない例外処理の混在がすぐに検出されるようになっています。

コンパイラがエラーを出す理由

コンパイラは、例外処理の整合性が取れていない場合に予期せぬ動作を防ぐため、エラーC2713を出してコードの見直しを促します。

ひとつの関数内で使用できる例外ハンドラの形式は一種類だけに限定するルールを守ることで、プログラムの安全性と安定性が保たれるためです。

対処法と修正手順

正しい例外処理形式の選択

ひとつの関数内でどちらか一方の例外処理形式を使用することが大切です。

プロジェクト全体の方針に合わせて、使用すべき例外処理形式を決定しましょう。

たとえば、Windows環境でシステムレベルの例外も扱う必要がある場合は__try/__exceptを、オブジェクト指向のアプリケーション開発であればtry/catchを使用するのが適しています。

使用すべき例外処理形式の決定基準

  • プロジェクトの対象プラットフォーム
  • 例外処理の必要性や対象となる例外の種類
  • チーム全体のコーディング規約

これらの基準に基づいて使用する形式を統一すると、エラーC2713の発生を防ぐことができます。

コード修正の具体的方法

既存のコードで例外処理が混在している場合は、どちらかの形式に統一する修正が必要です。

プロジェクト全体の設計方針に合わせ、正しい形式を選択し、不要な例外処理ブロックを削除します。

例外ハンドラの統一方法

コード内に混在している例外処理ブロックが存在する場合は、以下の手順で統一します:

  • どの例外処理形式を使用するか決定する
  • 使用しない形式のブロックを削除する
  • 必要に応じて、例外処理のロジックを統一された形式に書き換える

エラー解消のポイント

  • ひとつの関数内では、例外処理ブロックを1種類に統一する
  • コードレビューを実施し、他の箇所で同様の混在がないか確認する
  • コンパイラの警告やエラーメッセージを注意深く確認する

こうしたポイントに気をつければ、エラーC2713の解消がスムーズに進みます。

事例とコード例での解説

エラー発生例のコード

問題のあるコードパターン

以下のサンプルコードは、同じ関数内で__try/__excepttry/catchを混在させた例です。

これにより、エラーC2713が発生します。

#include <stdio.h>
#include <excpt.h>
void faultyFunction(void) {
    // __try/__exceptブロックを使用
    __try {
        printf("Inside __try block\n");
    } __except(1) {
        printf("Inside __except block\n");
    }
    // C++のtry/catchブロックを使用(混在しているためエラー)
    try {
        printf("Inside try block\n");
    } catch(...) {
        printf("Inside catch block\n");
    }
}
int main(void) {
    faultyFunction();
    return 0;
}
コンパイルエラー:関数内で複数の例外処理形式が使用されているため

修正後のコード例

エラー解消のための修正内容

以下のサンプルコードは、__try/__exceptのみを使用して例外処理ブロックを統一した例です。

これによって、エラーC2713は解消されます。

#include <stdio.h>
#include <excpt.h>
void safeFunction(void) {
    // __try/__exceptブロックのみ使用して例外を処理
    __try {
        printf("Inside __try block\n");
    } __except(1) {
        printf("Inside __except block\n");
    }
}
int main(void) {
    safeFunction();
    return 0;
}
Inside __try block

まとめ

エラーC2713はひとつの関数内で複数の例外処理形式が混在しているときに発生するため、使用する例外処理の方式をひとつに統一することが大切です。

プロジェクトの方針に合わせ、どちらの形式を採用するか決定し、コードを修正することでこのエラーを防ぐことができます。

今後コードを書くときに統一された形式を心がければ、エラーの発生を未然に防げる工夫ができるでしょう。

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