CS801~2000

C# CS1918エラーについて解説:構造体プロパティの初期化エラーの原因と対策

CS1918エラーは、C#で構造体型のプロパティをオブジェクト初期化子で初期化しようとした際に発生するコンパイルエラーです。

値型であるため、直接メンバーを初期化できずエラーとなります。

対策としては、構造体をクラスに変更するか、生成後に個別にプロパティを設定する方法があります。

CS1918エラーの発生原因

CS1918エラーは、構造体型のプロパティがオブジェクト初期化子を使用して初期化されようとした場合に発生します。

オブジェクト初期化子は、オブジェクト生成時にプロパティへ値を設定するための構文ですが、構造体の場合はその値型特有の制限があるため、このエラーが発生することになります。

オブジェクト初期化子使用時の制約

オブジェクト初期化子では、プロパティに対して直接メンバーを設定することができない場合があります。

具体的には、以下のような制約があります。

  • プロパティが構造体型の場合、そのプロパティ自体が読み取り専用である場合は、オブジェクト初期化子でメンバーを直接初期化できません。
  • 構造体は値型であるため、参照型に比べて初期化時の扱いが異なり、オブジェクト初期化子を使ってプロパティの内部メンバーに値を設定しようとすると、コンパイラが制御不能な状態とみなします。

このため、下記のコード例にあるように、構造体型プロパティのメンバーをオブジェクト初期化子内で直接設定しようとすると、エラーが発生します。

構造体型プロパティの初期化ルール

構造体型のプロパティは、オブジェクト初期化子内で直接各メンバーを初期化することが制限されています。

具体的なルールは以下の通りです。

  • オブジェクト初期化子内では、プロパティ全体に対して値を設定する場合は、一度に値全体を渡す必要があります。
  • 構造体内部の個別のメンバーに対する初期化は、プロパティが返すインスタンスが読み取り専用の場合はできません。

これらのルールにより、構造体型のプロパティをオブジェクト初期化子で用いる際には、その構造体の設計と使用方法を十分に把握する必要があります。

構造体とオブジェクト初期化子の仕様

構造体とオブジェクト初期化子には、それぞれ特有の仕様があり、これらを正しく理解することでエラーの発生を未然に防ぐことができます。

構造体の特性と初期化方法

構造体は値型であり、以下のような特性があります。

  • コンパイル時にサイズが確定しており、スタック上に割り当てられる。
  • 初期化時には全メンバーに対して適切な初期値が設定される必要がある。
  • 自動プロパティとして定義した場合、読み取り専用の場合が多く、後から変更することができません。

構造体の初期化方法には、コンストラクタを使用した初期化や、ローカル変数として全メンバーに明示的な初期値を割り当てる方法があります。

例えば、以下のコードは構造体を正しく初期化する典型的な方法です。

// 構造体の初期化方法の例
public struct MyStruct
{
    public int Number;
    public string Text;
    // 引数付きコンストラクタで初期化
    public MyStruct(int number, string text)
    {
        Number = number; // 数値の初期化
        Text = text;     // 文字列の初期化
    }
}
public class Program
{
    public static void Main()
    {
        // コンストラクタ使用による初期化
        MyStruct myStruct = new MyStruct(10, "初期化済みの文字列");
        System.Console.WriteLine($"Number: {myStruct.Number}, Text: {myStruct.Text}");
    }
}
Number: 10, Text: 初期化済みの文字列

オブジェクト初期化子の動作メカニズム

オブジェクト初期化子は、インスタンス化と同時にプロパティやフィールドを設定する便利な構文です。

以下の点が特徴です。

  • オブジェクトの生成と同時に、プロパティへ値が設定されるため、冗長なコントラクタ呼び出しを省略できる。
  • オブジェクト初期化子は、生成されたオブジェクトのプロパティに対して逐次設定を行うため、構造体などの値型に対しては適用できない場合があります。
  • オブジェクト初期化子では、プロパティに対して直接代入を行うため、読み取り専用のプロパティや回り受けの制限がある場合に注意が必要です。

例えば、クラス型のプロパティに対しては以下のようにオブジェクト初期化子を使用できます。

// クラス型を利用したオブジェクト初期化子の例
public class MyClass
{
    public int Id { get; set; }
    public string Name { get; set; }
}
public class Program
{
    public static void Main()
    {
        // オブジェクト初期化子を使ったクラスの初期化
        MyClass obj = new MyClass { Id = 1, Name = "サンプル名" };
        System.Console.WriteLine($"Id: {obj.Id}, Name: {obj.Name}");
    }
}
Id: 1, Name: サンプル名

エラー発生の実例

エラー発生の実例を通して、CS1918エラーが具体的にどのような状況で発生するのかを確認します。

再現コードの概要

以下のサンプルコードは、構造体型のプロパティに対してオブジェクト初期化子を使い、内部メンバーを直接初期化しようとする例です。

このコードは CS1918 エラーを発生させる典型的な例となります。

// 再現コードの例
public struct MyStruct
{
    public int Value;  // 数値メンバー
}
public class Test
{
    // 構造体型のプロパティは読み取り専用にする設計となっている
    private MyStruct myStruct = new MyStruct();
    public MyStruct MyStructProp
    {
        get { return myStruct; }
    }
    public static int Main()
    {
        // オブジェクト初期化子内で構造体のメンバーを直接初期化しようとしている
        Test instance = new Test { MyStructProp = { Value = 100 } };
        return 0;
    }
}
// コンパイル時に CS1918 エラーが発生
// "型 'MyStruct' のプロパティ 'MyStructProp' のメンバーは、値の型であるため、
//  オブジェクト初期化子と共に割り当てることはできません。"

エラー発生箇所の確認

上記コードのエラー発生箇所は、Testクラス内の MyStructPropプロパティに対してオブジェクト初期化子を用いて直接内部メンバー Value に値を設定しようとしている部分です。

具体的には、以下のコードが問題となります。

Test instance = new Test { MyStructProp = { Value = 100 } };

この行において、MyStructProp が返す MyStruct は値型であり読み取り専用となっているため、プロパティの戻り値に対して { Value = 100 } のような初期化子を使うことは許されません。

これによりコンパイラが CS1918 エラーを報告します。

エラー解消の対策

CS1918エラーを解消するためには、設計そのものを見直す必要があります。

主に以下の2つの対策が考えられます。

クラス型への変更による解決策

構造体型のプロパティをオブジェクト初期化子で使用する場合、値型としての性質が原因となるため、解決策としてプロパティの型をクラス型に変更する方法があります。

クラス型であれば、参照型として動作するため、オブジェクト初期化子でプロパティ内のメンバーを設定することが可能です。

以下のサンプルコードは、構造体型をクラス型に変更してエラーを回避する例です。

// クラス型に変更した例
public class MyData
{
    public int Value { get; set; }
}
public class Test
{
    // クラス型に変更したため、オブジェクト初期化子が使用可能となる
    public MyData Data { get; set; } = new MyData();
    public static int Main()
    {
        // オブジェクト初期化子でプロパティのメンバーを直接初期化可能
        Test instance = new Test { Data = { Value = 200 } };
        System.Console.WriteLine($"Value: {instance.Data.Value}");
        return 0;
    }
}
Value: 200

生成後の個別初期化による回避方法

もう一つの対策は、オブジェクト初期化子ではなく、オブジェクト生成後にメンバーを個別に初期化する方法です。

これにより、コンパイラに対して明示的に構造体の値を変更していることを示すことができ、エラーを回避できます。

以下のサンプルコードは、生成後に個別に初期化する方法を示しています。

// 構造体型のプロパティを個別に初期化する例
public struct MyStruct
{
    public int Value;
}
public class Test
{
    private MyStruct myStruct = new MyStruct();
    public MyStruct MyStructProp
    {
        get { return myStruct; }
        set { myStruct = value; }
    }
    public static int Main()
    {
        Test instance = new Test();
        // オブジェクト生成後にプロパティの値を個別に初期化する
        MyStruct tempStruct = instance.MyStructProp;
        tempStruct.Value = 300;
        instance.MyStructProp = tempStruct;
        System.Console.WriteLine($"Value: {instance.MyStructProp.Value}");
        return 0;
    }
}
Value: 300

まとめ

この記事では、C#において構造体型プロパティをオブジェクト初期化子で初期化すると発生するCS1918エラーの原因と制約、構造体とオブジェクト初期化子の基本仕様、そしてエラー発生の具体例を解説しました。

さらに、クラス型への変更やオブジェクト生成後の個別初期化といった対策方法を示し、エラー回避の実践的な手法を理解できる内容となっています。

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