コンパイラエラー

C言語 コンパイラエラー C2186 の原因と対策について解説

C2186は、C言語でコンパイル時に発生するエラーです。

void型の関数などを算術演算子のオペランドとして使用すると、このエラーが出ます。

たとえば、2 + func1()のようにvoid型の値と数値を計算しようとするとエラーになるため、演算子に適した型の値を使用するよう注意する必要があります。

エラー C2186 の原因

void型と算術演算子の関係

算術演算子(例えば加算演算子+)は、数値型のオペランド同士でのみ正しく評価されます。

C言語では、void型は値を持たない型であるため、数値として扱うことができません。

したがって、void型の戻り値を算術演算子の左右どちらかに使用すると、コンパイラは不正なオペランドというエラーを報告します。

数式で使用する場合、例えば以下のように表現されることが多いです:

result=2+f

ここでfvoid型の場合、計算は実行されずエラーになります。

関数の戻り値型の誤用例

関数がvoid型を戻り値として宣言されている場合、その関数は戻り値を返しません。

そのため、算術演算や他の数値演算に組み込もうとすると、戻り値が存在しないためにコンパイルエラーが発生します。

たとえば、func1()void型の場合、以下のコードは不適切です:

int i = 2 + func1();

一方で、数値を返す関数(たとえばint型)を正しく利用する場合は、演算が正しく実施されます。

コンパイラメッセージの内容

Visual Studioなどのコンパイラは、エラー発生時に「operator: void型の無効なオペランドです」というメッセージを出力します。

このメッセージは、算術演算子の一方または両方にvoid型が使用されていることを示しています。

エラーメッセージには関数名や該当箇所の情報が含まれるため、戻り値の型に注意が必要であることが明確に伝えられます。

コード例によるエラー確認

エラーを再現するコード例

void型関数の使用事例

以下のサンプルコードは、void型の関数func1を算術演算子+に渡してしまい、エラー C2186を再現する例です。

#include <stdio.h>
// void型の関数宣言と定義
void func1(void) {
    // 戻り値は返さない
}
int main(void) {
    // 以下の行でエラーが発生する:func1()の戻り値はvoidのため、計算に利用できません
    int result = 2 + func1();
    printf("Result: %d\n", result);
    return 0;
}
error C2186: 'operator': void型の無効なオペランドです

正しいコード例との比較

int型関数を用いた成功例

次のサンプルコードは、int型の関数func2を用いて演算を行う正しい例です。

関数が適切な戻り値を持つため、算術演算が問題なく実行されます。

#include <stdio.h>
// int型の関数宣言と定義
int func2(void) {
    // 数値を返すサンプル例
    return 10;
}
int main(void) {
    int result = 2 + func2(); // func2()はint型を返すため、加算が正しく行われます
    printf("Result: %d\n", result);
    return 0;
}
Result: 12

エラー解決の対策

戻り値型の適正な選択方法

関数宣言と定義の見直し

まず、関数の宣言と定義に一貫性があるか確認してください。

戻り値が算術演算に利用される場合は、必ず数値型(例えばintdouble)で定義することが必要です。

設計段階で関数の使用目的を明確にし、数値計算に使う場合は適正な型を選びましょう。

適切な型の使用方法

算術演算を行う場合、戻り値としてvoid型を使用しないことが重要です。

もし関数が何らかの計算結果を返す必要があれば、戻り値型をintfloat, doubleなど適切なデータ型に変更する必要があります。

また、不要な場合は、算術演算に組み込まないよう実装を見直してください。

演算子使用時の型チェック方法

コンパイラエラーメッセージの活用

コンパイル時に出力されるエラーメッセージは、問題箇所の特定に大変役立ちます。

エラー C2186のメッセージを参考に、どの関数の戻り値がvoid型となっているのかを確認し、その部分を修正してください。

また、コンパイラの警告オプションを有効にすることで、型の不一致などの問題を事前に検知することができます。

再発防止のための注意事項

静的解析ツールの活用方法

静的解析ツール(例:Clang Static AnalyzerやCppcheckなど)を利用することで、コード全体の型チェックを自動的に実施できます。

これにより、算術演算のオペランドとして不適切な型が使用されていないか、また戻り値型に関する問題が含まれていないかを事前に確認することができます。

プロジェクトに静的解析ツールを導入することで、エラーの再発を防ぐ効果的な手段となります。

コードレビューでの確認ポイント

戻り値型の検証

コードレビュー時に、各関数の戻り値型が意図した通りに定義されているか確認することが重要です。

特に、算術演算や数値計算に利用される関数については、戻り値がvoidになっていないか、また適正な数値型が使用されているかを重点的にチェックしてください。

演算子使用箇所のチェック

また、算術演算子を使用している箇所では、オペランドとして使われる変数や関数の戻り値の型を確認する必要があります。

演算に不適切なvoid型が含まれていないか、また型変換が適切に行われているかをレビューすることで、想定外のエラー発生を未然に防ぐことができます。

まとめ

本記事では、C言語で頻発するコンパイラエラー C2186 の発生原因を解説し、void型と算術演算子の不整合、戻り値型の誤用例、コンパイラのエラーメッセージの読み方を確認しました。

具体的には、void型関数の利用と正しいint型関数の比較や、戻り値型の適正な選択、演算子使用時の型チェック方法、静的解析とコードレビューでの検証ポイントを紹介しています。

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