C言語のコンパイラ警告 C4706 について解説
Visual C++で出る警告C4706は、if文などの条件式内で代入演算子「=」を使った場合に表示されます。
意図せず代入になってしまうと比較が正しく行われずエラーの原因となるため、比較の目的なら「==」を使うようにしてください。
もし代入結果を条件に利用する場合は、値がゼロでないことを確認する条件を追加するなどの対策が必要です。
警告 C4706 の原因と特徴
条件式内での代入とその意図しない動作
条件式内で代入演算子「=」を使用すると、実際には変数に値が代入され、その代入の結果が条件として評価されます。
たとえば、if文の条件として「if (a = b)」と記述すると、bの値がaに代入され、その結果が評価され、意図しない動作を引き起こす可能性があります。
下記のサンプルコードでは、aにbの値が代入されるため、条件はbの値に依存して真偽が判断されます。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a = 0, b = 1;
// 条件式内での代入により、aにbの値が代入され、その結果で条件が評価されます
if ( a = b ) {
printf("条件は真です。\n");
}
return 0;
}
条件は真です。
Microsoft Visual C++ におけるチェック内容
Microsoft Visual C++ では、コンパイラ警告レベル4(/W4)で条件式内の代入を検出し、意図しない記述である可能性を警告として報告します。
たとえ条件式を二重括弧で囲んだ場合でも、警告 C4706 は発生します。
これは、プログラマが実際に代入を意図しているのか、または単なる比較の誤記なのかを確認するための機能です。
以下のサンプルコードは、二重括弧を使用した場合の例です。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a = 0, b = 1;
// 二重括弧を使っても、代入式として認識され、警告が発生する可能性があります
if ( (a = b) ) {
printf("条件は真です。\n");
}
return 0;
}
条件は真です。
条件式における代入と比較の使い分け
代入演算子「=」の役割と使用例
代入演算子「=」は、右辺の値を左辺の変数に設定するために使用されます。
この演算子は代入した値そのものを返すため、条件式の部分で利用することも可能です。
たとえば、代入の結果を変数に反映し、それを条件として扱う場合などです。
以下のコードはその使用例を示しています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int result;
// 変数resultに10を代入
result = 10;
// 代入演算子の返り値を利用して、resultに新たな値を設定し、その結果を条件として利用しています
if ( (result = 20) ) {
printf("result は %d です。\n", result);
}
return 0;
}
result は 20 です。
比較演算子「==」との違い
比較演算子「==」は、左右の値が等しいかどうかを判断するために使われます。
変数に値を設定するための代入演算子「=」と混同しやすいため、注意が必要です。
もし意図が比較であるなら、必ず「==」を使用する必要があります。
正しい比較の例として、以下のコードを参照してください。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int x = 5, y = 5;
// 「==」を使用することで、xとyが等しいかどうかを正しく判定します
if ( x == y ) {
printf("x と y は等しいです。\n");
}
return 0;
}
x と y は等しいです。
コード例を用いた具体的ケース
誤った記述例の紹介
if文内での単純な代入例
if文内で単純に代入を使用すると、意図せず警告 C4706 が発生する場合があります。
以下の例では、aにbの値が代入され、その結果に基づいて条件分岐が行われています。
これは、比較が意図されていた場合には誤った記述となります。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a = 0, b = 2;
// if文内で代入演算子を誤って使用すると、aにbの値が設定され、警告が生成される可能性があります
if ( a = b ) {
printf("a に b の値が代入され、条件は真になります。\n");
}
return 0;
}
a に b の値が代入され、条件は真になります。
二重括弧使用時の注意点
条件式を二重括弧で囲んでも、実際には代入演算子の動作は変わらず、代入式として認識されます。
二重括弧はコードの意図を明確にするために使用されることがありますが、警告 C4706 を防ぐものではありません。
以下の例は、その点を示しています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int num1 = 3, num2 = 4;
// 二重括弧を使用しても、num1 に num2 の値が代入されるため、警告が発生する場合があります
if ( (num1 = num2) ) {
printf("num1 に num2 の値が代入され、条件は真になります。\n");
}
return 0;
}
num1 に num2 の値が代入され、条件は真になります。
正しい記述方法の例示
結果のゼロチェックによる条件設定
代入による条件判断が意図的な場合、代入の結果がゼロでないことを明示的にチェックすることで、意図を明確にできます。
これにより、警告 C4706 を避けることができます。
以下のコードはその例を示しています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a = 0, b = 5;
// 代入後、aがゼロでない場合に条件が成立するように明示的にチェックしています
if ( (a = b) != 0 ) {
printf("a に b の値が代入され、かつ a の値はゼロではありません。\n");
}
return 0;
}
a に b の値が代入され、かつ a の値はゼロではありません。
警告回避のための対策とポイント
意図的な代入利用時の検証方法
代入結果の非ゼロ検証の実装
もし、意図的に代入演算子「=」を条件式内で利用する場合、代入結果がゼロでないことを確認することが重要です。
これにより、警告 C4706 の発生を防ぎ、コードの意図を明確にすることができます。
以下のサンプルコードは、その実装方法を示しています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int result, input = 10;
// input の値を result に代入し、resultがゼロでないかを検証しています
if ( (result = input) != 0 ) {
printf("result に input の値が代入され、かつ result はゼロではありません。\n");
}
return 0;
}
result に input の値が代入され、かつ result はゼロではありません。
コンパイル設定による警告管理
/W4 オプションの影響と調整方法
Microsoft Visual C++ では、/W4 オプションを有効にすると、条件式内での代入に対して警告 C4706 が発生します。
これは、コード内の潜在的な誤記を早期に発見するための措置です。
たとえば、以下のコードは /W4 オプションでコンパイルした場合に警告が生成される可能性がある例です。
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a = 0, b = 1;
// /W4 オプションが有効な場合、この代入によって C4706 警告が表示される可能性があります
if ( a = b ) {
printf("警告が有効な環境でコンパイル時に C4706 が表示されます。\n");
}
return 0;
}
警告が有効な環境でコンパイル時に C4706 が表示されます。
まとめ
この記事では、C言語のif文内で代入演算子「=」を使用した場合に発生する警告 C4706 の原因とその特徴、Microsoft Visual C++ によるチェック内容について解説しました。
さらに、代入と比較演算子「==」の違い、誤った記述例や意図的な代入時の非ゼロ検証の実装方法、/W4 オプションを用いた警告管理のポイントが理解できます。