DXライブラリでテキストを表示する方法
DXライブラリは、C++でゲーム開発を行う際に便利なライブラリです。テキストを表示するには、まずライブラリを初期化し、フォントを作成する必要があります。
フォントはCreateFontToHandle
関数を使用して生成します。生成したフォントハンドルを用いて、DrawString
関数を呼び出すことで、指定した座標にテキストを描画できます。
テキストの色やサイズは、フォント作成時のパラメータで指定可能です。これにより、ゲーム内でのスコア表示やメッセージ表示が簡単に実現できます。
テキスト表示の基本
DXライブラリを使用してテキストを表示する際には、いくつかの基本的な関数と設定を理解する必要があります。
ここでは、テキスト表示に必要な関数や色、フォント、位置の設定について詳しく解説します。
テキスト表示に必要な関数
テキストを表示するためには、DXライブラリが提供する関数を使用します。
主に使用される関数は以下の2つです。
DrawString関数の使い方
DrawString関数
は、指定した座標に文字列を描画するための基本的な関数です。
以下に使用例を示します。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int x = 50; // 描画するX座標
int y = 50; // 描画するY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawString(x, y, "Hello, DX Library!", color); // テキスト描画
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
このコードでは、DrawString関数
を使用して、指定した座標に Hello, DX Library!
というテキストを白色で描画しています。

DrawFormatString関数の使い方
DrawFormatString関数
は、フォーマットされた文字列を描画するための関数です。
変数を含む文字列を描画する際に便利です。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int x = 100; // 描画するX座標
int y = 100; // 描画するY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
int score = 12345; // スコアの例
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawFormatString(x, y, color, "Score: %d", score); // フォーマットされたテキスト描画
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
この例では、DrawFormatString関数
を使用して、スコアを含む文字列を描画しています。

%d
は整数を表示するためのフォーマット指定子です。
テキストの色とフォント設定
テキストの見た目を調整するために、色やフォントの設定を行います。
色の指定方法
テキストの色は、GetColor関数
を使用して指定します。
RGB値を引数に取り、色を表す整数値を返します。
int color = GetColor(255, 0, 0); // 赤色のカラーコード取得

このコードは、赤色を表すカラーコードを取得します。
フォントの設定方法
フォントの設定は、CreateFontToHandle関数
を使用します。
この関数は、フォントハンドルを作成し、テキスト描画時に使用します。
int fontHandle = CreateFontToHandle("Arial", 24, -1, DX_FONTTYPE_ANTIALIASING);
この例では、Arialフォントでサイズ24のアンチエイリアスフォントを作成しています。
フォントサイズの変更
フォントサイズは、CreateFontToHandle関数
の第2引数で指定します。
異なるサイズのフォントを使用する場合は、別のフォントハンドルを作成します。
テキストの位置と座標
テキストを正確な位置に表示するためには、座標系の理解が必要です。
座標系の基本
DXライブラリでは、画面の左上を原点(0, 0)とする座標系を使用します。
X座標は右方向に、Y座標は下方向に増加します。
テキストの位置指定方法
テキストの位置は、DrawString
やDrawFormatString関数
の第1、第2引数で指定します。
これらはそれぞれX座標とY座標を表します。
中心揃えや右揃えの実現
テキストの揃えを実現するには、テキストの幅を取得し、描画位置を調整します。
GetDrawStringWidth関数
を使用してテキストの幅を取得できます。
int textWidth = GetDrawStringWidth("Hello, DX Library!", strlen("Hello, DX Library!"));
int x = (screenWidth - textWidth) / 2; // 中心揃え
このコードは、画面の幅に対してテキストを中央に揃えるためのX座標を計算しています。
テキストの動的表示
DXライブラリを使用すると、テキストを動的に更新したり、アニメーション効果を加えたりすることができます。
また、ユーザーの入力に応じてテキストを表示することも可能です。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
動的にテキストを更新する方法
動的にテキストを更新するには、ループ内でテキストの内容を変更し、再描画する必要があります。
以下に例を示します。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int x = 100; // 描画するX座標
int y = 100; // 描画するY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
int counter = 0; // カウンター変数
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawFormatString(x, y, color, "Counter: %d", counter); // カウンターの値を描画
counter++; // カウンターをインクリメント
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
このコードでは、カウンターの値を毎フレーム更新し、画面に表示しています。
counter変数
をインクリメントすることで、テキストが動的に変化します。
アニメーション効果の実装
テキストにアニメーション効果を加えることで、より動的な表示が可能になります。
例えば、テキストを移動させるアニメーションを実装することができます。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int x = 0; // 初期X座標
int y = 100; // Y座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawString(x, y, "Moving Text", color); // テキスト描画
x += 2; // X座標を増加させて移動
if (x > 640) x = 0; // 画面端に達したら戻す
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
この例では、テキストが右方向に移動するアニメーションを実装しています。

X座標を毎フレーム増加させることで、テキストが動いて見えます。
ユーザー入力に応じたテキスト表示
ユーザーの入力に応じてテキストを表示することも可能です。
キーボード入力を受け取り、その内容を画面に表示する例を示します。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
char inputText[256] = ""; // 入力されたテキストを格納する配列
int x = 100; // 描画するX座標
int y = 100; // 描画するY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
if (CheckHitKey(KEY_INPUT_RETURN)) { // Enterキーが押されたら
GetHitKeyStateAll(inputText); // キー入力を取得
}
DrawString(x, y, inputText, color); // 入力されたテキストを描画
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
このコードでは、Enterキーが押されたときにキーボードの入力を取得し、その内容を画面に表示します。
GetHitKeyStateAll関数
を使用して、キーの状態を取得しています。
応用例
DXライブラリを使用したテキスト表示の応用例として、スコア表示、メッセージウィンドウの作成、デバッグ情報の表示について解説します。
これらの例は、ゲーム開発やアプリケーション開発において非常に役立ちます。
スコア表示の実装
ゲームにおいてスコアを表示することは非常に重要です。
スコアを画面に表示することで、プレイヤーにゲームの進行状況を伝えることができます。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int score = 0; // スコアの初期値
int x = 10; // スコア表示のX座標
int y = 10; // スコア表示のY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawFormatString(x, y, color, "Score: %d", score); // スコアを描画
score++; // スコアを増加(例として毎フレーム増加)
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
このコードでは、スコアを毎フレーム増加させて表示しています。
DrawFormatString関数
を使用して、スコアをフォーマットして描画しています。
メッセージウィンドウの作成
ゲームやアプリケーションでメッセージを表示するためのウィンドウを作成することができます。
以下に簡単なメッセージウィンドウの例を示します。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int x = 50; // メッセージウィンドウのX座標
int y = 200; // メッセージウィンドウのY座標
int width = 300; // メッセージウィンドウの幅
int height = 100; // メッセージウィンドウの高さ
int bgColor = GetColor(0, 0, 0); // 背景色(黒)
int textColor = GetColor(255, 255, 255); // テキスト色(白)
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawBox(x, y, x + width, y + height, bgColor, TRUE); // 背景を描画
DrawString(x + 10, y + 10, "This is a message window.", textColor); // メッセージを描画
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
この例では、DrawBox関数
を使用して背景を描画し、その上にメッセージを表示しています。
メッセージウィンドウの位置やサイズは、変数で調整可能です。
デバッグ情報の表示
開発中のアプリケーションでデバッグ情報を表示することは、問題の特定や解決に役立ちます。
以下にデバッグ情報を表示する例を示します。
#include <DxLib.h>
int WINAPI WinMain(HINSTANCE, HINSTANCE, LPSTR, int) {
ChangeWindowMode(TRUE); // ウィンドウモードに設定
DxLib_Init(); // DXライブラリ初期化
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK); // 裏画面に描画設定
int fps = 60; // フレームレートの例
int x = 10; // デバッグ情報のX座標
int y = 450; // デバッグ情報のY座標
int color = GetColor(255, 255, 255); // 白色のカラーコード取得
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawFormatString(x, y, color, "FPS: %d", fps); // フレームレートを描画
// 他のデバッグ情報もここに追加可能
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
このコードでは、フレームレートをデバッグ情報として画面に表示しています。
DrawFormatString関数
を使用して、デバッグ情報をフォーマットして描画しています。
デバッグ情報は、必要に応じて追加することができます。
まとめ
この記事では、DXライブラリを用いたテキスト表示の基本から応用までを詳しく解説しました。
テキストの表示方法や動的な更新、アニメーション効果の実装、さらにはスコア表示やメッセージウィンドウの作成といった応用例を通じて、DXライブラリの活用方法を具体的に紹介しました。
これを機に、実際にDXライブラリを使ってさまざまなテキスト表示を試し、あなたのプロジェクトに役立ててみてください。