コンパイラエラー

C言語のコンパイラエラー C3873 の発生原因と対処法を解説

コンパイラ エラー C3873は、C言語やC++で識別子の最初に不正な文字や特定のUnicode文字などを使用した場合に発生します。

識別子は先頭に使用できる文字が定められているため、これらの規則に違反するとエラーが表示されます。

正しい識別子の命名に注意してください。

エラー C3873 の基本情報

エラーの概要と意味

エラー C3873 は、識別子の先頭に不正な文字が使用されている場合に発生します。

具体的には、識別子の最初の文字として許可されていない Unicode文字を使用すると、このエラーが表示されます。

エラーメッセージは「’char’: この文字を識別子の最初の文字にすることはできません」といった形で示され、コード内で意図しない文字が識別子の冒頭にあることを知らせてくれます。

C言語とC++における識別子の制限

C言語およびC++では、識別子に使用できる文字が規定されています。

  • 識別子の最初の文字には、アルファベット(A~Z、a~z)やアンダースコア_が基本的に許可されています。
  • 2文字目以降は数字も利用可能ですが、最初の文字では数字は許可されません。
  • Unicode を使う場合でも、特定の範囲に制限があり、C++11以降の標準では使用できる文字が明確に定義されています。

このような制約により、開発中に無意識で不正な文字を識別子の先頭に使ってしまうと、エラー C3873 が発生します。

エラー発生の原因詳細

識別子先頭での不正な文字使用

識別子の先頭には正しくない文字が設定されると、エラーが発生します。

エラーの原因となるケースは主に次のとおりです。

Unicode文字の使用制限

Unicode には多くの文字が含まれていますが、識別子の最初の文字として使用できる文字には制限があります。

たとえば、\u036F など一部の結合文字は、識別子の開始文字として認められないため、このような文字を先頭に使うとエラー C3873 が発生します。

C++11標準による規則

C++11 の標準では、識別子として許可される文字の範囲が明確に定められています。

これにより、以下の点が重要となります。

  • 識別子の先頭に使用できる文字は限定されている。
  • 許可された Unicode 文字以外は、コードの可読性向上やコンパイラ間の互換性のためにも避けることが推奨される。

この規則に従っていない場合、エラーが発生するリスクが高まります。

コード例による事例紹介

不正な記述例

以下は、問題のあるコード例です。

識別子の先頭に不正な Unicode文字\u036Fが使われているため、エラー C3873 が発生します。

// C3873.cpp (エラー発生例)
#include <stdio.h>
int main() {
    // この識別子はエラーの原因となる
    int \u036F_abc = 5;   // エラー C3873 発生: 識別子の先頭に不正な文字
    int abc_\u036F = 10;  // 正常: 識別子の途中なので問題ない
    printf("Value: %d\n", \u036F_abc);
    return 0;
}
(コンパイル時にエラー C3873 が表示されます)

正しい記述例との比較

次は、正しい識別子の命名方法を示したコード例です。

識別子の先頭に許可された文字(アルファベットまたはアンダースコア)を使用しているため、エラーは発生しません。

// C3873_Correct.cpp (エラー解消例)
#include <stdio.h>
int main() {
    // 識別子はアルファベットやアンダースコアで開始する
    int valid_abc = 5;   // 正しい識別子
    int abc_valid = 10;  // こちらも正しい識別子
    printf("Value: %d\n", valid_abc);
    return 0;
}
Value: 5

対処法とコード修正の解説

エラー発生時の修正手順

エラー C3873 が発生した場合には、次の手順でコードを修正することが推奨されます。

  • エラーが発生している識別子を特定する。
  • 不正な文字を除去するか、許可される文字に置き換える。
  • 識別子の命名規則に沿って、適切な名前を付けなおす。

修正方法のポイント

修正時には、以下のポイントに注意してください。

  • 識別子の先頭はアルファベットかアンダースコアで始める。
  • コード全体で一貫性を保ち、可読性を損なわない名前付けを行う。
  • コンパイラの警告やエラーメッセージを確認し、他の部分に同様の問題がないかどうかをチェックする。

コードリファクタリング例

以下は、先ほどのエラー発生例のコードを修正した例です。

不正な Unicode文字を除去し、許可された文字を用いて識別子を定義しています。

// C3873_Refactored.cpp (リファクタリング例)
#include <stdio.h>
int main() {
    // 修正済みの識別子を使用
    int valid_identifier = 5;    // 正しい識別子に変更
    int another_identifier = 10; // 他の識別子も適切に命名
    printf("Valid Identifier Value: %d\n", valid_identifier);
    return 0;
}
Valid Identifier Value: 5

開発環境での注意点

使用ツールによるエラー表示の違い

各種コンパイラや統合開発環境 (IDE) によって、エラーの表示形式や強調の仕方が異なる場合があります。

  • Microsoft Visual Studio では、エラー C3873 のように具体的な文字情報を含むメッセージが表示されます。
  • 他のツールでも近い内容のメッセージが表示されますが、詳細な情報はツール固有の説明に依存する場合があるため、使用中の環境に合わせた確認が必要です。

コーディング時の留意点

コーディング中にエラー C3873 を防ぐために、以下の点に注意してください。

  • 識別子作成時は、使用可能な文字だけを利用する。
  • コードレビューや静的解析ツールを活用して、命名規則に反する箇所を早期に発見する。
  • チーム内で統一されたコーディング規約を整備し、識別子の命名ルールを明文化することで、同様のエラーの再発を防ぐ。
  • 特に Unicode を利用する場合、どの文字が許可されるかを事前に確認し、必要に応じてエディタの表示設定を調整する。

まとめ

この記事では、C言語およびC++で発生するエラー C3873 の概要や、その原因となる識別子先頭での不正なUnicode文字使用の制限について解説しています。

C++11の規則を踏まえた識別子設計のポイントや、具体的なエラー事例と正しい記述例を示すことで、エラー発生時の修正手順やコードリファクタリングの方法が理解できるようになります。

また、使用する開発環境ごとのエラー表示の違いや、コーディング時の留意点も紹介しています。

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