コンパイラエラー

C言語/C++におけるC3703エラーの原因と対策について解説

c3703エラーは、イベントとイベントハンドラーで指定するストレージクラスが一致していない場合に発生するエラーです。

たとえば、イベントが通常のメンバーとして定義されているのに、対応するハンドラーが静的なメンバー関数として記述されるとエラーが表示されます。

エラー解決には、イベントとハンドラーで同じストレージクラスを指定する修正が必要となります。

エラー発生の背景

C3703エラーの概要

C3703エラーは、イベントハンドラーとイベントのストレージクラスが一致しない場合に発生するコンパイルエラーです。

たとえば、イベントは静的でないのに対し、イベントハンドラーが静的メンバー関数として定義されている場合などに、このエラーが現れます。

Microsoftの拡張機能として提供される__event__hook__unhookなどのキーワードを使用しているときに注意が必要です。

イベントとメンバー関数の関係

C/C++では、イベントはクラス内部の特定の処理や状態の変化を外部に通知するために利用されます。

イベントハンドラーはその通知を受け取るための関数であり、イベントとハンドラーが連携することで、一連の動作を実行する仕組みが構築されます。

静的メンバー関数と非静的メンバー関数の違い

静的メンバー関数はオブジェクトに依存せず、クラス単位で呼び出すことが可能です。

一方、非静的メンバー関数は特定のオブジェクトの状態に依存するため、インスタンスを生成してから呼び出す必要があります。

イベントが静的に定義されている場合、関連するイベントハンドラーも静的でなければならず、逆に非静的なイベントに対して静的なハンドラーを設定するとコンパイル時にC3703エラーが発生する可能性があります。

エラーの原因詳細

ストレージクラスの不整合

イベントとそのハンドラーは基本的に同じストレージクラスで定義される必要があります。

たとえば、イベントが静的メンバー関数として宣言されているにもかかわらず、ハンドラーが非静的メンバー関数として実装されると、ストレージクラスの不整合によりコンパイルエラーが発生します。

この不整合は、以下の数式で表すことができます。

StorageClass(Event)StorageClass(EventHandler)

イベントの定義とハンドラーの定義の違い

具体的には、イベント側で__event staticと定義している場合、イベントハンドラーもstaticでなければ一致しません。

また、イベント側が非静的に定義されている場合は、ハンドラーも非静的な関数でなければなりません。

この違いがあると、コンパイラは「event handler: イベント ハンドラーメソッド は ソース event と同じストレージクラスを必要とします」というエラーメッセージを表示します。

記述ミスによる不一致

開発者が意図せず、イベントとイベントハンドラーの宣言を異なるストレージクラスで記述してしまうケースもあります。

たとえば、イベントの定義でstaticを記述していても、対応するハンドラーでそのキーワードを省略してしまうといったミスです。

このような記述ミスは、コードレビューや自動化されたチェックツールを導入することで事前に検出することができます。

エラー対策と修正方法

ストレージクラス統一の方法

エラー対策としては、イベントとイベントハンドラーの両方で同じストレージクラスを使用するように記述を統一することが必要です。

具体的な対策は以下の手順になります。

  • イベントの宣言を確認し、staticが付いているかどうかを確認する
  • イベントハンドラーの宣言も同様に、イベントに合わせてstaticまたは非静的な関数として記述する
  • 記述ミスがないか、全体のコードを見直す

正しいコード記述例

以下は、イベントとイベントハンドラーのストレージクラスを統一した正しいコード例になります。

サンプルコードでは、イベントとハンドラーの両方を静的メンバーとして定義しています。

#include <stdio.h>
// イベントソースの定義
[event_source(type=native)]
class CEventSrc {
public:
  __event static void MyEvent(); // 静的イベントとして定義
};
// イベントハンドラーの定義
[event_receiver(type=native)]
class CEventHandler {
public:
  // 静的メンバー関数としてハンドラーを定義
  static void MyHandler() {
    // イベントの実行結果を出力
    printf("MyHandlerが呼び出されました。\n");
  }
  // イベントとの接続
  void HookIt(CEventSrc* pSource) {
    __hook(CEventSrc::MyEvent, pSource, &CEventHandler::MyHandler);
  }
  // イベントとの接続解除
  void UnhookIt(CEventSrc* pSource) {
    __unhook(CEventSrc::MyEvent, pSource, &CEventHandler::MyHandler);
  }
};
int main() {
  CEventSrc src;
  CEventHandler hnd;
  // ハンドラーとイベントを接続
  hnd.HookIt(&src);
  // イベントを発火させる
  __raise src.MyEvent();
  // ハンドラーとの接続を解除
  hnd.UnhookIt(&src);
  return 0;
}
MyHandlerが呼び出されました。

修正手順の具体的検証

修正手順としては、まずソースコード内の該当部分を確認し、イベントとハンドラーの宣言が一致しているかを検証します。

コードの変更を適用した後、コンパイルと実行を行い、エラーが解消されていることを確認するのが重要です。

また、静的と非静的の違いによる影響を実際の動作で確認するために、サンプルプロジェクトを作成して段階的にテストを行うと良いでしょう。

修正箇所のポイント解説

  • イベント宣言とハンドラー宣言の両方でstaticキーワードの有無をチェックする
  • __hookおよび__unhookマクロによる接続操作が正しく行われているか確認する
  • 修正後のコードで、イベントが発火した際に意図した処理が実行されるかをテストする

開発環境での検証手順

エラー再現の確認方法

まずは、不整合なストレージクラスで記述されたコードを用意し、以下の手順でエラー再現を確認します。

  • 不整合な記述でコードを書き、コンパイルを試みる
  • コンパイルエラーとしてC3703が発生することを確認する
  • エラーメッセージ(例:”event handler: イベント ハンドラー メソッド は ソース ‘event’ と同じストレージ クラスを必要とします”)をチェックする

開発環境が正しく構築されている場合、エラーはすぐに再現されるはずです。

修正後の動作確認手順

修正が完了した後は、以下の手順で動作確認を行います。

  1. 修正済みのソースコードをコンパイルする
  2. バイナリを実行し、イベントハンドラーの処理が正常に動作していることを確認する
  3. コンパイル時にエラーが表示されず、期待通りの出力が得られるかを検証する
  4. 必要に応じて、複数のシナリオでイベントの発火とハンドリングをテストし、安定性を確認する

これらの検証手順により、修正前後の動作を比較し、エラーが確実に解消されていることが確認できます。

まとめ

この記事では、C3703エラーがイベントとハンドラーのストレージクラスの不一致により発生する点を説明しています。

静的メンバー関数と非静的メンバー関数の違い、正しいコードの記述例、修正手順、および検証方法を紹介し、エラー原因と対策を明確に理解できる内容となっています。

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