コンパイラエラー

C言語とC++におけるコンパイラエラー C3551について解説

Microsoft Visual C++ で発生するエラー C3551 は、関数宣言で後続戻り型を使用する場合に、先頭の戻り型を単一の auto のみで記述しなければならないルールに起因します。

たとえば、const autoauto* と記述するとエラーとなり、正しくは auto func6() -> int; のように記述する必要があります。

この記事では、このエラーの原因と解決方法について確認できます。

後続戻り型の仕様と基本

Trailing Return Type の導入背景

C++11の登場により、関数の戻り値の型を関数名の後ろに記述する「後続戻り型(Trailing Return Type)」が導入されました。

これにより、戻り値の型が複雑な場合など、関数宣言の可読性が向上する効果があります。

特に、関数テンプレートやラムダ式での利用により、型推論をスムーズに行える点が評価されています。

C++における auto の役割

C++でのautoは、コンパイラに型の推論を任せるためのキーワードです。

関数宣言においても、このautoを用いることで、後続戻り型と組み合わせて柔軟な型指定が可能となります。

後続戻り型を用いる場合、関数名の前に記述する戻り値はautoのみである必要があり、他の修飾子を追加するとエラーが発生します。

先頭戻り型指定における制約と記述ルール

先頭戻り型指定では、厳密にautoのみが認められます。

例えば、const autoauto*auto&などの表記は、後続戻り型との矛盾が生じ、エラー C3551 を引き起こします。

以下に、誤った型指定のサンプルコードの例を示します。

// エラー例:誤った戻り型指定
#include <iostream>
const auto func1() -> const int;   // エラー:先頭にconstがある
auto* func2() -> int*;               // エラー:先頭にポインタ指定がある
auto& func3() -> int&;               // エラー:先頭に参照指定がある
auto&& func4() -> int&&;             // エラー:先頭に右辺値参照指定がある
int main() {
    return 0;
}
// コンパイルエラー: "先頭の戻り型は単一の型指定子 'auto' でなければなりません"

コンパイラエラー C3551の原因と解説

エラー発生条件の詳細

エラー C3551 は、後続戻り型を使用する際に、関数の先頭にある戻り型でauto以外の要素が含まれている場合に発生します。

たとえば、const autoと記述することで、先頭の戻り型がautoのみではなくなり、エラーが発生する原因となります。

C++の仕様において、後続戻り型と先頭戻り型の間で型指定の整合性が求められるため、この制約が厳守される必要があります。

誤った型指定の具体例

具体例として、以下のコードはエラー C3551 を引き起こすケースです。

コメントでどの部分が問題になっているかを説明します。

// 誤った型指定の例
#include <iostream>
// 関数の先頭戻り型にconst autoが使われており、正しくない
const auto sampleFunc() -> const int {
    return 42;
}
// 関数の先頭戻り型にauto*が使われているためエラー
auto* pointerFunc() -> int* {
    static int value = 100;
    return &value;
}
int main() {
    std::cout << sampleFunc() << std::endl;
    std::cout << *pointerFunc() << std::endl;
    return 0;
}
// コンパイルエラー: "先頭の戻り型は単一の型指定子 'auto' でなければなりません"

エラーコードメッセージの解析

コンパイラエラー C3551 は、「後続戻り型が使用されている場合、先頭の戻り型は単一の型指定子 ‘auto’ (‘type’ ではない) でなければなりません」というメッセージが出力されます。

これは、後続戻り型との整合性を保つための仕様であり、修飾子やポインタ、参照などが先頭に追加されると、コンパイラが正しく型推論できなくなることを意味しています。

auto以外の指定が招く問題点

auto以外の指定子を先頭に記述すると、関数の戻り値の型が不明瞭になるため、後続戻り型で指定した型と矛盾が発生します。

たとえば、const autoauto&のような書き方は、後続戻り型の意図を混乱させ、型安全性が保てなくなります。

その結果、コンパイル時に型指定の不整合が検出され、エラー C3551 が発生します。

適正な記述方法とエラー回避策

正しい関数宣言形式の確認

後続戻り型を利用する場合、正しい関数宣言形式は先頭にautoのみを記述し、返却される型は関数名の後ろで指定します。

これにより、関数の戻り値が明確に定義され、型の整合性も保たれます。

正しいコード例の検証

以下に正しい書き方のサンプルコードを示します。

必要な#include文も含まれており、main関数も記載されています。

// 正しい関数宣言の例
#include <iostream>
// 先頭にautoのみを記述し、後続の戻り型で返却する型を指定する
auto correctFunc() -> int {
    return 10;
}
int main() {
    // 関数の戻り値を標準出力に出力する
    std::cout << "正しい戻り型を持つ関数の出力: " << correctFunc() << std::endl;
    return 0;
}
正しい戻り型を持つ関数の出力: 10

修正時に留意すべきポイント

  • 関数宣言において、先頭の戻り型は必ずautoのみとする。
  • 修飾子(const、ポインタ*、参照&など)を先頭に追加しない。
  • 関数の意図する戻り値の型は必ず後続戻り型で正確に指定する。
  • 編集時に型の不整合がないか、文法チェックを行うことが重要。

C言語とC++の型指定ルールの相違点

C言語における関数宣言の特徴

C言語では、関数の戻り値の型は関数名の前に直接記述します。

後続戻り型の概念はなく、型推論を行う仕組みも存在しないため、C言語では明示的な型指定が求められます。

また、C言語ではポインタや配列に対しても、シンプルな表記が用いられることが多いです。

C++における記述方法とエラー発生の要因

C++では、後続戻り型の導入により可読性や型推論の柔軟性が向上しましたが、その反面、先頭戻り型におけるautoの使用に厳しい制約が課せられます。

特に、C++では先頭部分で不要な修飾子が含まれると、エラー C3551 が発生するため、注意が必要です。

Trailing Return Type 利用時の違い

Trailing Return Typeを利用する際、以下の点に違いがあります。

  • C++では、先頭に記述する戻り型は厳密にautoのみである必要があり、C言語のような柔軟な型指定は認められません。
  • 後続戻り型を用いることで、複雑な返却型(たとえば、ラムダ式やテンプレート関数)を記述する際に、より明確な定義ができるようになります。
  • C言語では、戻り型は固定され、明示的に宣言されるため、同様のエラーが発生することはありません。

これらの違いにより、C++では型の安全性と明確な意図を保つために、先頭戻り型に対する厳格なルールが導入されているのです。

まとめ

本記事では、C++における後続戻り型の仕様とautoの役割、先頭戻り型に付加される修飾子が原因で発生するエラー C3551 の詳細について解説しました。

また、正しい関数宣言形式と修正ポイント、C言語とC++の型指定ルールの違いについても明らかにしています。

これにより、エラー回避のための記述方法が理解できる内容となりました。

関連記事

Back to top button
目次へ