C言語におけるコンパイラエラー C3201 の原因と対策について解説
C++のコンパイラエラーC3201は、クラステンプレートに渡されたテンプレートパラメーターリストが、期待するリストと一致しない場合に発生します。
宣言時の引数や既定のテンプレート引数の指定に誤りがあると、このエラーが表示されます。
コード内のテンプレート宣言および引数指定を確認して修正してください。
エラーC3201の詳細
エラーメッセージの内容と構成
エラーC3201は、クラステンプレートのテンプレートパラメーターリストが、引数として渡されたクラステンプレートのパラメーターリストと一致しない場合に発生するエラーです。
エラーメッセージは次のように表現されることが多いです。
- 「クラス テンプレート ‘template’ 用テンプレート パラメーター リストが、テンプレート パラメーター ‘template’ 用テンプレート パラメーター リストと一致しません。」
このメッセージは、渡されたテンプレート引数の構成(例えば、パラメーターの個数や型)が、宣言時に定義されたテンプレートパラメーターの構成と異なることを示しています。
メッセージ内で具体的にどのテンプレートが不一致かが示されるため、コードを見直す際の手がかりとなります。
発生条件の確認と影響
エラーC3201が発生する代表的な条件は以下の通りです。
- クラステンプレートに、既定のテンプレート引数としてテンプレートそのものを指定している場合
- 渡すテンプレートのパラメーター数が宣言側と一致しない場合
- デフォルト引数として渡すテンプレート引数の型が期待される型と異なる場合
このエラーはコード全体のコンパイルを阻害するため、エラー発生箇所を特定しテンプレートパラメーターの構成を修正する必要があります。
発生した場合、ソースコードの設計やパラメーターの定義方法を再検討する良い機会となります。
原因の分析
テンプレートパラメーターの不一致
エラーの主な原因は、テンプレートパラメーターリストの不一致です。
たとえば、クラスX1
が2つのテンプレートパラメータを受け取るにも関わらず、別のテンプレートクラスでそれを1つだけ渡すと、パラメーターリストの数が一致せずにエラーが生じます。
テンプレート宣言時と引数指定時に各パラメーターの個数が合致しているかを確認することが重要です。
クラステンプレートと引数指定の不整合
クラステンプレートを利用する際、テンプレート自身を引数として渡す場合、対象テンプレートのパラメーター設定が正確に記述される必要があります。
たとえば、以下のコードでは、X2
でテンプレート引数としてX1
を渡そうとしていますが、X1
は2つのパラメーターを必要とするため不整合が発生します。
#include <iostream>
template<typename T1, typename T2>
class X1 {
};
// ここでは、X1を1つのテンプレートパラメーターとして扱おうとしているためエラーが発生する
template<template<typename T> class U = X1> // エラー C3201
class X2 {
};
int main() {
return 0;
}
このように、引数指定側で要求されるパラメーターの数と、実際に渡されるテンプレートのパラメーター数が不一致になると、コンパイルエラーとなります。
既定のテンプレート引数との関係
既定のテンプレート引数を用いる場合、指定されるテンプレート引数が実際のテンプレート宣言と一致しているかが重要です。
既定引数として設定したテンプレートが、受け取るべきパラメーターリストと合致しなければ、コンパイラは正しい型情報を得られずエラーを出力します。
たとえば、以下の例では、正しいパラメーターリストを指定することでエラーを回避しています。
#include <iostream>
template<typename T1, typename T2>
class X1 {
};
// 正しく、テンプレートパラメーターの個数を一致させることでエラーが解消される
template<template<typename T, typename U> class U = X1>
class X3 {
};
int main() {
return 0;
}
この例では既定テンプレート引数X1
と、テンプレートパラメーターが一致しているためエラーは発生しません。
修正方法の検証
コード例による再現方法の確認
まずは、エラーが発生するコード例とその出力を確認することが有用です。
以下の例は、エラーを再現するコードです。
エラーメッセージは実際のコンパイル時に「C3201」が表示され、テンプレートパラメーターリストの不一致が指摘されます。
#include <iostream>
template<typename T1, typename T2>
class X1 {
// クラステンプレート X1 は 2 つのパラメーターを要求
};
template<template<typename T> class U = X1> // 不一致:X1 は 2 つのパラメーターを要求
class X2 {
// エラー C3201 が発生
};
int main() {
return 0;
}
修正によるエラー解消事例
パラメーターリスト調整の具体例
エラーを回避するためには、テンプレートパラメーターリストが一致するように修正する必要があります。
下記の例では、X1
のパラメーター数に合わせてテンプレート引数の指定を変更しています。
#include <iostream>
template<typename T1, typename T2>
class X1 {
// 2 つのテンプレートパラメーターを利用
};
template<template<typename T, typename U> class U = X1> // テンプレートパラメーターリストを修正
class X3 {
// エラーが解消される
};
int main() {
std::cout << "Correct template parameter adjustment." << std::endl;
return 0;
}
Correct template parameter adjustment.
クラステンプレート引数統一の手法
別の解決策として、クラステンプレートを設計する際に、テンプレート引数の数や型を統一することが考えられます。
もしくは、別のテンプレートパラメーター設定を導入することで、エラーを回避する方法もあります。
具体例は以下の通りです。
#include <iostream>
template<typename T1, typename T2>
class X1 {
// X1 は 2 つのテンプレートパラメーターが必須
};
// もし1 つのテンプレートパラメーターで操作する必要がある場合は、新しいテンプレートを定義する
template<typename T>
class Y1 {
// 違う設計のクラステンプレート
};
template<template<typename T, typename U> class U = X1>
class X3 {
// テンプレート引数が一致するためエラーは発生しない
};
int main() {
std::cout << "Unified template arguments." << std::endl;
return 0;
}
Unified template arguments.
コンパイラ出力の変化確認
修正前のコードでは、コンパイル時にエラーメッセージが出力され、実行可能なファイルが生成されませんでした。
修正後のコードでは、コンパイルが正常に終了し、プログラムを実行するとコンソールに期待通りのメッセージが表示されます。
以下は修正前後のコンパイラ出力の一例です。
- 修正前:
- エラーメッセージ:
「クラス テンプレート ‘template’ 用テンプレート パラメーター リストが、…」
- 修正後:
- コンパイルエラーは表示されず、正常に実行可能なプログラムが生成される。
実施例のコード解説
修正前のエラー箇所解析
修正前のコードでは、クラスX1
が2つのテンプレートパラメーターT1
およびT2
を必要としているにもかかわらず、X2
のテンプレート引数としては1つのパラメーターT
のみを指定しています。
この不一致が原因で、コンパイル時にテンプレートパラメーターリストが一致しないというエラーが発生しました。
また、コンパイラはどのテンプレートが原因であるかをエラーメッセージ内で示しており、該当箇所を修正するための手がかりとなっていました。
修正後のコード比較と確認
修正後のコードでは、テンプレート引数の宣言部分をX1
が要求するパラメーターの個数に合わせて調整しました。
具体的には、テンプレートパラメーターリストにおいてtemplate<typename T, typename U>
と定義することで、一致するように修正しています。
以下は、修正前と修正後のコードの比較ポイントです。
- 修正前:
- クラステンプレート
X1
はtemplate<typename T1, typename T2>
と定義されている X2
でtemplate<template<typename T> class U = X1>
と1つのパラメーターしか指定していない
- クラステンプレート
- 修正後:
- クラステンプレート
X1
は変更せずに維持 - テンプレート引数として受け取る際に、
template<typename T, typename U> class U = X1
と記述し、パラメーターリストを統一した
- クラステンプレート
このような修正により、コンパイラはテンプレートパラメーターリストを正しく認識し、エラーが解消されます。
実際の確認として、コンパイル後にエラーが解消され、プログラムが実行可能になっている点からも修正が正しく行われたことがわかります。
まとめ
本記事では、コンパイラエラーC3201の原因とその修正方法について解説しました。
エラーメッセージの内容、発生条件、テンプレートパラメーターの不一致やクラステンプレートと引数指定の不整合、既定テンプレート引数との関係など、各観点から具体例を交えながら説明しています。
修正前後のコード比較や、コンパイラ出力の変化確認により、エラー解消の具体的手法が理解できる内容となっています。