コンパイラエラー

C言語のOpenMPコンパイラエラーC3020の原因と解決策について解説

この記事では、C言語でOpenMPを利用する際に発生するコンパイラエラーC3020について解説します。

forループ内でインデックス変数が変更されると、このエラーが発生するため、コード例を通して原因と解決策を紹介します。

OpenMPを使ったプログラム作成に役立つ内容です。

エラーC3020発生の背景

OpenMPの基本動作とforループの処理

インデックス変数の役割

OpenMPを用いた並列処理では、forループのインデックス変数が各反復処理の進行管理に用いられます。

インデックス変数は、ループ回数の制御だけでなく、反復ごとの処理結果に影響を与える大切な役割を担っています。

たとえば、以下のサンプルコードでは変数iがループのカウンターとして使用され、処理の開始から終了までの各反復においてその値が変化していきます。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main() {
    int i;
    // 並列化されたforループにより複数のスレッドで繰り返し処理を実施
    #pragma omp parallel for
    for(i = 0; i < 10; i++) {
        // 各反復でインデックス変数が反映される
        printf("Iteration: %d\n", i);
    }
    return 0;
}

上記の例では、各スレッドがループインデックスiの値に基づいて処理を分担し、出力の順序は必ずしも決まっていませんが、各インデックス変数の値は固有の反復に対応しています。

forループにおける変更制限の理由

OpenMPでは、forループ内でインデックス変数を変更することが制限されています。

これは、ループの各反復が正確に分割され、競合状態や不整合なデータアクセスを避けるためです。

もしループボディ内でインデックス変数を変更すると、想定外のループ回数や重複実行が発生する可能性があり、並列処理の安定性が損なわれる恐れがあります。

具体的には、インデックス変数の値が予期せず変更されることで、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • ループの終了条件を満たさず無限ループに陥る。
  • 反復処理が一部スキップされ、すべての反復が正しく処理されない。

こうした問題を避けるため、OpenMPではインデックス変数の変更を禁止し、エラーC3020として検出される仕組みになっています。

C3020エラーメッセージの解説

エラー文の内容と発生条件

エラーC3020のメッセージは「’var’: OpenMP ‘for’ ループのインデックス変数は、ループ ボディで変更できません」と示されます。

このエラーは、forループ内でインデックス変数に対して算術演算や代入が行われた場合に発生します。

たとえば、以下のコードではインデックス変数iがループボディ内で変更されているため、エラーC3020が発生します。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main() {
    int i = 0, n = 3;
    #pragma omp parallel
    {
        #pragma omp for
        for(i = 0; i < 10; i += n) {
            i *= 2;  // OpenMPのルールにより禁止されている変更
        }
    }
    return 0;
}

上記の例の場合、ループが進む途中でi *= 2;と記述することで、最初に設定されたループ制御が乱れ、意図しない動作を引き起こすためエラーとなります。

エラー発生の条件は、OpenMPがインデックス変数の一貫性を保証するために、ループ内での変数変更を検出したときです。

エラー原因の詳細解析

インデックス変数の不適切な変更

コード例に見る問題点

インデックス変数をループボディ内で変更する場合、各スレッドが異なるタイミングで変数の更新を行い、全体のループ制御が混乱する可能性があります。

以下の例は、エラーC3020が発生しうる典型的なパターンです。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main() {
    int i = 0, n = 2;
    #pragma omp parallel for
    for(i = 0; i < 10; i++) {
        // インデックス変数の変更が原因で不整合が生じる
        i = i + n;
        printf("i = %d\n", i);
    }
    return 0;
}

この例では、ループ制御用の変数iがループ内で操作されるため、本来の反復制御が崩れ、コンパイラがエラーを検知します。

正しい設計では、ループインデックスは単にカウンターとして使用し、変更が必要な場合は別の変数を用いる必要があります。

lastprivateによる影響

内側・外側ループでのエラー発生要因

OpenMPのlastprivate句は、並列処理の最後の反復結果を指定した変数に保持するために使用されます。

しかし、内側と外側のネストされたループで同じ変数にlastprivateを適用すると、内側ループでインデックス変数が変更されるケースが生じ、エラーC3020が発生する可能性があります。

次の例は、そのようなケースを示しています。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
float array[100][100];
int indexA, indexB;
void test(int first, int last) {
    // 外側ループのインデックス変数indexAに対してlastprivateを使用
    #pragma omp parallel for lastprivate(indexA)
    for(indexA = first; indexA <= last; ++indexA) {
        // 同じ変数indexAを内側ループでもlastprivateとして使用しようとしてエラー発生
        #pragma omp parallel for lastprivate(indexA)
        for(indexB = first; indexB <= last; ++indexB) {
            array[indexA][indexB] += 1.0f;
        }
    }
}
int main(){
    test(0, 10);
    return 0;
}

この例では、外側ループと内側ループで同一の変数indexAlastprivateとして利用しているため、ループごとの最後の反復結果が不明瞭となり、コンパイラがエラーとして警告を出します。

解決策としては、内側ループでは別の変数(たとえばindexB)をlastprivateとして指定する方法が推奨されます。

エラー解消の具体的な方法

正しいコード実装の例

誤ったコード例との比較

まず、エラーが発生する誤ったコード例を確認します。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main() {
    int i = 0, n = 3;
    #pragma omp parallel
    {
        #pragma omp for
        for(i = 0; i < 10; i += n) {
            i *= 2;  // この操作がエラーC3020の原因となる
        }
    }
    return 0;
}

上記のコードは、ループ内でiを変更しているためエラーとなります。

正しいコード実装例は、インデックス変数の変更を避けるため、ループボディ内で別の変数を用いるように変更します。

#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main() {
    int i, n = 3;
    #pragma omp parallel for
    for(i = 0; i < 10; i += n) {
        // ループインデックス変数iはそのまま利用し、別変数resultで計算を行う
        int result = i * 2;
        printf("Iteration %d, Result: %d\n", i, result);
    }
    return 0;
}

この正しい実装例では、ループのカウンターであるiを変更することなく、結果を求めるために別の変数resultを使用しています。

これにより、OpenMPのルールに準拠しながら並列処理を行うことが可能です。

コンパイルオプションの調整

/openmpオプションの設定方法

OpenMPを利用する際は、対応するコンパイラオプションを正しく設定する必要があります。

たとえば、Microsoft Visual Studioの環境では/openmpオプションを指定してコンパイルすることで、OpenMPの機能が有効になります。

コンパイル時は以下のようなコマンドを利用してください。

  • コマンドラインでのコンパイル例

コンパイラに/openmpオプションを追加してコンパイルします。

gccの場合(対応している場合)

「gcc -fopenmp sample.c -o sample」

または、

Visual Studioの場合

「cl /openmp sample.c」

このオプションが有効になっていないと、OpenMPによる並列化処理が正しく認識されず、後述のループ制御に関するエラーが発生する可能性があるため注意が必要です。

エラー発生時のデバッグ手法

コンパイラ警告の確認方法

コンパイラが出力する警告メッセージは、エラーの原因を特定する手がかりとなります。

Visual Studioやgcc、clangなどのコンパイラが出力するエラーメッセージでは、どの行でどの変数が不適切に変更されたかが示されるため、その内容を正確に確認することが重要です。

具体的には、エラーメッセージ中に示された変数名と行番号に注目し、ループ内で変数が変更されていないかを確認してください。

コードレビューのチェックポイント

エラーの原因を素早く特定するために、コードレビューの際には以下のポイントを確認することが望ましいです。

  • ループ制御用のインデックス変数がループボディ内で変更されていないか。
  • ネストされたループにおいて、同じ変数が内側と外側でlastprivateとして使用されていないか。
  • 並列化の際に適切な変数分離が行われ、各スレッドがデータ競合を起こさないような設計になっているか。
  • コンパイルオプションが正しく設定され、OpenMPの機能が有効になっているか。

これらのチェックポイントを確認することで、エラーC3020の原因特定が容易になり、迅速に修正を進めることが可能です。

まとめ

この記事では、OpenMPによる並列化処理においてエラーC3020が発生する背景と、それに関連するforループのインデックス変数の役割や、変更を禁止する理由について解説しています。

また、エラーメッセージが示す内容や発生条件、誤ったコード例と正しい実装例を比較しながら、エラー解消の具体的な方法やコンパイルオプションの設定、デバッグ手法について取り上げています。

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