C言語のコンパイラエラー C3013の原因と対策について解説
C3013エラーは、OpenMPディレクティブ内で同一の句が複数回記述されることで発生します。
たとえば、#pragma omp for文にnowait句を2回記述するとエラーが出るため、余分な句を削除して修正する必要があります。
エラーメッセージには重複した句が示されるので、適切な箇所を見直してください。
エラー C3013 の背景
OpenMPディレクティブの基本
OpenMPは、マルチスレッド処理を簡単に記述できるライブラリです。
ソースコード内に設置するディレクティブ(例:#pragma omp parallel
、#pragma omp for
)を用いることで、プログラムの一部を並列化することが可能です。
これにより、CPUリソースを有効活用して高速な処理が実現できます。
OpenMPディレクティブは、適切なオプション(例:/openmp
)を付けたコンパイル時に有効となります。
使用可能な句とそのルール
OpenMPディレクティブでは、記述すべき句と使用できる回数にルールがあります。
たとえば、nowait
句は一度だけ使用可能で、同じディレクティブ内で重複している場合、コンパイラエラー C3013 が発生します。
また、共有変数を設定するshared
句や、プライベート変数を指定するprivate
句など、各句には決められた記述方法があります。
ルールを遵守することで、意図した並列処理が正しく実現されるため、使用可能な句の構文・ルールは十分に確認する必要があります。
エラー C3013 の原因
重複する句の発生パターン
コード例とエラー箇所の特定
エラー C3013 は、同じOpenMPディレクティブ内に同一の句が2回以上記述された場合に発生します。
以下のサンプルコードでは、nowait
句が2回記述されているため、エラーが発生します。
#include <omp.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
int index;
// OpenMPディレクティブに同じ nowait 句が2度使用されている
#pragma omp parallel for nowait nowait
for (index = 0; index < 10; index++) {
printf("index = %d\n", index);
}
return 0;
}
# コンパイル時に「'nowait': 句は、OpenMP 'directive' ディレクティブ上で一度だけ使用できます」というエラーメッセージが表示されます
記述ミスの具体例
記述の際に、意図せず同じ句を重複して記述した場合が原因です。
たとえば、コピー&ペーストのミスや、複数のディレクティブ設定が混在している場合に発生しやすいです。
複数のコード編集箇所を見直すことで、重複している句を正しく削除することができます。
ディレクティブ間のルール違反
複数ディレクティブでの誤用事例
複数のOpenMPディレクティブを組み合わせる際、各ディレクティブで設定する句のルールに対して整合性をとる必要があります。
たとえば、#pragma omp parallel
と#pragma omp for
を併用する場合、それぞれで共有変数とプライベート変数の記述方法を正しく指定しないと、エラーが発生する可能性があります。
以下の例では、異なるディレクティブ間で不適切な句の指定が行われた場合の記述例です。
#include <omp.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
int a, b, c;
int x;
#pragma omp parallel shared(a, b, c) private(x)
{
// 内部のforディレクティブで、同じ句が重複使用されている
#pragma omp for nowait nowait
for (a = 0; a < 10; a++) {
printf("Thread work a = %d\n", a);
}
}
return 0;
}
# コンパイル時に「C3013: 'nowait': 句は、OpenMP 'directive' ディレクティブ上で一度だけ使用できます」というエラーが出ます
対策と修正方法
エラー回避の基本手順
不要な句の削除方法
エラーを回避する基本的な方法は、重複して記述されている句を見つけ出し、不要なものを削除することです。
複数の箇所で同じ句が記述されていないかを注意深く確認し、正しく構文が一度だけ使われるように修正してください。
正しい句の記述方法
正しい記述方法に沿ったOpenMPディレクティブの使用例は以下の通りです。
たとえば、nowait
句を一度だけ使用する場合は次のように記述します。
#include <omp.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
int index;
// nowait 句は1回のみ使用する。重複して記述しない。
#pragma omp parallel for nowait
for (index = 0; index < 10; index++) {
printf("index = %d\n", index);
}
return 0;
}
# 正常にコンパイルおよび実行され、各ループのindexの値が表示されます
修正例を用いた具体的対策
改善されたコード例の紹介
重複した句を削除し、正しい記述方法に沿った改善例を以下に示します。
修正前のコードでは同じ句が重複していましたが、改善後は必要な句のみを保持し、エラーが発生しないように修正されています。
#include <omp.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
int index;
// 修正後はnowait句を一度だけ使用する
#pragma omp parallel for nowait
for (index = 0; index < 10; index++) {
printf("Processing index = %d\n", index);
}
return 0;
}
# 各インデックスの値が順に表示され、エラーは発生しません
ビルド時の確認方法
コンパイル時には、OpenMPを有効にするオプション(例:/openmp
)を付与してビルドする必要があります。
修正後は、以下の手順でエラーが解消されたか確認してください。
- 使用しているビルドスクリプトやIDEの設定を確認する
- コンパイラの出力メッセージにエラーが表示されないことを確認する
- 実行時に正しい動作が確認できるかチェックする
エラー防止のチェックポイント
開発環境設定の確認
コンパイル時に必ずOpenMPオプションが有効になっているか確認します。
開発環境やIDEの設定に誤りがあると、正しいディレクティブが機能しない可能性があるため、環境設定は定期的に見直す必要があります。
コーディングルールの徹底確認
コードレビューや静的解析ツールを活用して、OpenMPディレクティブの記述ルールが守られているか確認します。
特に、句の重複記述や不整合がないかをチェックし、同じミスが再発しないようにコーディングルールを明文化しておくとよいでしょう。
デバッグ時の注意事項
エラーメッセージの解析方法
コンパイラから出力されるエラーメッセージは、問題個所を特定するのに重要です。
エラーメッセージに記載されたディレクティブや句の位置、内容を確認し、どの部分がルール違反になっているのかを正確に把握するようにしてください。
エラーメッセージは、行番号なども含まれているため、それらをもとにソースコード全体を見直すとよいでしょう。
修正後の動作確認手順
エラー修正後は、以下の確認手順で正しく動作しているかチェックしてください。
- ソースコードの該当部分が修正され、重複句が削除されていることを確認する
- コンパイルオプション(例:
/openmp
)が正しく指定されているか再確認する - 実行時に意図した通りの出力や動作が得られるかテストする
以上の手順により、コンパイラエラー C3013 への対応と、OpenMPディレクティブの正しい使用が実現できます。
まとめ
この記事では、OpenMPディレクティブにおけるコンパイラエラー C3013 の背景、原因としての句の重複記述、複数ディレクティブ間での誤用事例を解説しています。
正しい句の記述方法や不要な句の削除方法、改善例およびビルド時の確認方法を具体的なサンプルコードとともに示しました。
読後は、正しいディレクティブの使い方とエラー回避手法が理解でき、開発環境の設定やコーディングルールの徹底にも役立つ内容となっています。