C言語で発生するコンパイラエラー C3003 について解説 – OpenMPディレクティブの正しい記述方法
C言語でOpenMPを利用する際、エラー「C3003」が発生する場合があります。
これは、#pragma omp parallel shared(x, y, z) for
のように、OpenMPディレクティブ句の後にディレクティブ名を記述するとエラーとなる構文上の問題です。
正しい位置にディレクティブを記述することで解決できます。
エラーC3003の原因解析
エラーメッセージの内容
エラーC3003は「directive: OpenMP ディレクティブ名は、ディレクティブ句の後には使用できません」という内容で表示されます。
これは、OpenMPのディレクティブにおいて、ディレクティブ句とディレクティブ名の記述順序が誤っている場合に発生するエラーです。
たとえば、#pragma omp parallel
の後に続くべき句や構文が正しく記述されず、意図しない位置にディレクティブ名が混入すると、このエラーメッセージが表示されます。
OpenMPディレクティブ句とディレクティブ名の不適切な記述
OpenMPのディレクティブは基本的に「ディレクティブ名」とその後に続く「ディレクティブ句」で構成されています。
正しい書き方では、#pragma omp
の直後にディレクティブ名を記述し、その後にオプションや句が続きます。
しかし、誤った記述ではディレクティブ句の後に別のディレクティブ名を誤って記載してしまいます。
これにより、コンパイラは構文エラーとして検出し、エラーメッセージC3003が発生します。
誤った記述例
実際のコード例によるエラー発生部分の解説
以下のサンプルコードは、誤ったOpenMPディレクティブの記述方法によってエラーC3003が発生する例です。
#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main(void)
{
int x, y, z;
// ここでエラー C3003 発生:
// "directive: OpenMP ディレクティブ名は、ディレクティブ句の後には使用できません"
#pragma omp parallel shared(x, y, z) for
{
// 並列実行する処理をここに記述
}
return 0;
}
エラー C3003: "directive: OpenMP ディレクティブ名は、ディレクティブ句の後には使用できません"
上記のサンプルでは、parallel
と for
が同一行に記述され、ディレクティブ句の後に for
を配置してしまっています。
このような記述は構文上認められていないため、コンパイラはエラーを検出します。
OpenMPディレクティブの構文と記述ルール
ディレクティブ句とディレクティブ名の正しい区別
正しいOpenMPディレクティブの記述方法では、#pragma omp
の直後にディレクティブ名が記述され、その後に必要なディレクティブ句(たとえば、スケジューリングの設定や共有変数の指定など)が続きます。
具体的には、以下の構文が基本となります。
たとえば、parallel
や for
といったディレクティブ名は、他の句(shared、private など)の前に正しく記述する必要があります。
これにより、コンパイラは各ディレクティブの役割を明確に認識し、適切に並列処理を実行できるようになります。
構文上の制約と注意点
構文上の制約として、OpenMPではディレクティブ名がディレクティブ句の中に混入してはならず、必ず区別して記述する必要があります。
たとえば、#pragma omp parallel for
と記述する場合は、parallel
がディレクティブ名であり、for
は別のディレクティブ名として認識されるため、これをひとつの行で連結するとエラーとなります。
また、ディレクティブ名同士は分離して記述し、ブロックごとに適切に記述することで、構文エラーを防ぐことができます。
正しい記述方法の適用例
正しいコード例の提示
正しい記述方法を用いたサンプルコードを以下に示します。
この例では、parallel
と for
のディレクティブを分けて記述し、正しく並列処理を実現します。
#include <stdio.h>
#include <omp.h>
int main(void)
{
int n = 10;
int array[10];
// 並列領域の開始
#pragma omp parallel shared(array)
{
// 並列ループの開始
#pragma omp for
for (int i = 0; i < n; i++) {
// 各要素を初期化する処理
array[i] = i * 2;
// 配列の各要素の出力(デバッグ用)
printf("array[%d] = %d\n", i, array[i]);
}
}
return 0;
}
array[0] = 0
array[1] = 2
array[2] = 4
array[3] = 6
array[4] = 8
array[5] = 10
array[6] = 12
array[7] = 14
array[8] = 16
array[9] = 18
修正前後の比較
下記のリストは、誤ったコードと正しいコードの違いを明確に示しています。
- 誤ったコードでは、
#pragma omp parallel
の後にshared
句とともにfor
が同一行に記述され、ディレクティブ句の後に別のディレクティブ名が続いている点でエラーになります。 - 正しいコードでは、
parallel
とfor
のディレクティブが別々のブロックに分かれて記述され、ディレクティブ名と句が明確に区別されています。 - この修正により、OpenMPの構文として正しい形式となり、コンパイラエラーが解消されます。
コード差分の詳細解説
- 誤ったコードの例
「#pragma omp parallel shared(x, y, z) for
」と記述しているため、コンパイラは「for
」を誤ったディレクティブ名として認識しエラーを発生させます。
- 正しいコードの例
分割したディレクティブとして、まず「#pragma omp parallel shared(array)
」で並列領域を定義し、その後ブロック内で「#pragma omp for
」を使用し、ループを並列化しています。
この方法で記述すると、各ディレクティブが明確に区別され、エラーが発生しません。
コンパイル時の注意事項
コンパイラオプションとOpenMP設定
OpenMPを利用する際は、コンパイラに対してOpenMPのサポートを有効にするオプションを指定する必要があります。
たとえば、Microsoft Visual C++を利用する場合は、コンパイルオプションに「/openmp」を指定してください。
また、gccを利用する場合は、「-fopenmp」オプションを付加する必要があります。
以下に、gccでのコンパイル例を示します。
gcc -fopenmp sample.c -o sample_exe
関連オプション利用時のチェックポイント
- コンパイルオプションが正しく指定されているか確認してください。
- IDEやビルド環境でのOpenMPサポート設定が有効になっていることを確認してください。
- ソースコード内のディレクティブ記述が正しい構文に基づいているかを再度チェックしてください。
- 複数のディレクティブを組み合わせる場合は、各ディレクティブが独立したブロックで記述されているかを確認することが重要です。
以上のポイントを抑えることで、コンパイル時および実行時の予期しないエラーを防ぐことが可能です。
まとめ
この記事では、コンパイラエラーC3003が発生する原因として、OpenMPディレクティブの不適切な記述方法について解説しています。
エラーがなぜ起こるのか、誤った記述例と正しい記述例を具体的なコードを用いて説明し、ディレクティブ句とディレクティブ名の区別が明確になるようにしています。
また、コンパイル時に必要なオプションの指定方法や注意点も紹介し、正しい構文ルールを理解する助けとなる内容です。