コンパイラエラー

コンパイラエラー C2975 について解説:テンプレート引数での定数式使用法と注意点

C2975は、テンプレートの引数としてコンパイル時定数が必要な場合に、変数や計算式など定数ではない値を指定すると発生するエラーです。

たとえば、i + jのような式を引数に指定するとエラーとなり、定数リテラルや適正な定数式を使用する必要があります。

コンパイラエラー C2975の基本

エラーメッセージの内容と意味

コンパイラエラー C2975 は、テンプレートに渡される引数が定数式ではない場合に発生するエラーです。

エラーメッセージでは、「’argument’ : ‘type’ の無効なテンプレート引数です。」と表示され、テンプレート定義で要求されるコンパイル時の定数式が提供されていないことを示しています。

このエラーは、主に以下の理由で発生します。

  • テンプレート引数に変数や実行時に決定される式が含まれている。
  • 定数式でなければならない値が動的に決まる値となっている。

テンプレート引数に求められる定数式の条件

テンプレートで定義される引数には、コンパイル時にその値が確定している必要があります。

例えば、整数リテラルやenum定数、constexprで定義された変数などが使用可能な定数式となります。

具体的には、テンプレートの定義に沿って以下の条件を満たす必要があります。

  • 値がコンパイル時に確定していること
  • 実行時に動的に変化しないこと
  • 定義された型に合わせた値であること

定数式としてのテンプレート引数

定数リテラルと変数の違い

定数リテラルは値がソースコードに直接記述されており、コンパイル時にその値が確定しています。

一方、通常の変数は実行時に値が代入されるため、コンパイル時には評価できません。

例えば、以下のコードは定数リテラルを使用しているため正常にコンパイルできます。

#include <iostream>
template<int I>
class Example {};
int main() {
    Example<6> ex; // 正しいテンプレート引数の指定例
    std::cout << "Example instantiated with 6" << std::endl;
    return 0;
}
Example instantiated with 6

もし、変数をそのままテンプレート引数として指定すると、コンパイル時に値が確定していないため C2975 エラーが発生します。

複雑な式の使用時の注意点

定数リテラル同士の演算や、constexprで定義された値を用いた式であれば、複雑な計算もコンパイル時に評価されるため使用できます。

ただし、以下の点に注意してください。

  • 演算子の優先順位や括弧の使用により意図しない評価結果にならないように気を付ける。
  • もし一部の値がコンパイル時定数でない場合、全体として定数式とみなされなくなる。

たとえば、i + j のような式は、ij が通常の変数の場合、定数式と評価されません。

正しくは定数リテラルやconstexpr変数を使用する必要があります。

エラー発生例とコードの解析

エラーが発生する具体的なコード例

コンパイラエラー C2975 がどのような状況で発生するのか、以下の具体的なコード例で確認できます。

これは、テンプレート引数に通常の変数を使用した場合の例です。

無効なテンプレート引数の使用例

以下のサンプルコードでは、通常の変数を使ってテンプレートをインスタンス化しようとしているため、C2975 エラーが発生します。

#include <iostream>
template<int I>
class X {};
int main() {
    int i = 4, j = 2;
    // 次の行はコンパイル時に定数式として評価できず、エラーとなる
    X<i + j> x1;
    return 0;
}

正しいテンプレート引数の指定例

正しい書き方としては、コンパイル時に値が決定しているリテラルをテンプレート引数として使用する方法があります。

以下のコードは正しくコンパイルされ、意図通り動作します。

#include <iostream>
template<int I>
class X {};
int main() {
    // 値がリテラルであるため、コンパイル時に正しく評価される
    X<6> x2;
    std::cout << "X instantiated with 6" << std::endl;
    return 0;
}
X instantiated with 6

コンパイラオプションと影響

/ZIと/Ziの違い

コンパイラのオプション /ZI/Zi は、デバッグ情報の生成に影響を与えます。

  • /ZI は Edit and Continue 機能向けのデバッグ情報を生成しますが、これによりコンパイル時定数として評価されるべき値が正しく処理されない場合があります。
  • 一方、/Zi は標準的なデバッグ情報を生成し、コンパイラは定数式としての評価を正しく行うため、C2975 エラーが発生しにくくなります。

__LINE__使用時の注意事項

__LINE__ は通常、ソースコード内の行番号を定義するマクロですが、/ZI でコンパイルすると、このマクロが定数式として評価されず、C2975 エラーの原因となることがあります。

そのため、__LINE__ をテンプレート引数として利用する場合は、コンパイラオプションを /Zi に変更するよう注意してください。

以下は、__LINE__ を利用したサンプルコードの例です。

#include <iostream>
template<long line>
void test() {
    std::cout << "Line number: " << line << std::endl;
}
int main() {
    // /ZI オプションでコンパイルするとエラーが発生する可能性がある
    test<__LINE__>();
    return 0;
}
Line number: 20

(※出力結果はソースコードの実際の行番号に依存します)

エラー修正のポイント

コード修正手法の解説

C2975 エラーに直面した場合、コード自体の修正が必要となります。

具体的な手法としては以下の方法が考えられます。

  • テンプレート引数に使用する値をリテラルやconstexprで定義し、コンパイル時に評価可能な値に変更する。
  • 複雑な式の場合、先にconstexpr変数に計算結果を代入してからテンプレート引数に渡す。

たとえば、次のような例があります。

#include <iostream>
constexpr int computeValue() {
    return 4 + 2;
}
template<int I>
class Y {};
int main() {
    // constexpr を使用して、計算結果を定数として扱う
    constexpr int value = computeValue();
    Y<value> y;
    std::cout << "Y instantiated with value: " << value << std::endl;
    return 0;
}
Y instantiated with value: 6

設定変更による対策方法

場合によっては、コードの修正だけではなくコンパイラの設定変更も有効です。

具体的には、__LINE__ のようなマクロをテンプレート引数で使用する場合、コンパイラオプションを /ZI から /Zi に変更することで問題が解決される可能性があります。

また、プロジェクト全体で定数式が必要とされる部分を見直し、コンパイル時評価が保証されている値に統一することも対策となります。

まとめ

この記事では、テンプレート引数として定数式を用いる際の条件と、コンパイラエラー C2975 が発生する原因について理解できます。

具体例を通じて、定数リテラルや constexpr を利用する必要性、複雑な式を扱う際の注意点を学べます。

また、/ZI と /Zi の違いや、__LINE__ 使用時の留意点を把握し、エラー修正のためのコード修正手法やコンパイラ設定変更の対策方法を知ることができます。

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