C言語のコンパイラエラー C2835について解説

Microsoft Visual C++ のコンパイラでは、ユーザー定義の型変換関数にパラメーターを指定するとエラー C2835 が発生します。

具体的には、例えば operator char(char a) のように定義すると、型変換関数に本来不要な仮パラメーターが含まれるためエラーとなります。

正しくはパラメーターを省略した operator char() のように記述する必要があります。

このエラーは、基本文法の徹底確認に役立ちます。

C2835エラーの原因と背景

エラー内容の説明

C2835エラーは、ユーザー定義型変換関数において不正な仮パラメーターが使用されている場合に発生します。

エラーメッセージは「ユーザー定義の型変換 ‘type’ は正式引数をとりません」と表示され、変換関数でパラメーターの指定が認められていないことを示しています。

つまり、変換演算子は通常のメンバー関数とは異なり、引数を取ることができない仕様になっています。

ユーザー定義型変換関数の仕様

ユーザー定義型変換関数は、オブジェクトをある型に暗黙または明示的に変換するために用いられます。

これらの関数は、戻り値の型を変換先として定義する特殊な関数ですが、引数を受け取ることはできません。

そのため、変換関数に仮パラメーターを指定すると、コンパイラはC2835エラーを発生させます。

型変換関数におけるパラメーターの扱い

型変換関数は、クラス内で定義されるとき、関数名に戻り値の型を指定せずに記述されます。

例えば、operator char()という形式で定義する必要があります。

仮にoperator char(char a)のようにパラメーターを設定すると、C言語およびC++の仕様に反するため、コンパイルエラーとなります。

$$\text{正しい形式: }\mathrm{char}()vs.\text{誤った形式: }\mathrm{char}(char)$$

仮パラメーター使用の問題点

変換関数に仮パラメーターを設けると、変換の際にどの値を使うかが不明確となり、言語仕様の整合性が損なわれます。

また、パラメーターを受け取ることで、関数呼び出しの際の一貫性が崩れ、予期せぬ動作を引き起こす可能性が高くなります。

そのため、C++では明確に仮パラメーターの使用が禁止され、エラーC2835として報告されるのです。

エラー発生時のコード例と修正方法

エラーが発生するコード例

間違った型変換関数の記述

以下は、誤った型変換関数の記述例です。

変換関数にパラメーターが含まれているため、コンパイル時にC2835エラーが発生します。

#include <iostream>
// クラスAの定義
class A {
public:
    char v_char;
    // コンストラクターで変数v_charを初期化
    A() {
        v_char = 'A';
    }
    // 誤った型変換関数：パラメーターが含まれており、エラーC2835が発生する
    operator char(char a) {
        // 仮にパラメーターを使っていますが、仕様上認められません
        return v_char + 1;
    }
};
int main() {
    A obj;
    // 以下の行はコンパイルすらできないため、実行されません
    // char result = obj;
    return 0;
}

// コンパイル時に以下のようなエラーが発生する例(実際の出力は開発環境により異なります)
// error C2835: ユーザー定義の型変換 'char' は正式引数をとりません

修正後の正しいコード例

パラメーターを省略した記法

正しいコード例では、変換関数にパラメーターを含めず、operator char()の形式に修正します。

以下のサンプルコードは修正後の正しい記述例です。

コンパイルが可能となり、実際に変換処理も正しく実行されます。

#include <iostream>
// クラスAの定義
class A {
public:
    char v_char;
    // コンストラクターで変数v_charを初期化
    A() {
        v_char = 'A';
    }
    // 正しい型変換関数：パラメーターを持たない
    operator char() {
        // v_charの値に1を加えた値を返す
        return v_char + 1;
    }
};
int main() {
    A obj;
    // 型変換演算子が正しく動作するため、'B'が表示されます
    char result = obj;
    std::cout << "変換結果: " << result << std::endl;
    return 0;
}

変換結果: B

Visual C++におけるエラー対応のポイント

コンパイラのエラー表示の意味

Visual C++では、C2835エラーが発生すると、ユーザー定義の型変換関数に不正な仮パラメーターがあることを指摘します。

エラー表示には、どのメソッドが問題となっているかが明示され、変換関数にパラメーターを含めることができない点が強調されます。

これにより、適切な修正方法を検討するヒントが提供されます。

修正時の留意点

書き方修正の手順

1. まず、エラーメッセージで問題となっている型変換関数を確認します。
2. 変換関数に仮パラメーターが含まれていないかを検討し、もし見つかった場合はパラメーターを削除します。
3. 型変換関数を正しい形式、つまりoperator 型()として再定義します。
4. 修正後、コードを再コンパイルしてエラーが解消されたことを確認します。

これらのステップを踏むことで、エラーC2835が発生せず、正しい動作が実現できるようになります。

まとめ

この記事では、C2835エラーの原因と背景について、ユーザー定義型変換関数の仕様やパラメーターの扱い方が明確に説明されています。

仮パラメーターの使用による問題点や、具体的なエラーコードの例、正しい記述方法への修正手順が詳しく解説され、Visual C++でのエラー対応のポイントも紹介しています。

これにより、読者は誤った型変換関数の記述が引き起こす問題と、その修正方法を理解できるようになります。