C++コンパイラエラー C2755 の原因と対処法について解説
C2755はC++のテンプレート使用時に発生するコンパイルエラーです。
部分特殊化する非型テンプレートパラメータは単純な識別子でなければならず、計算式や複雑な式は使えません。
たとえば、struct A<I, I*5>
と記述するとエラーとなるため、識別子または定数値を用いた記述に修正する必要があります。
エラーC2755の発生原因
C++において、非型テンプレートパラメータはコンパイル時に決定される定数や単純な識別子でなければなりません。
コンパイラはこれらの値を利用してテンプレートのインスタンス化を行いますが、複雑な式や演算結果が入ると、コンパイラが正しく解釈できずエラーC2755が発生することがあります。
非型テンプレートパラメータの基本ルール
非型テンプレートパラメータは、次の点に注意する必要があります。
- 定数式または単純な識別子である必要がある
- コンパイル時に値が確定しているものであること
- 複雑な算術演算や変数の組み合わせは許容されない
これにより、テンプレートインスタンス化時に混乱が生じず、プログラムの正確な動作が保証されます。
特殊化時の記述制限
部分特殊化の際にも、非型テンプレートパラメータには同様のルールが適用されます。
たとえば、テンプレート特殊化で式(例: I*5
)を用いると、コンパイラはその式を単純な識別子として扱えず、エラーC2755が発生します。
正しい特殊化を行うためには、式を直接記述するのではなく、特定の定数値やシンプルな識別子を使用する必要があります。
コード例によるエラー再現
問題となるコード例
以下のコードは、部分特殊化時にI*5
という式を使用しているため、エラーC2755が発生する例です。
#include <iostream>
// 主テンプレート宣言
template<int I, int J>
struct A {};
// 部分特殊化で複雑な式を使用する例(エラーが発生する)
template<int I>
struct A<I, I*5> {
void print() {
std::cout << "Error prone specialization" << std::endl;
}
};
int main() {
// コンパイル時に特殊化が選ばれる
A<2, 2*5> a;
a.print();
return 0;
}
// コンパイルエラー例(実際の出力はコンパイラによって異なります)
error C2755: 'param': 部分的特殊化の非型テンプレート パラメーターは、単純な識別子でなければなりません
エラー表示の内容
コンパイラは、エラーC2755として以下のようなメッセージを返します。
「’param’ : 部分的特殊化の非型テンプレート パラメーターは、単純な識別子でなければなりません」
このメッセージは、特殊化時に式を使用している部分が原因であることを示しています。
コンパイラは非型テンプレートパラメータとして、単一の識別子または定数値のみを認識できるためです。
対処方法と修正例の解説
正しい記述方法のポイント
エラーC2755を回避するためには、特殊化時に非型テンプレートパラメータとして簡潔な定数値や識別子を用いる必要があります。
具体的には、以下の点に注意してください。
- 複雑な式(例:
I*5
)を直接使用しない - 定数値(例:
5
)や、事前に定義したシンプルな識別子を使用する - テンプレート特殊化が必要な場合は、分かりやすいパラメータ指定に留意する
修正後のコード例
以下のコード例は、特殊化時に式ではなく定数値を使用することで、エラーC2755を解消したものです。
#include <iostream>
// 主テンプレート宣言
template<int I, int J>
struct A {};
// 部分特殊化で定数値を使用する正しい例
template<int I>
struct A<I, 5> { // 定数値を直接指定
void print() {
std::cout << "Specialized template with constant parameter." << std::endl;
}
};
int main() {
// 第二パラメータに5を指定することで、特殊化が選ばれる
A<2, 5> a;
a.print();
return 0;
}
Specialized template with constant parameter.
注意すべきポイント
テンプレート使用時の留意点
テンプレートを使用する際は、以下の点に留意してください。
- 非型テンプレートパラメータは、常にコンパイル時に確定できる定数または単純な識別子を指定する
- 複雑な算術演算や変数の組み合わせは、テンプレート特殊化では避ける
- テンプレートの特殊化は、主テンプレートとの整合性を保つためにシンプルな記述を心がける
記述ルールの確認方法
エラーを回避するためには、記述ルールを事前に確認することが重要です。
以下は確認する際のポイントです。
- C++標準や利用するコンパイラのドキュメントを参照して、非型テンプレートパラメータの定義方法を再確認する
- エラーメッセージを基に、どの部分でルール違反が起こっているかを特定する
- 小さなコード例で検証を行い、正しい特殊化方法を実践すること
これらの注意点を踏まえ、正しくテンプレート特殊化を記述することで、エラーC2755を未然に防ぐことが可能です。
まとめ
この記事では、C++のエラーC2755が発生する理由について解説しました。
非型テンプレートパラメータは単純な識別子や定数値でなければならず、複雑な式(例: I*5)を使用するとエラーとなります。
コード例を通じ、エラー再現とその対処方法、正しい記述方法を示しました。
また、テンプレート使用時の留意点として、記述ルールと検証の大切さも確認できる内容となっています。