C言語のコンパイラ エラー C2707の原因と対策について解説
C言語でコンパイラ エラー C2707が発生するのは、組み込み例外処理関数が不適切な位置で使用された場合です。
たとえば、_exception_code()
や_abnormal_termination()
が__exceptまたは__finallyブロックの外に記述されるとエラーとなります。
正しい例外処理構造に修正することで、問題を回避できます。
エラーC2707発生の背景
組み込み例外関数の役割と利用環境の確認
組み込み例外関数は、構造化例外処理において、例外の発生状況を把握するために利用されます。
たとえば、GetExceptionCode()
は、現在処理中の例外のコードを取得するために利用され、例外フィルターや __except
ブロック内で適切に呼び出す必要があります。
これらの関数は、Windows OS の例外処理の仕組みに基づいて、特定のタイミングと場所で呼び出すことで正しく動作します。
また、例外処理はコードの安全性を高めるために設定されるため、環境全体としても開発環境が正しく構築されていることが前提となります。
例外処理の配置による影響
例外処理の組み込み関数は、本来の設計意図に沿った場所に記述しなければなりません。
たとえば、GetExceptionCode()
や他の組み込み関数を __except
や __finally
ブロック以外の場所で利用すると、コンパイラはエラー C2707 を出力します。
配置が不適切な場合、処理の流れが正しく制御されず、例外処理メカニズムが正確に機能しなくなります。
これにより、例外をキャッチできなかったり、予期せぬ動作を引き起こす可能性があるため、コードの記述場所を正確に把握することが重要です。
不適切なコード例と誤用パターン
__except/__finallyブロック外での組み込み関数使用事例
組み込み関数は、__try
ブロックの中、もしくは __except
/__finally
ブロック内でのみ適切に利用できるものです。
これらの関数をブロックの外で利用すると、コンパイラがエラー C2707 を検出します。
以下に、誤った利用例とその解説を示します。
不正な記述方法の具体例
以下のサンプルコードは、GetExceptionCode()
を __try
ブロックの外で使用しているためにエラーが発生する例です。
// NG_example.c
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
LONG calculateException(void) {
// __except ブロック外で組み込み関数を呼び出しているのでエラーになる
return (GetExceptionCode() == EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION ?
EXCEPTION_EXECUTE_HANDLER : EXCEPTION_CONTINUE_SEARCH);
}
int main(void) {
__try {
int a = 1, b = 0;
int result = a / b; // 故意に例外を起こす
}
__except(calculateException()) {
printf("例外キャッチしました\n");
}
return 0;
}
この例では、calculateException
関数内で GetExceptionCode()
を呼び出しており、例外が正しく処理されない原因となっているため、コンパイラがエラーを報告します。
エラーメッセージの内容解析
エラーメッセージは「’identifier’ : 組み込み関数のコンテキストが正しくありません」という内容で出力されます。
このメッセージは、組み込み関数が例外フィルターまたは __finally
ブロックの外で利用された場合に表示され、組み込み関数の利用場所が設計と異なることを示しています。
エラーメッセージに含まれる identifier
部分には、問題のある関数名が出力されるため、どの部分の記述が原因かを把握しやすくなっています。
正しい例外処理記述方法
例外処理の基本構造と配置ルール
正しく例外処理を行うためには、__try
ブロック内で例外が発生するコードを記述し、__except
ブロック内で組み込み関数を利用して例外情報を取得する必要があります。
基本的なルールとして、組み込み関数を呼び出す際には必ず対象となる例外フィルター内で記述すること、もしくは、__finally
ブロック内で使用しないよう注意が必要です。
__tryブロック内での適切な記述方法
__try
ブロック内では、例外が発生する可能性のあるコードを記述し、例外が起きた際の対処は外側の __except
ブロックで判断します。
以下は適切な記述例です。
// correct_try.c
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
__try {
int numerator = 10;
int denominator = 0;
int result = numerator / denominator; // 例外が発生する可能性があるコード
printf("結果: %d\n", result);
}
__except(EXCEPTION_EXECUTE_HANDLER) {
printf("例外を捕捉しました\n");
}
return 0;
}
__exceptブロック内での組み込み関数利用ルール
例外フィルターとして用いられる __except
ブロック内では、組み込み関数を正しく記述することで、例外種類に応じた処理が可能です。
フィルター条件には、直接 GetExceptionCode()
を用い、例外の種類を判断することが推奨されます。
以下の例では、例外フィルター内での適切な使い方を示しています。
// correct_except.c
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
LONG ExceptionFilter(LONG exceptionCode) {
// 例外コードに基づき、処理を分岐する
return (exceptionCode == EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION ?
EXCEPTION_EXECUTE_HANDLER : EXCEPTION_CONTINUE_SEARCH);
}
int main(void) {
__try {
int a = 1, b = 0;
int result = a / b;
printf("結果: %d\n", result);
}
__except(ExceptionFilter(GetExceptionCode())) {
printf("例外を捕捉しました\n");
}
return 0;
}
修正後のコード例とその解説
上記の不適切なコード例を修正するためには、組み込み関数は例外フィルター内に記述する必要があります。
以下に、修正後のコード例とその解説を示します。
// fixed_example.c
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
// 例外フィルター用の関数
LONG MyExceptionFilter(LONG exceptionCode) {
// 例外コードがアクセス違反の場合、例外処理を実行する
return (exceptionCode == EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION ?
EXCEPTION_EXECUTE_HANDLER : EXCEPTION_CONTINUE_SEARCH);
}
int main(void) {
__try {
int numerator = 10;
int denominator = 0; // ゼロ除算を意図的に発生させる
int result = numerator / denominator;
printf("計算結果: %d\n", result);
}
__except(MyExceptionFilter(GetExceptionCode())) {
// 例外発生時の処理をここに記述
printf("例外が発生しました: アクセス違反または不正な操作\n");
}
return 0;
}
例外が発生しました: アクセス違反または不正な操作
この修正例では、MyExceptionFilter
関数内で GetExceptionCode()
を呼び出し、例外の種類に応じた処理を行っています。
組み込み関数が __except
ブロック内で正しく利用されるため、コンパイラエラーが発生せず、例外処理が適切に行われるようになります。
修正時の注意点
記述位置の確認と調整のポイント
例外処理の記述位置が原因でエラーが発生することがあるため、コード内の記述位置を確認することが重要です。
以下のポイントに注意してください。
- 組み込み関数が必ず例外フィルターまたは
__try
ブロック内で使用されているかチェックする。 __except
や__finally
ブロックの外で組み込み関数が使用されていないかを確認する。- 例外発生コードと例外処理本体の間に、不要なコードが入っていないかを注意深く確認する。
コード記述時のチェック項目
- 例外処理が意図した通りのブロック構造になっているか
- 例外フィルター内で組み込み関数が適切に呼び出されているか
- 例外が発生する可能性のあるコードが正しいブロックに配置されているか
リストとして整理すると、以下のようになります:
- __try ブロック内に例外発生のリスクがあるコードを記述する。
- __except ブロック内に組み込み関数を用いた例外フィルターを正しく記述する。
- コード全体のブロック構造を見直して、意図しない関数呼び出しが無いかを確認する。
記述ミス防止における留意点
記述ミスによるエラーを防ぐため、以下の点にも注意してください。
- コーディング前に仕様書や設計書を確認し、例外処理における正しい位置を把握する。
- コンパイル時に警告やエラーメッセージが出力された際、対象のコード行を重点的に確認する。
- テストケースを用いて、各例外処理ブロックが期待どおりに動作するかを実行時にチェックする。
これらの注意点を実践することで、例外処理の記述ミスを防ぎ、安定したコードの実装が可能となります。
まとめ
この記事では、C2707エラーの原因が組み込み例外関数の不適切な利用場所にあることを解説しています。
具体例を通して、__try
ブロック内でリスクのあるコードを記述し、__except
ブロック内で例外フィルターとして適切に組み込み関数を利用する方法を学べます。
また、エラー発生箇所の把握と記述ミス防止のポイントにも触れており、正しい例外処理記述への理解を深める内容となっています。