C言語におけるコンパイラエラー C2518 の原因と対策を解説
コンパイラエラー C2518 は、クラス継承時に基底クラスリストで不要なキーワード指定をしている場合に発生します。
例えば、class C : public class B {};
のように記述するとエラーとなります。
正しくは、キーワードを省略して class C : public B {};
と記述します。
エラー発生の状況
コード記述のパターン
不要なキーワード挿入時の実例
C言語における継承の記述は、基本的にC++の機能ですが、無用なキーワードの挿入によりエラーが発生する例が確認できます。
例えば、基底クラスリストにおいて、class
キーワードを不要に使用すると、コンパイラはこのキーワードを認識できずエラーを出力します。
以下のサンプルコードは、そのようなケースを示す実例です。
#include <stdio.h>
// 基底クラスの定義
class Base {
// クラスメンバの定義
};
// エラーとなる継承記述: 'class'キーワードを不要に使用している
class Derived : public class Base {
// クラスメンバの定義
};
int main(void){
// main関数は必要ですが、コンパイル前にエラーが検出されます
return 0;
}
コンパイル時に「キーワード 'class' は基底クラス リストでは無効です。無視されます」というエラーメッセージが表示されます。
このように、不要なキーワードを挿入すると、コンパイラは正しい継承関係を認識できず、エラーが発生するケースになるため注意が必要です。
正しい継承記述との対比
正しい記述では、基底クラスリストにおいてclass
やstruct
などのキーワードは省略し、単に基底クラスの名前を記述します。
以下のサンプルコードは、正しい継承記述の例です。
#include <stdio.h>
// 基底クラスの定義
class Base {
// クラスメンバの定義
};
// 正しい継承記述: 基底クラスの名前のみを記述
class Derived : public Base {
// クラスメンバの定義
};
int main(void){
// エラーなくコンパイルが通るサンプルです
return 0;
}
(プログラムは正常にコンパイルされ、実行時には特に処理が行われません)
このように、不要なキーワードを省略することで、コンパイラが正しく継承関係を解釈し、エラーが回避されます。
コンパイラからのエラーメッセージ確認
エラー内容と警告表示の確認
エラーメッセージは、プログラムのどこに誤りがあるかを示す重要な情報です。
今回のエラーコード C2518 は、「キーワード ‘class’ は基底クラス リストでは無効です」という旨のメッセージが表示されます。
具体的には、次のようなエラーメッセージがコンパイラから出力される場合があります。
- 「コンパイラ エラー C2518: キーワード ‘class’ は基底クラス リストでは無効です。無視されます」
このメッセージは、不要なキーワードが継承リストに含まれているため、コンパイラが正しい継承関係を構築できない可能性を示しています。
エラーメッセージを確認することで、どの記述が間違っているかを素早く特定できるため、デバッグ作業が円滑に進むメリットがあります。
エラーの原因
基底クラスリストにおけるキーワード指定の仕様
class と struct の扱いの違い
C言語ではクラス自体の概念は存在しませんが、C++においてはclass
とstruct
の指定が用いられます。
基本的な点は以下の通りです。
class
はデフォルトでメンバの可視性がprivate
となります。struct
はデフォルトでメンバの可視性がpublic
となります。
しかし、基底クラスリストにおいては、キーワード自体が継承を記述するために必要ではありません。
つまり、ベースクラスの名前のみを記述すれば十分で、class
やstruct
といったキーワードを入れる必要がなく、逆に挿入すると誤解を招く結果となります。
キーワードの必要性と不要性
基底クラスリストの記述においては、C++のコンパイラは既にクラスの型情報を把握しているため、追加のキーワードは必要ありません。
例えば、次のような記述が正しく機能します。
class Base {}; // 基底クラス
class Derived : public Base {}; // 正しい継承記述
逆に、public class Base
と記述すると、冗長なキーワードが挿入されることとなり、C2518エラーを引き起こす原因となります。
つまり、キーワードは必要なく、正しくは基底クラスの名前のみを記述する方法が推奨されます。
コンパイラ解析の詳細
エラーコード C2518 の意味
エラーコード C2518 は、基底クラスリスト中に無効なキーワードが含まれている際に発生するエラーです。
コンパイラは、継承リストを解析する際に、キーワードが不要であるにも関わらず挿入された場合、誤った解釈を行い、エラーを報告します。
数式で表すと、問題の箇所は以下のように示すことができます。
正しく記述すべきは、
として、余分なキーワードがない状態になる必要があります。
このエラーは、記述ミスによるものがほとんどであり、正しい文法に従って記述を修正することで解決が可能です。
エラー修正方法
修正手順の確認
不要なキーワードの削除方法
エラー回避のためには、基底クラスリストに余分なキーワードが含まれていないか確認する必要があります。
具体的には、以下の手順で修正が進められます。
- エラーメッセージが指摘する行を特定する。
- 基底クラスリストに挿入されている
class
やstruct
などのキーワードを削除する。 - 正しい継承記述になっているか、再度コンパイルして確認する。
この手順を踏むことで、エラーコード C2518 の原因となる記述ミスを簡単に修正できます。
正しい記述例との比較
不要なキーワードを削除し、正しい継承記述に修正する前後のコードは以下のように比較できます。
<em>修正前(エラー発生例):</em>
#include <stdio.h>
class Base {};
class Derived : public class Base { // エラー: 不要な 'class' キーワードが含まれている
// クラスメンバの定義
};
int main(void){
return 0;
}
コンパイル時にエラー: キーワード 'class' は基底クラス リストでは無効です。
<em>修正後(正しい記述例):</em>
#include <stdio.h>
class Base {};
class Derived : public Base { // 正しい継承記述
// クラスメンバの定義
};
int main(void){
return 0;
}
(プログラムは正常にコンパイルされ、実行時には特に出力はありません)
この比較から、単に不要なキーワードを削除するだけで、コンパイルエラーが解消されることが分かります。
ソースコード全体への影響確認
修正前後のコード比較
不要なキーワードを削除した修正前後のコードは、以下のように違いが現れます。
修正前のコードは、基底クラスリストに冗長なキーワードが含まれているため、コンパイラが誤った解釈を行い、エラーを引き起こします。
修正後のコードは、正確な記述となっているため、エラーが解消され、プログラム全体への影響も最小限に抑えられます。
項目 | 修正前の記述 | 修正後の記述 |
---|---|---|
基底クラスリスト | public class Base (不要なキーワードあり) | public Base (正しい記述) |
この表から、不要なキーワードを削除するだけで、ソースコード全体に大きな影響を与えることなく、エラー解消が可能であることが理解できます。
実際の検証事例
サンプルコードの紹介
エラー発生パターンの具体例
実際の検証事例として、不要なキーワードが含まれる場合のサンプルコードと、そこから発生するエラーを以下に示します。
このコードは、コンパイル時にエラーが発生する具体例として利用できます。
#include <stdio.h>
// エラー発生例: 不要な 'class' キーワードを使用した継承
class Base {
// ベースクラスのメンバ
};
class Derived : public class Base { // ここでエラーが発生します
// 派生クラスのメンバ
};
int main(void){
// コンパイルがエラーにより中断されます
return 0;
}
コンパイル時に「キーワード 'class' は基底クラス リストでは無効です。無視されます」というエラーメッセージが表示されます。
修正後のコード例とコンパイル結果確認
次に、不要なキーワードを削除して修正したコード例を示します。
このコードはコンパイルエラーがなく、正常にビルドが完了することを確認できます。
#include <stdio.h>
// 正しい継承記述例
class Base {
// ベースクラスのメンバ
};
class Derived : public Base { // 不要なキーワードを削除
// 派生クラスのメンバ
};
int main(void){
// エラーなくプログラムが実行されます
printf("プログラムは正常に動作しました\n");
return 0;
}
プログラムは正常に動作しました
このように、不要なキーワードを削除するだけで、エラーが解消されプログラムが正常に動作することが確認できるため、修正方法が有効であると分かります。
まとめ
この記事では、不要なキーワード挿入が原因で発生するコンパイラエラー C2518 の具体例と、その原因として基底クラスリストにおける記述ミスがあることがわかります。
正しい継承記述方法や修正手順、修正前後のコード比較を通じて、エラー解消の方法を具体的なサンプルコードで解説しています。
エラーメッセージの内容把握と正確な文法ルールの適用が、プログラムの正しい動作に繋がることが理解できます。