C言語のコンパイルエラー C2495について解説

C2495エラーは、nothrow属性が関数の宣言または定義以外の場所に記述された場合に発生します。

C言語のソースコードで、例えば型や変数の定義にnothrow属性が誤って適用されると、コンパイラがこのエラーを通知します。

正しい場所に属性を適用するよう修正することでエラーを解消できます。

エラー C2495 の発生原因

C2495 エラーは、nothrow 属性が関数宣言または関数定義以外の場所に適用された場合に発生します。

Microsoft のコンパイラは、nothrow 属性が関数に対してのみ使用されることを前提としているため、他の構造体や変数定義にこの属性を付与するとエラーが出力されます。

エラー内容は「’identifier’ : ‘nothrow’ は、関数宣言または関数定義にのみ適用できます」と表示され、正しい使い方への修正が求められます。

nothrow属性の役割と適用位置

nothrow 属性は、関数が例外を送出しないことを示すために使用されます。

これにより、コンパイラは例外安全性の最適化を行ったり、特定の関数呼び出し時に例外が発生しない保証をすることでプログラムの安定性向上の一助となります。

属性は関数宣言や関数定義に対してのみ適用されるため、関数以外の宣言(例えば、クラスや変数など)に付与するとエラーとなります。

また、nothrow 属性は以下のような状況で有効に作用します。

• コンパイル時に関数の例外仕様がチェックされるため、例外を送出しないと判断された場合に最適化が行われる。
• 呼び出し元でのエラーハンドリングが不要になる可能性があり、コードがシンプルになる。

誤った属性の適用例

以下の例は、nothrow 属性が誤って適用された場合の状況を示します。

// sample_error.c
#include <stdio.h>
// 間違った使い方: クラス(ここでは struct)定義に対して属性を指定している
__declspec(nothrow) struct Data {
    int value;
} dataInstance;
__declspec(nothrow) void sampleFunction(void);  // 正しい使い方(関数宣言)

上記コードでは、struct Data に対して nothrow 属性が誤った位置に使用されているため、コンパイラはエラー C2495 を出力します。

誤ったコード例の解説

関数宣言・定義以外での属性記述

nothrow 属性は関数の宣言や定義にのみ付与することが可能です。

関数以外の宣言にこの属性を使用すると、コンパイラは属性を無効な場所に適用しようとしてエラーになります。

たとえば、構造体定義、変数定義、またはクラス定義に対してこの属性を付けると、属性の適用範囲を逸脱してしまうためエラーとなります。

正しい使い方としては、関数プロトタイプや関数本体にのみ指定する必要があります。

コンパイラからのエラー出力

コンパイラは以下のようなエラー出力を行います。

'identifier' : 'nothrow' は、関数宣言または関数定義にのみ適用できます。

このエラーメッセージは、属性が誤った場所、つまり関数以外の場所に付与された場合に表示されます。

エラーメッセージを確認することで、どの部分に誤りがあるのかを特定しやすくなります。

エラー修正の具体的手法

エラー C2495 を解消するためには、nothrow 属性を正しい場所に適用する必要があります。

以下の手法に沿って修正を進めると良いでしょう。

正しいnothrow属性の適用方法

正しく適用するには、関数宣言や関数定義時にのみ __declspec(nothrow) を指定します。

属性を適用する位置は、関数の戻り値宣言の前に置くのが一般的です。

修正前後のコード比較

以下に、修正前の誤ったコードと修正後の正しいコードを示します。

修正前のコード(エラーが発生するコード):

// error_example.c
#include <stdio.h>
// 誤った使い方: struct定義に対してnothrow属性を適用している
__declspec(nothrow) struct Data {
    int value;
} dataInstance;
// 正しい関数宣言
__declspec(nothrow) void printMessage(void);
int main(void) {
    printMessage();
    return 0;
}
void printMessage(void) {
    // サンプル出力
    printf("正しい関数宣言の例です。\n");
}

修正後のコード(エラーが解消されたコード):

// corrected_example.c
#include <stdio.h>
// 誤ったnothrow属性の適用を削除し、struct定義は通常の定義とする
struct Data {
    int value;
} dataInstance;
// 関数宣言にのみnothrow属性を使用
__declspec(nothrow) void printMessage(void);
int main(void) {
    printMessage();
    return 0;
}
void printMessage(void) {
    // サンプル出力
    printf("正しい関数宣言の例です。\n");
}

正しい関数宣言の例です。

上記の修正後コードは、nothrow 属性が関数宣言部分にのみ適用されており、エラーが発生しません。

再コンパイル時の確認事項

修正を行った後は、以下の点に注意して再コンパイルする必要があります。

• 関数以外の定義から __declspec(nothrow) を完全に削除したか確認する。
• すべての関数宣言及び定義に対して、属性が正しい位置に記載されているか検査する。
• コンパイルエラーが解消されたかどうか、コンパイル後の出力メッセージを注意深く確認する。
• 修正後のサンプル実行結果が期待通りであるか、実際の動作確認を行う。

以上の手法を用いると、エラー C2495 は正しく解消され、コンパイルがスムーズに行われるようになります。

まとめ

この記事では、Microsoft Cコンパイラで発生するエラー C2495 の原因と、nothrow属性が関数宣言または定義以外に適用された場合のエラー内容について解説しています。

誤ったコード例とその修正前後の比較を通して、正しいnothrow属性の適用方法と再コンパイル時の確認ポイントを具体的に示しました。

これにより、nothrow属性の正しい使い方が理解できる内容となっています。