コンパイラエラー

C言語におけるC2480エラーの原因と対策について解説

C言語でコンパイラエラーc2480が発生するのは、__declspec(thread)属性を静的なデータ項目以外に適用しようとする場合です。

自動変数や関数パラメーター、非静的メンバーにこの属性を使用するとエラーが出るため、グローバル変数や静的変数に限定して利用する必要があります。

C2480エラーの基本情報

エラー発生の背景

C2480エラーは、__declspec(thread) 属性が適用可能な変数の種類に制限があるために発生します。

マルチスレッド環境で各スレッド固有の変数(スレッドローカル変数)を実現するため、この属性はグローバル変数や静的変数にのみ使用できるよう決められております。

自動変数、関数パラメーター、あるいは非静的データメンバーに対してこの属性を適用すると、コンパイラがエラーを返す仕組みになっています。

エラーメッセージの内容

コンパイラはエラー発生時に以下のようなメッセージを表示します。

「’identifier’ : ‘thread’ は静的なデータ項目に対してのみ有効です」

このメッセージは、指定した変数が静的なデータ項目(グローバル変数または静的変数)でない場合に出力されます。

エラーメッセージをもとに、変数のストレージ期間を見直す必要があることが示唆されています。

__declspec(thread) 属性の概要

__declspec(thread) は、各スレッドごとに独立した変数のインスタンスを保持するための属性です。

これにより、マルチスレッドのプログラムで不要なデータ競合を防ぎ、スレッド間で値が共有されることを防止できます。

使用が許される場面

グローバル変数の場合

グローバル変数に対して __declspec(thread) を使用する場合、各スレッドが独自のインスタンスを持つことが可能です。

以下はグローバル変数の利用例です。

#include <stdio.h>
#include <windows.h>
// 各スレッドごとに個別の tlsVariable が生成されます
__declspec(thread) int tlsVariable = 0;
int main(void) {
    tlsVariable = 5;
    printf("tlsVariable = %d\n", tlsVariable);
    return 0;
}
tlsVariable = 5

静的変数の場合

関数内部で宣言される静的変数にも使用できます。

静的変数として宣言することで、その変数はプログラムの実行期間中、各スレッドごとに独自の記憶領域を持ちます。

#include <stdio.h>
// 関数内部ではなく、ファイルスコープで静的変数として宣言する例です
__declspec(thread) static int staticTLS = 10;
int main(void) {
    printf("staticTLS = %d\n", staticTLS);
    return 0;
}
staticTLS = 10

使用が禁止される場面

自動変数の場合

自動変数(関数内のローカル変数)に __declspec(thread) を適用すると、変数のストレージ期間が自動であるため、スレッドごとの独自性を持たせることができません。

そのため、この属性の使用は許可されていません。

以下の例はエラーになります。

#include <stdio.h>
int main(void) {
    // 自動変数に対する __declspec(thread) の使用は許可されません
    __declspec(thread) int autoVariable = 20;  // C2480エラー
    printf("autoVariable = %d\n", autoVariable);
    return 0;
}

関数パラメーターの場合

関数パラメーターに __declspec(thread) を適用することも禁止されています。

関数パラメーターは呼び出しごとに初期化されるため、スレッドローカルな性質を持たせることは不適切です。

#include <stdio.h>
void func(__declspec(thread) int param) {  // C2480エラー
    printf("param = %d\n", param);
}
int main(void) {
    func(30);
    return 0;
}

非静的データメンバーの場合

構造体やクラスの非静的データメンバーに対しても、__declspec(thread) の使用はできません。

非静的メンバーはインスタンスごとに生成されるため、各スレッドに固有のインスタンスを自動的に持たせるものではありません。

#include <stdio.h>
typedef struct {
    __declspec(thread) int member;  // C2480エラー:非静的データメンバーに対する使用は不可
} MyStruct;
int main(void) {
    MyStruct instance;
    instance.member = 40;
    printf("instance.member = %d\n", instance.member);
    return 0;
}

エラー原因の詳細解析

発生する具体的なケース

C2480エラーは、__declspec(thread) 属性が不適切なストレージ期間を持つ変数に対して使用された場合に発生します。

つまり、スレッドローカル変数として機能させるためには、変数がグローバルまたは静的でなければならず、そうでない場合にエラーが出力されます。

エラーが発生すると、コンパイラは変数宣言の行とともにエラー内容を通知します。

間違った属性適用例

最も一般的な間違いは、関数内部で自動変数として宣言してしまうケースです。

例えば、以下のコードはローカル変数に属性を適用しているためエラーになります。

#include <stdio.h>
int main(void) {
    // ローカル変数として宣言しているため、__declspec(thread) は使用できません
    __declspec(thread) int localValue = 100;  // C2480エラー
    printf("localValue = %d\n", localValue);
    return 0;
}

コンパイラメッセージの解釈

コンパイラが表示するメッセージ「’identifier’ : ‘thread’ は静的なデータ項目に対してのみ有効です」は、変数が自動変数や関数パラメーター、あるいは非静的メンバーであるケースに対して属性を誤って適用していると伝えています。

メッセージに注目することで、どの変数に指定ミスがあるかを確認し、ストレージ期間の見直しが必要と判断できます。

エラーの対策と修正方法

正しい属性の適用方法

静的データ項目での利用例

エラーを回避するためには、変数をグローバル変数または静的変数として宣言する必要があります。

以下は、正しい例としてグローバル変数に __declspec(thread) を適用したサンプルコードです。

#include <stdio.h>
#include <windows.h>
// グローバル変数として宣言することで、各スレッドに独自のインスタンスが作成されます
__declspec(thread) int tlsVar = 50;
int main(void) {
    tlsVar = 60;
    printf("tlsVar = %d\n", tlsVar);
    return 0;
}
tlsVar = 60

誤った使用例からの改善手法

修正手順のポイント

エラーが発生した場合は、以下の手順で修正を検討してください。

  • 変数のストレージ期間を確認し、自動変数や関数パラメーター、非静的データメンバーに __declspec(thread) を適用していないか確認します。
  • スレッドローカル変数として利用する必要がある場合は、グローバル変数または静的変数として再宣言します。
  • 属性が不要な場合は、単に __declspec(thread) を削除しても構いません。

例えば、下記の誤ったコードは局所変数に属性を適用しているためエラーになります。

#include <stdio.h>
int main(void) {
    __declspec(thread) int localVal = 100;  // C2480エラー
    printf("localVal = %d\n", localVal);
    return 0;
}

これを修正する場合は、変数を静的に宣言します。

#include <stdio.h>
// 静的変数に再宣言することで、正しく動作します
static __declspec(thread) int localVal = 100;
int main(void) {
    printf("localVal = %d\n", localVal);
    return 0;
}
localVal = 100

開発環境別の注意点

環境依存の制約事項

__declspec(thread) の動作は、開発環境や使用しているOS、コンパイラによって異なる場合があります。

特に、Windows環境で使用するVisual Studioでは標準的にサポートされていますが、他のプラットフォームやコンパイラでは同等の機能が別のキーワードや方法で実現されるため、注意が必要です。

また、スレッドローカルストレージの実装にはOS側の制限(例えば、使用可能なスレッドローカル変数の数)があるため、大規模なスレッド数での使用時にはその点も考慮する必要があります。

コンパイラバージョンごとの違い

Visual Studioの各バージョンによって、__declspec(thread) の挙動やサポート状況に違いが見られる場合があります。

  • 新しいバージョンでは、属性のチェックが厳格になっており、誤った適用例に対してより詳細なエラーメッセージが表示されることがあります。
  • 一方で、古いバージョンでは、属性が正しく指定されていても、一部の特殊なケースで問題が発生する可能性もあります。

開発環境のバージョンに応じた動作を確認するために、各コンパイラのドキュメントを参照し、テストを十分に行うことが推奨されます。

まとめ

この記事では、C言語におけるC2480エラーの発生背景とエラーメッセージの意味、ならびに__declspec(thread)属性が適用可能な変数(グローバル変数や静的変数)と禁止される変数(自動変数、関数パラメーター、非静的データメンバー)について解説しております。

また、誤った使用例と正しい適用方法、環境依存の注意点も紹介しており、エラー修正の具体的な手法を理解できる内容です。

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