C言語コンパイルエラー C2270 非メンバー関数での修飾子利用の問題点と解決策
c言語のコンパイラエラーC2270は、非メンバー関数に対してconst
やvolatile
などの修飾子を付けると発生するエラーです。
例えば、void func1(void) const;
のように記述するとエラーが生成されるため、関数をメンバー関数として定義するか、修飾子を削除する必要があります。
Microsoftのドキュメントにも解説があるように、正しい宣言方法を心がけると良いです。
エラーの背景と基本
関数修飾子の役割
C言語の関数宣言において、関数修飾子は変数や関数の性質を示すために用いられます。
たとえば、const
やvolatile
は、メモリ上のデータに対する読み書きの可否や、最適化の対象かどうかの情報を提供します。
関数の場合、特にクラスのメンバー関数にはこれらの修飾子を使って、呼び出し時の状態を保証することができます。
メンバー関数と非メンバー関数の違い
C++などのオブジェクト指向言語では、メンバー関数と非メンバー関数が存在します。
ここではC言語の文脈で記述しつつ、その違いを整理します。
- メンバー関数は、クラスや構造体に属する関数です。これらには、
const
やvolatile
の修飾子をつけることで、オブジェクトの状態を一定に保つことが可能です - 非メンバー関数は、クラス外に定義される一般的な関数です。これらに対しては、メモリモデルを示す修飾子の付与は意味を持たず、エラーの原因となります
コンパイラエラー C2270 の概要
エラーメッセージの意味
コンパイラエラー C2270は、非メンバー関数に対してconst
やvolatile
などの修飾子を用いると発生します。
エラーメッセージは「function: メンバーでない関数に修飾子を含めることはできません」と表記され、関数の宣言方法に誤りがあることを示します。
発生条件と対象コード
このエラーは非メンバー関数に対して余計な修飾子が付加されるときに発生します。
たとえば、以下のようなコードはC2270エラーの対象となります。
- 非メンバー関数に
const
修飾子を付けて宣言してしまった場合 - クラス外で定義される関数に対してメモリモデルの修飾子を使用してしまった場合
エラー発生の詳細な原因
非メンバー関数への const/volatile 修飾の影響
非メンバー関数はクラスに属さないため、const
やvolatile
の意味が通用しません。
したがって、これらの修飾子を使用するとコンパイラは不適切な宣言と判断し、エラーを出力します。
関数の動作そのものには影響しませんが、正しいコード記述が求められるため、不要な修飾子は削除する必要があります。
コード例を用いた検証
エラーとなるコード例
以下のコードは、非メンバー関数にconst
修飾子を付けたため、エラーが発生します。
#include <stdio.h>
// 非メンバー関数にconstが付いているためエラーが発生します
void func1(void) const;
int main(void) {
return 0;
}
// コンパイル時に以下のようなエラーメッセージが表示されます
// error: 'const' qualifier may not be applied to a non-member function
修正済みコード例
以下のコードでは、const
修飾子を削除することでエラーを解消しています。
関数が非メンバー関数の場合、修飾子は不要ですので、このように記述してください。
#include <stdio.h>
// 非メンバー関数は修飾子を付けずに宣言します
void func1(void) {
printf("func1 called\n"); // 実行するとメッセージを出力します
}
int main(void) {
func1(); // 関数を呼び出します
return 0;
}
func1 called
エラー解消の方法
関数宣言の記述方法の見直し
エラーを解消するためには、関数が非メンバーである場合は不要な修飾子を削除する必要があります。
メンバー関数の場合のみ、適切にクラス定義内で修飾子を付与してください。
関数宣言と定義の整合性を確認すると良いでしょう。
修飾子付与の適切な利用方法
関数修飾子は、クラスのメンバー関数に対してのみ意味を持ちます。
非メンバーの関数の場合、修飾子は省略することでコンパイルエラーが防げます。
修正手順の検証ポイント
- 非メンバー関数の場合は、不要な
const
やvolatile
の修飾子を削除する - 関数がクラスのメンバーであれば、クラス定義内に正しく記述する
- コード修正後、コンパイラエラーが解消されたか確認する
コンパイラごとの注意点
他の修飾子との組み合わせに関する留意点
const
やvolatile
以外の修飾子(例えばinline
やstatic
など)と組み合わせる場合も、非メンバー関数とメンバー関数で使い方が異なるため、各修飾子の意味をしっかり把握しながら記述すると良いです。
場合によっては、誤った組み合わせがコンパイラエラーにつながることもあります。
コンパイラバージョンごとの差異の確認
コンパイラのバージョンによっては、規格や仕様が微妙に異なることがあります。
より新しいバージョンでは、厳格なチェックが実装され、誤った修飾子の組み合わせを許容しなくなる場合があります。
開発環境に合わせた調査が必要です。
まとめ
今回の記事では、非メンバー関数に不要な修飾子を付与した際に発生するコンパイラエラー C2270について解説しました。
関数修飾子の役割や、メンバー関数と非メンバー関数の違いを理解することで、エラーを防ぐための記述方法が明確になりました。
各ポイントに注意しながらコードを記述すれば、コンパイルエラーなく安全なプログラムが作成できると思います。