C言語のC2253エラーについて解説

c2253エラーは、関数に純粋指定子(= 0)を付けた際に発生します。

この純粋指定子は仮想関数に対してのみ有効なため、仮想指定子なしに使用するとコンパイルエラーとなります。

対象の関数を正しく利用するためには、先にvirtualとして宣言する必要があります。

C2253エラーの原因

純粋指定子と仮想関数の関係

純粋指定子の基本記述方法

純粋指定子は、クラスのメンバー関数が派生クラスで必ず上書きされることを想定して宣言されるもので、関数宣言の末尾に= 0と記述します。

しかし、純粋指定子は仮想関数に対してのみ使用できますので、関数宣言時に必ずvirtualキーワードを付加する必要があります。

例えば、以下のコードは正しい形式です。

#include <iostream>
// 仮想関数として宣言し、純粋指定子を指定
class Base {
public:
    virtual void function() = 0; // 正しい使用例
};
int main() {
    std::cout << "Baseは抽象クラスです。\n";
    return 0;
}

仮想関数必要性の背景

純粋指定子を使用する目的は、抽象クラスを作成し派生クラスで独自の実装を提供させる点にあります。

仮想関数として宣言することで、関数呼び出し時に正しい実装が動的に選択される仕組みが利用可能となります。

そのため、純粋指定子を使用する際は初めからvirtual指定を忘れないようにすることが重要です。

エラー発生コードの解析

非仮想関数への誤った純粋指定子の適用

エラー C2253 は、非仮想関数に対して純粋指定子= 0を付与した場合に発生します。

例えば、次のコードではfunc1()に= 0が付けられていますが、virtualキーワードが欠如しているためエラーが生じます。

#include <iostream>
class A {
public:
    void func1() = 0;  // エラー C2253: 非仮想関数に純粋指定子は指定できません
    virtual void func2() = 0;  // 正しい記述
};
int main() {
    std::cout << "エラー発生例の解析です。\n";
    return 0;
}

発生例の詳細な検証

上記の例では、コンパイラはfunc1()の宣言部分でエラー C2253を報告します。

このエラーは、関数にvirtual指定子がない状態で純粋指定子を使おうとすると発生するため、コードの意図した動作と矛盾した使用方法であることを示しています。

また、C++/CLIの文脈ではプロパティのgetやset関数で同様のエラーが生じることも確認されます。

C2253エラーの対策方法

仮想関数としての宣言手法

修正前後のコード比較

以下に修正前と修正後のコード例を示します。

修正前のコードは、virtualキーワードが抜けているため、エラーが発生します。

#include <iostream>
class A {
public:
    void functionError() = 0; // エラー発生: 非仮想関数に純粋指定子を使用
};
int main() {
    std::cout << "修正前のコード実行例\n";
    return 0;
}

修正後のコードでは、必ずvirtualキーワードを付与して宣言することでエラーが解消されます。

#include <iostream>
class A {
public:
    virtual void functionCorrect() = 0; // 正しい記述
};
int main() {
    std::cout << "修正後のコード実行例\n";
    return 0;
}

修正後のコード実行例

修正手順の具体例

修正手順は以下の通りで実施します。

1. 純粋指定子を適用している関数を確認します。
2. 該当箇所にvirtualキーワードが存在するかチェックします。
3. 存在しない場合は、関数宣言の先頭にvirtualを追加します。
4. コード全体をコンパイルし、エラーが解消されたことを確認します。

コード例による対策の実践

コンパイラメッセージの確認方法

コンパイル時に表示されるエラーメッセージには、エラー番号 C2253 と関数名が明記されます。

エラーメッセージの内容をよく読み、どの関数が非仮想関数として誤って宣言されているか確認してください。

また、複数の箇所で同様のエラーが発生する場合は、コード全体から正しい宣言方法が適用されているか再度確認する必要があります。

修正後の動作チェック方法

修正後は、以下の手順で動作チェックを実施します。

• コンパイルエラーが解消され、正常にコンパイルできることを確認します。
• 修正後のコードを実行し、期待する出力が得られることをチェックします。
• 変更箇所が他の部分に影響を及ぼしていないか、全体の動作を再度検証します。

以下は、実際に修正後のコードをコンパイル・実行して動作を確認する例です。

#include <iostream>
// 修正後の抽象クラス
class A {
public:
    virtual void displayMessage() = 0; // 正しく仮想関数として宣言
};
class Derived : public A {
public:
    // Derivedクラスで純粋仮想関数を実装
    void displayMessage() override {
        std::cout << "派生クラスの実装です。\n";
    }
};
int main() {
    Derived derivedObj;
    derivedObj.displayMessage();  // 正しい実装の呼び出し
    return 0;
}

派生クラスの実装です。

エラーメッセージの読み解き

メッセージ内容のポイント解析

エラーメッセージは、どの関数で= 0が誤って使用されているかを明確に伝えてくれます。

具体的には、'function': 純粋指定子または抽象オーバーライド指定子は仮想関数でのみ許可されますという表現により、対象関数にvirtual指定子が必要であることを指摘しています。

このポイントを確認するだけで、多くの場合はどの部分を修正すればよいかが把握できます。

エラー番号と原因の対応関係

エラー番号 C2253は、非仮想関数に対して純粋指定子が適用された場合に発生します。

原因は関数宣言時にvirtualが抜けているケースが多く、これによりコンパイラは抽象クラスの設計意図に反するエラーとして報告します。

エラーメッセージ内で該当する関数名が示されるため、それを手がかりにコード全体を見直してください。

発生する環境依存の留意点

エラーの発生は開発環境やコンパイラのオプションに依存する場合があります。

例えば、C++/CLIの環境下では、プロパティに対しても同様のエラーが報告されることが確認されています。

開発環境の設定やコンパイラのバージョン、コンパイルオプション(例: /clr)によって、エラーの発現パターンや表示内容が変わることがあるため、各環境に合わせた検証が必要です。

まとめ

この記事では、C2253エラーの発生原因として、非仮想関数に純粋指定子= 0を適用した場合にエラーが発生する点を詳しく解説しています。

純粋指定子の正しい使用方法は仮想関数として宣言することであり、修正前後のコード例を確認することで実際の対策手順が明確になります。

また、エラーメッセージの読み方と環境依存の注意点も理解できる内容となっています。