コンパイラエラー

C言語のコンパイラエラー C2227 の原因と対策について解説

C言語のC2227エラーは、->演算子の左側に指定するオペランドが構造体や共用体のポインターでない場合に発生します。

たとえば、int*型の変数に対して->memberと記述するとエラーとなり、正しい型のポインターに修正する必要があります。

この記事では実際のコード例を用いて、エラー原因とその解決方法について解説します。

C2227エラーの発生原因

ポインター型の誤った使用方法

C2227エラーは、構造体やクラスのメンバーにアクセスする際に、ポインター型の変数が正しく定義されていない場合に発生します。

たとえば、int型のポインターである変数に対して、->演算子でメンバーにアクセスしようとすると、対象の型がクラス、構造体、または共用体ではないためエラーとなります。

このエラーは、変数の宣言やセットアップ段階で、正しい型のポインターを使用していない場合によく発生します。

->演算子の利用時の注意点

->演算子は、ポインターが指す構造体や共用体のメンバーにアクセスするために用います。

以下の点に注意する必要があります。

  • アクセスするオブジェクトが構造体や共用体のポインターであることを確認する。
  • 単なる基本型(例:intdoubleなど)のポインターでは、メンバーにアクセスできない。
  • もし構造体のインスタンスにアクセスする場合は、直接ドット演算子(.)を使用する。

たとえば、以下のサンプルコードでは、int型のポインターに対して->演算子を使用するためエラーが発生します。

コード例で見るエラー発生状況

エラーを引き起こすコード例

下記のコードは、int型のポインターに対して->演算子を使用しているため、C2227エラーが発生する例です。

#include <stdio.h>
int *pInt;  // int型のポインター
struct S {
    int member;
};
struct S s;
struct S *pS = &s;
int main(void) {
    pInt->member = 0;  // エラー: pIntはint型のポインターで、メンバーを持たない
    pS->member = 0;    // 正しく構造体のポインターを使用している例
    printf("pS->member = %d\n", pS->member);
    return 0;
}
(コンパイル時に「C2227: '->member' の左側がクラス、構造体、共用体でなければなりません」といったエラーメッセージが表示されます)

正しいコード記述方法の例

正しい記述方法としては、メンバーアクセス時の変数の型が適切であることを確認します。

以下は、構造体のポインターを正しく使用した例です。

#include <stdio.h>
struct S {
    int member;
};
struct S s;
struct S *pS = &s;
int main(void) {
    // インスタンスの場合はドット演算子を使用
    s.member = 10;
    printf("s.member = %d\n", s.member);
    // ポインターの場合は -> 演算子を使用
    pS->member = 20;
    printf("pS->member = %d\n", pS->member);
    return 0;
}
s.member = 10
pS->member = 20

対策と修正方法

型の確認と修正手順

C2227エラーが発生した場合、まず変数やポインターの型が正しいかどうかを確認します。

以下の手順でチェックしてください。

  1. 該当のポインター変数がどの型を指しているか確認する。
  2. 使用している->演算子が、正しく構造体や共用体のポインターに対して使用されているか検証する。
  3. 基本型のポインターの場合は、意図した型に変更するか、すでに存在する構造体インスタンスのアドレスを与える。

たとえば、int *pInt;と宣言した変数に対してメンバーアクセスを行おうとしている場合、変数の型を正しい構造体型に修正する必要があります。

コード修正前後の比較

以下に、修正前と修正後のコード例を表にまとめます。

#include <stdio.h>

int *pInt;
struct S { int member; };
struct S s;
struct S *pS = &s;

int main(void) {
    pInt->member = 0; // エラー発生
    pS->member = 0;
    return 0;
}

この表から、問題のある変数の宣言と正しい変数の使用方法が明確にわかります。

エラー解消の確認手順

コンパイルエラーメッセージの確認

修正前のコードをコンパイルする際、エラーメッセージに「C2227」と表示される部分を確認します。

エラーメッセージは、一般に以下のような文言が含まれています。

  • '->member' の左側がクラス、構造体、共用体でなければなりません
  • 「ポインターが指す型が不適切です」

これにより、どの変数が誤った型であるかを特定することができます。

修正後の動作検証方法

修正後は、再度コードをコンパイルしてエラーが解消されたことを確認します。

加えて、プログラムを実行して出力結果が期待通りであるかどうかを検証してください。

具体的には、以下の手順で動作検証が可能です。

  1. コンパイル時にエラーが表示されなくなったことを確認する。
  2. 実行して、メンバー変数に正しい値が設定され、出力されることをチェックする。

例えば、上記の正しいコード記述方法の例であれば、プログラム実行後にメンバー変数の値が正しく表示されることにより、エラーが解消されたと判断できます。

まとめ

この記事では、C2227エラーの原因とその対策について解説しています。

ポインター型の設定ミスや->演算子の誤使用が原因となるケースを具体的なコード例とともに示し、型の確認方法やコード修正の手順、さらにエラーチェックの方法まで分かりやすく説明しました。

これにより、エラー発生時の原因究明と修正が容易になる点が理解できます。

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