C言語のコンパイラエラー C2165 の原因と対策について解説
C言語のコンパイラエラーC2165は、呼び出し規約修飾子(例えば __cdecl、__stdcall、__fastcall)を使う際、データへのポインターに対して変更を加えてしまう場合に発生します。
具体例として、修飾子を付けた宣言と付けていない宣言との違いが挙げられており、正しいポインターの宣言が重要です。
エラーの概要
発生する状況
コンパイラエラー C2165 は、関数の呼び出し規約修飾子(例えば、__cdecl
、__stdcall
、__fastcall
)がデータへのポインター宣言に付加された際に発生することがあります。
特に、データへのポインターが変更不可能な状態として定義される場合に、このエラーが起こる可能性があります。
例えば、以下のコードはエラーを引き起こす例として知られています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
// 以下の宣言では、__cdecl がデータへのポインターに対して不正な修飾を行うためエラー C2165 が生成される
char __cdecl *p; // エラーとなる宣言
return 0;
}
(コンパイルエラー C2165: 'keyword' : データへのポインターは変更できません)
エラーメッセージの意味
エラーメッセージ「データへのポインターは変更できません」は、特定の呼び出し規約修飾子がデータポインターに対して適用された場合、そのポインターが変更不可能(定数)として扱われるために生じる問題を示しています。
つまり、ポインターに対して誤った修飾が施され、意図しない挙動や型の不整合が発生していることを意味します。
エラーの原因
呼び出し規約修飾子の基本知識
C言語において、呼び出し規約修飾子は関数呼び出し時のパラメーターのスタックへの配置順序や、スタックのクリーンアップ方法を指定するために使用されます。
基本的な呼び出し規約修飾子には以下のものがあります。
__cdecl の役割
__cdecl
は、標準のC言語の呼び出し規約です。
パラメーターは右から左にスタックへ積まれ、呼び出し元がスタックのクリーンアップを行います。
この修飾子は、可変長引数の関数などで広く使用されますが、データへのポインター宣言に対して使用すると、意図しない型の変更が発生する可能性があります。
__stdcall の特徴
__stdcall
は、Windows APIなどでよく使用される呼び出し規約です。
パラメーターは右から左に渡され、スタックのクリーンアップは呼び出し先で行われます。
この修飾子がポインター宣言に付加される場合、仕様上の整合性に問題が生じる可能性がある点に注意が必要です。
__fastcall の概要
__fastcall
は、パラメーターの一部をレジスタを用いて高速な呼び出しを実現するための規約です。
第一引数や第二引数など、特定のパラメーターがレジスタ渡しとなるため、関数呼び出しのオーバーヘッド削減が見込まれます。
しかし、データへのポインター宣言にこの修飾子が誤って付与されると、同様に型の不整合が発生し、エラー C2165 の原因となります。
ポインター宣言時の問題点
ポインター宣言に呼び出し規約修飾子を不適切に使用すると、ポインターが変更不可能な状態に定義される場合があります。
この場合、コンパイラはデータへのポインターに対して本来許容すべき変更操作を拒否し、エラー C2165 を出力します。
つまり、修飾子がデータ型に不適切な影響を与えることで、意図しない読み取り専用の定義が行われる可能性があるのです。
不正なポインター変更の具体例
以下の例では、__cdecl
修飾子が誤ってポインター宣言に付加された場合の問題が示されています。
#include <stdio.h>
int main(void) {
// __cdecl を使用すると、このポインターは変更不可能と解釈され、エラーが発生する
char __cdecl *p = "Sample String"; // エラー発生箇所
printf("%s\n", p);
return 0;
}
(コンパイルエラー C2165: 'keyword' : データへのポインターは変更できません)
正しい宣言方法の比較
正しいポインター宣言においては、呼び出し規約修飾子は関数の宣言部分に適用し、データへのポインター自体には付加しないようにする必要があります。
以下の例は、呼び出し規約修飾子を関数宣言に適用した正しい方法です。
#include <stdio.h>
// 正しい関数宣言:呼び出し規約は関数に適用し、ポインター宣言には付加しない
void __cdecl printMessage(const char *msg) {
printf("%s\n", msg);
}
int main(void) {
printMessage("Hello, World!");
return 0;
}
Hello, World!
対策と解決方法
コードの修正方法
エラー C2165 が発生した場合、呼び出し規約修飾子が不正にデータへのポインターに付加されている可能性があります。
まずは、修飾子がどのように適用されているかを確認し、関数宣言部分にのみ適用されるようにコードを修正する必要があります。
修正例による具体的解説
以下に、エラーが発生するコードと修正後の正しいコードの例を示します。
・エラーが発生する例
#include <stdio.h>
int main(void) {
// エラー C2165 を引き起こす不正な呼び出し規約の使用例
char __cdecl *p = "Error Example"; // 呼び出し規約がポインターにつくとエラーとなる
printf("%s\n", p);
return 0;
}
・正しい宣言例
#include <stdio.h>
// 呼び出し規約は関数宣言にのみ適用する
void __cdecl displayMessage(const char *msg) {
printf("%s\n", msg);
}
int main(void) {
// ポインター宣言では呼び出し規約修飾子を使用しない
const char *p = "Correct Example";
displayMessage(p);
return 0;
}
Correct Example
コンパイラオプションの確認
コンパイラオプションが原因となってエラーが発生している場合もあります。
特に、特定の警告やエラーを有効にするオプションによって、通常は問題とならないコードがエラーとして表面化する可能性があります。
オプション設定のチェック方法
以下の手順でコンパイラオプションを確認してください。
- 使用しているビルドシステムまたはコマンドラインのオプションリストを確認する。
- 特に呼び出し規約に関連するフラグ(例:
/c
など)の設定をチェックする。 - 呼び出し規約が関数宣言とデータ型宣言で正しく分離されているか確認する。
- IDE やビルドツールの設定画面で、追加のコンパイラオプションが自動的に適用されていないかを確認する。
デバッグのポイント
エラーメッセージ解析の手順
エラー発生時には、まず出力されるエラーメッセージの文言を正確に確認することが大切です。
以下の手順で解析を進めるとよいでしょう。
- 出力されるエラーメッセージの内容(例えば、
データへのポインターは変更できません
)を確認する。 - エラーが発生している箇所のソースコードを特定し、呼び出し規約修飾子の位置をチェックする。
- コンパイラのドキュメントや公式情報(例えば、Microsoft Learn のドキュメント)と照らし合わせて、宣言方法や設定を再確認する。
コードチェック時の確認事項
コードをチェックする際には、以下の点に注意してください。
- 呼び出し規約修飾子が本来の意図通りに関数宣言にのみ使用されているか。
- データへのポインター宣言で、必要以上の修飾子が付加されていないかを確認する。
- 変更が必要な箇所があれば、関数定義とポインター宣言の間で一貫性が保たれているかを確認する。
- コンパイラの警告やエラー詳細を参考にして、問題の根本原因に対処することが重要です。
まとめ
本記事では、コンパイラエラー C2165 の発生状況や意味、呼び出し規約修飾子(__cdecl、__stdcall、__fastcall)の基本知識とポインター宣言での誤った使用例について解説しています。
さらに、エラーを回避するための正しいコード宣言方法や、コンパイラオプションの確認方法、エラーメッセージ解析・コードチェックのデバッグ手順を具体例を交えて説明しています。