コンパイラエラー

C言語コンパイラエラー C2028 の原因と修正方法について解説

C言語で発生するコンパイラ エラー C2028は、構造体や共用体のメンバーが正しい範囲内に宣言されていない場合に生じます。

メンバーは必ずその構造体または共用体の内部で定義される必要があり、位置がずれているとエラーとなります。

宣言箇所を確認し、適切に修正することで容易に解決できるため、コードの見直しが推奨されます。

構造体と共用体の基本定義

C言語では、構造体や共用体のメンバーは必ずそれぞれの内側で宣言する必要があります。

ここでは、構造体と共用体の定義方法およびメンバー宣言の正しい方法について解説します。

構造体の定義とメンバー宣言

構造体は複数のデータ型をひとまとめにできるデータ構造です。

メンバーは構造体定義の中に記述する必要があります。

以下に、構造体の正しい定義例を示します。

構造体内での正しいメンバー宣言方法

下記のサンプルコードは、構造体内にidnameというメンバーを正しく宣言している例です。

メンバーを構造体外で宣言するとエラーが発生するため、必ず構造体の中に記述することが重要です。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
// SampleStructは数値型と文字列型のメンバーを持つ構造体です
typedef struct {
    int id;           // メンバー: ID
    char name[50];    // メンバー: 名前
} SampleStruct;
int main(void) {
    // 構造体の初期化
    SampleStruct sample = {1, "サンプル"};
    // メンバーの参照
    printf("ID: %d, Name: %s\n", sample.id, sample.name);
    return 0;
}
ID: 1, Name: サンプル

共用体の定義とメンバー宣言

共用体は構造体と似た概念ですが、すべてのメンバーが同じメモリ領域を共有するため、どれかひとつのメンバーのみ有効な値として使用されます。

共用体内でのメンバー宣言も構造体と同様に定義の中に記述する必要があります。

共用体内での正しいメンバー宣言方法

以下は、共用体SampleUnionを定義する際の正しい記述方法です。

複数のデータ型がひとつのメモリ領域を使うため、用途に応じたメンバーを利用してください。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
// SampleUnionは整数、浮動小数点数、文字列の各メンバーを持つ共用体です
typedef union {
    int intVal;         // 整数型のメンバー
    float floatVal;     // 浮動小数点型のメンバー
    char strVal[20];    // 文字列型のメンバー
} SampleUnion;
int main(void) {
    SampleUnion sample;
    // 整数型のメンバーに値を代入
    sample.intVal = 10;
    printf("Integer Value: %d\n", sample.intVal);
    return 0;
}
Integer Value: 10

エラー C2028 の原因解析

C言語において、コンパイラエラー C2028 はメンバーが正しく構造体または共用体内に宣言されていない場合に発生します。

以下では、その具体的な原因とエラーメッセージの例について説明します。

メンバー宣言の位置エラー

エラー C2028 は、構造体や共用体の外でメンバー宣言を行った場合に発生します。

メンバーは必ず構造体または共用体の内部に組み込む必要があるため、外部での宣言はコンパイラによって拒否されます。

構造体外での宣言によるエラー発生例

次の例は、構造体外でメンバーを宣言しようとする誤った方法です。

この方法はエラー C2028 を引き起こすため、絶対に避けなければなりません。

#include <stdio.h>
// ErrorStructは正しく定義されています
typedef struct {
    int value;   // 正しいメンバー宣言
} ErrorStruct;
// 以下の宣言は誤りです
// int ErrorStruct.member = 0;  // コンパイラエラー C2028 が発生する例
int main(void) {
    ErrorStruct es = {5};
    printf("%d\n", es.value);
    return 0;
}

Microsoft Learnに基づく原因の詳細解析

Microsoft Learnの資料によると、エラー C2028 は「構造体または共用体のメンバーは、必ず定義の中で宣言する必要がある」というルールに違反している際に発生します。

具体的には、以下の点に注意する必要があります。

  • メンバーは構造体や共用体の内部に配置する
  • 宣言場所が外部の場合、コンパイラは正しい構文と解釈できず、エラーを出力する

このため、正しい構造体や共用体の定義方法を遵守することが求められます。

コンパイラのエラー表示の確認

コンパイル時に表示されるエラーメッセージは、原因を特定するための重要な手がかりとなります。

以下では、エラーメッセージの具体的な例と確認方法について説明します。

エラーメッセージの具体例

エラー C2028 の際には、通常以下のようなエラーメッセージが表示されます。

error C2028: 'member' : メンバーは構造体または共用体の内側で宣言されていません

次のサンプルコードは、誤ったメンバー宣言によってエラーが発生する例を示しています。

#include <stdio.h>
struct MyStruct {
    int a;
};
int main(void) {
    // 以下の記述はエラー発生の例としてコメントアウトされています
    // int MyStruct.b = 10;  // コンパイラエラー C2028
    return 0;
}

このエラーメッセージにより、メンバー宣言の位置が正しくないことが明確に示されるため、修正箇所を容易に特定できます。

修正方法の適用例

エラー C2028 を解決するためには、メンバーの宣言位置を正しく構造体や共用体の内部に移動する必要があります。

以下に、具体的な修正方法の例を示します。

正しい宣言位置への修正方法

エラーが発生する原因は、メンバーが構造体や共用体の外部で宣言されていることにあります。

これを解決するためには、メンバー宣言を定義内に移動します。

以下に、修正前後のコード例を示します。

修正前後のコード例による比較説明

誤ったコード例(修正前)

#include <stdio.h>
struct MyStruct {
    int a;
};
int main(void) {
    // 誤った宣言方法: メンバー宣言を構造体外で行っているためエラーになる
    // int MyStruct.b = 10;
    return 0;
}

正しいコード例(修正後)

#include <stdio.h>
// 構造体内にメンバーbを正しく宣言
struct MyStruct {
    int a;
    int b;  // 正しいメンバー宣言
};
int main(void) {
    // 構造体の初期化
    struct MyStruct obj = {5, 10};
    printf("a: %d, b: %d\n", obj.a, obj.b);
    return 0;
}
a: 5, b: 10

上記の例から、メンバーを構造体内に移動するだけでエラーが解消することが確認できます。

開発環境でのエラー確認手順

修正後は、ビルド環境でエラーが解消されるかどうかを確認することが大切です。

以下の手順で確認を行ってください。

コードビルド時のチェックポイントと注意点

  • コードを保存した後にコンパイルを実施する
  • エラーメッセージの表示箇所と行番号を確認する
  • 修正内容が正しく反映され、エラーメッセージが出力されなくなっているかを確認する
  • 再コンパイル後、実行時にも正しい出力結果が得られることを確認する

これらの手順に従うことで、エラー C2028 の原因を特定し、確実な修正が行えるようになります。

まとめ

この記事を読んで、構造体および共用体内にメンバーを正しく宣言する方法、エラー C2028 が発生する理由、そしてその具体的なエラーメッセージと発生例を理解できます。

さらに、誤ったコード例と正しいコード例を比較することで、修正方法および開発環境でのエラー確認手順が実践的に学べる内容となっています。

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