[C言語] getchar関数とscanf関数の違いをわかりやすく詳しく解説

Q: getchar関数とscanf関数はどちらを使うべき？

getchar関数とscanf関数のどちらを使用するかは、具体的な用途によります。 getcharは、単一の文字を読み取る場合や、入力を1文字ずつ処理したい場合に適しています。 一方、scanfは、複数のデータ型を一度に読み取る必要がある場合や、フォーマット指定子を活用して柔軟な入力処理を行いたい場合に便利です。 入力の性質やプログラムの要件に応じて、適切な関数を選択することが重要です。

Q: scanf関数での入力エラーをどう処理する？

scanf関数で入力エラーを処理するには、関数の返り値を確認することが基本です。 scanfは、成功した入力項目の数を返すため、期待される数と一致しない場合はエラーとして処理できます。 例えば、整数を期待している場合にscanf("%d", &num)の返り値が1でない場合、入力エラーが発生したと判断できます。 エラーが発生した場合は、エラーメッセージを表示し、必要に応じて入力バッファをクリアすることで、次の入力が正しく処理されるようにします。

Q: getchar関数でEOFをどう扱う？

getchar関数でEOFを扱う際には、EOFが返されたときの処理を適切に行うことが重要です。 EOFは通常、-1として定義されており、getcharの返り値をint型で受け取ることでEOFを検出できます。 EOFが返された場合は、入力の終了やエラーとして処理し、プログラムの終了や次の処理に移行することが一般的です。 EOFの検出は、ファイルの終端やユーザーが入力を終了したことを示すために使用されます。

C言語におけるgetchar関数とscanf関数は、どちらも入力を受け取るために使用されますが、その動作には明確な違いがあります。

getchar関数は、標準入力から1文字を読み取るために使用され、バッファリングされた入力ストリームから次の文字を返します。

一方、scanf関数は、フォーマット指定子を使用して、入力を特定のデータ型に変換し、複数の値を読み取ることができます。

これにより、scanfはより柔軟ですが、入力の形式に厳密であるため、入力エラーが発生しやすいという特徴があります。

この記事でわかること

getchar関数とscanf関数の基本的な使い方
両関数の入力処理における違いと適用シーン
getchar関数を用いた文字列入力やフィルタリングの方法
scanf関数のフォーマット指定子の活用と入力バリデーション

目次から探す

getchar関数とscanf関数の基本

getchar関数とは

基本的な使い方

getchar関数は、標準入力から1文字を読み取るための関数です。

主にキーボードからの入力を処理する際に使用されます。

以下に基本的な使い方を示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    char c;
    printf("1文字を入力してください: ");
    c = getchar(); // 1文字を読み取る
    printf("入力された文字は: %c\n", c);
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが1文字を入力すると、その文字を表示します。

返り値とエラー処理

getchar関数は、読み取った文字をint型で返します。

これは、EOF(End Of File)を検出するために必要です。

EOFは通常、-1として定義されています。

エラー処理の例を以下に示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    int c;
    printf("1文字を入力してください (Ctrl+Dで終了): ");
    c = getchar();
    if (c == EOF) {
        printf("EOFまたはエラーが発生しました。\n");
    } else {
        printf("入力された文字は: %c\n", c);
    }
    return 0;
}

このプログラムでは、EOFが入力された場合にメッセージを表示します。

EOFは通常、Unix系システムではCtrl+D、WindowsではCtrl+Zで入力できます。

scanf関数とは

基本的な使い方

scanf関数は、標準入力からフォーマットに従ってデータを読み取るための関数です。

複数のデータ型を一度に読み取ることができ、非常に柔軟です。

以下に基本的な使い方を示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    int num;
    printf("整数を入力してください: ");
    scanf("%d", &num); // 整数を読み取る
    printf("入力された整数は: %d\n", num);
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが整数を入力すると、その整数を表示します。

フォーマット指定子と入力形式

scanf関数では、フォーマット指定子を使用して入力の形式を指定します。

以下に一般的なフォーマット指定子を示します。

スクロールできます

フォーマット指定子	説明
`%d`	整数
`%f`	浮動小数点数
`%c`	文字
`%s`	文字列

例えば、整数と文字列を同時に読み取る場合は、次のようにします。

#include <stdio.h>
int main() {
    int num;
    char str[100];
    printf("整数と文字列を入力してください: ");
    scanf("%d %s", &num, str); // 整数と文字列を読み取る
    printf("入力された整数は: %d, 文字列は: %s\n", num, str);
    return 0;
}

このプログラムでは、ユーザーが整数と文字列を入力すると、それぞれの値を表示します。

scanf関数は、入力の形式に応じて適切なフォーマット指定子を使用することで、様々なデータ型を処理できます。

getchar関数とscanf関数の違い

入力の扱い方の違い

バッファの扱い

getchar関数とscanf関数は、入力バッファの扱い方に違いがあります。

getchar関数:
getcharは、標準入力から1文字ずつ読み取ります。

入力バッファにデータがある場合、その中から1文字を取得し、バッファから削除します。

バッファに複数の文字がある場合、getcharを繰り返し呼び出すことで、1文字ずつ順番に読み取ることができます。
scanf関数:
scanfは、指定されたフォーマットに従って入力を読み取ります。

入力バッファから必要なデータを取得し、残りのデータはバッファに残ります。

フォーマット指定子に応じて、複数のデータを一度に読み取ることが可能です。

複数文字の入力

getchar関数:
getcharは1文字ずつしか読み取れないため、複数文字を扱う場合はループを使用して1文字ずつ処理します。

#include <stdio.h>
  int main() {
      char c;
      printf("文字列を入力してください (Enterで終了): ");
      while ((c = getchar()) != '\n') { // 改行が入力されるまで繰り返す
          printf("%c", c);
      }
      printf("\n");
      return 0;
  }

scanf関数:
scanfは、フォーマット指定子を使用して一度に複数の文字列を読み取ることができます。

#include <stdio.h>
  int main() {
      char str[100];
      printf("文字列を入力してください: ");
      scanf("%s", str); // 文字列を読み取る
      printf("入力された文字列は: %s\n", str);
      return 0;
  }

エラー処理の違い

エラー検出の方法

getchar関数:
getcharは、EOF(End Of File)を返すことでエラーや入力の終了を検出します。

EOFは通常-1として定義されています。

scanf関数:
scanfは、成功した入力項目の数を返します。

入力が期待通りでない場合、返り値が0または負の値になることがあります。

エラー時の挙動

getchar関数:
EOFが返された場合、通常は入力の終了やエラーとして処理します。
scanf関数:
入力が期待通りでない場合、scanfは入力を停止し、バッファに残ったデータを次の入力に使用します。

エラー処理を行うには、返り値を確認する必要があります。

使用シーンの違い

単一文字入力

getchar関数:
単一の文字を読み取る場合に適しています。

シンプルな入力処理が必要なときに使用します。

#include <stdio.h>
  int main() {
      char c;
      printf("1文字を入力してください: ");
      c = getchar();
      printf("入力された文字は: %c\n", c);
      return 0;
  }

複数データの入力

scanf関数:
複数のデータ型を一度に読み取る場合に適しています。

フォーマット指定子を使用して、様々なデータ型を処理できます。

#include <stdio.h>
  int main() {
      int num;
      float f;
      printf("整数と浮動小数点数を入力してください: ");
      scanf("%d %f", &num, &f); // 整数と浮動小数点数を読み取る
      printf("入力された整数は: %d, 浮動小数点数は: %.2f\n", num, f);
      return 0;
  }

このように、getcharとscanfはそれぞれ異なる用途に適しており、使用する場面に応じて選択することが重要です。

getchar関数の応用例

文字列の入力

getchar関数を使用して文字列を入力する場合、1文字ずつ読み取って配列に格納する方法があります。

これにより、改行が入力されるまでの文字列を取得できます。

#include <stdio.h>
int main() {
    char str[100];
    int i = 0;
    char c;
    printf("文字列を入力してください (Enterで終了): ");
    while ((c = getchar()) != '\n' && i < 99) { // 改行が入力されるまで繰り返す
        str[i++] = c;
    }
    str[i] = '\0'; // 文字列の終端を設定
    printf("入力された文字列は: %s\n", str);
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが入力した文字列を1文字ずつ配列に格納し、改行が入力されると入力を終了します。

文字のフィルタリング

getchar関数を使って、特定の文字をフィルタリングすることができます。

例えば、入力された文字列から数字を除去する場合、以下のように実装できます。

#include <stdio.h>
#include <ctype.h> // isdigit関数を使用するために必要
int main() {
    char c;
    printf("文字列を入力してください (Enterで終了): ");
    while ((c = getchar()) != '\n') {
        if (!isdigit(c)) { // 数字でない場合にのみ出力
            putchar(c);
        }
    }
    printf("\n");
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが入力した文字列から数字を除去し、残りの文字を表示します。

入力バッファのクリア

getchar関数を使用して、入力バッファをクリアすることができます。

これは、scanf関数などで入力エラーが発生した後に、バッファに残った不要なデータを削除するために役立ちます。

#include <stdio.h>
void clearInputBuffer() {
    int c;
    while ((c = getchar()) != '\n' && c != EOF); // 改行またはEOFまで読み飛ばす
}
int main() {
    int num;
    printf("整数を入力してください: ");
    if (scanf("%d", &num) != 1) {
        printf("入力エラーが発生しました。バッファをクリアします。\n");
        clearInputBuffer(); // 入力バッファをクリア
    } else {
        printf("入力された整数は: %d\n", num);
    }
    return 0;
}

このプログラムは、scanfで入力エラーが発生した場合に、clearInputBuffer関数を呼び出して入力バッファをクリアします。

これにより、次の入力が正しく処理されるようになります。

scanf関数の応用例

複数データの入力

scanf関数は、複数のデータを一度に読み取ることができるため、効率的に入力を処理することが可能です。

以下の例では、整数と浮動小数点数を同時に入力します。

#include <stdio.h>
int main() {
    int num;
    float f;
    printf("整数と浮動小数点数を入力してください (例: 10 3.14): ");
    scanf("%d %f", &num, &f); // 整数と浮動小数点数を読み取る
    printf("入力された整数は: %d, 浮動小数点数は: %.2f\n", num, f);
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが整数と浮動小数点数をスペースで区切って入力すると、それぞれの値を表示します。

フォーマット指定子の活用

scanf関数では、フォーマット指定子を活用することで、様々なデータ型を柔軟に読み取ることができます。

以下の例では、文字列と整数を読み取ります。

#include <stdio.h>
int main() {
    char name[50];
    int age;
    printf("名前と年齢を入力してください (例: Taro 20): ");
    scanf("%s %d", name, &age); // 文字列と整数を読み取る
    printf("名前: %s, 年齢: %d\n", name, age);
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが名前と年齢を入力すると、それぞれの値を表示します。

フォーマット指定子%sは文字列、%dは整数を読み取るために使用されます。

入力のバリデーション

scanf関数を使用する際には、入力のバリデーションを行うことが重要です。

入力が期待される形式でない場合、エラーを検出し、適切に処理する必要があります。

#include <stdio.h>
int main() {
    int num;
    printf("整数を入力してください: ");
    if (scanf("%d", &num) != 1) { // 入力が整数でない場合
        printf("入力エラー: 整数を入力してください。\n");
        // 入力バッファをクリアする処理を追加することも可能
    } else {
        printf("入力された整数は: %d\n", num);
    }
    return 0;
}

このプログラムは、ユーザーが整数以外の入力をした場合にエラーメッセージを表示します。

scanfの返り値を確認することで、入力が期待通りであるかを検証できます。

入力バッファをクリアする処理を追加することで、次の入力が正しく処理されるようにすることも可能です。