リンカー

C言語におけるLNK1179エラーの原因と対策について解説

C言語で発生するLNK1179エラーは、リンカが複数のオブジェクトモジュール内に同名のCOMDATシンボルを検出したときに表示されます。

特に、/Gyオプションと/Hオプションを組み合わせると、関数名の先頭部分が同じ場合にエラーが起こることがあります。

関数名の見直しやコンパイルオプションの確認により、問題の解消を試みるとよいでしょう。

LNK1179エラーの原因

リンカが「COMDAT ‘filename’ を複製します」というエラーを報告する場合、複数のオブジェクトファイル内で同一のCOMDATシンボルが検出されることが原因です。

特に、コンパイル時に使用されるオプションがこの現象に大きく関与しています。

リンカオプションの影響

リンカオプションは最終的なバイナリ生成に大きな影響を与え、特定のオプション同士が組み合わさると、意図しないシンボル名の重複が発生することがあります。

/Hオプションの動作と特徴

/Hオプションは、外部シンボルの名前の長さを制限する機能を持ちます。

たとえば、/H8と指定すると、各シンボル名は最初の8文字までしか使用されません。

この制限により、本来は区別できる長い関数名も、最初の数文字が同じ場合は同一視される可能性があります。

/GyオプションによるCOMDATパッケージ化

/ Gyオプションは、関数単位でコードを分割するコンパイルを行い、不要な関数を最終バイナリにリンクしないようにするための設定です。

これにより、個々の関数がCOMDATセクションにパッケージ化され、同じ内容の関数が重複して存在するとリンク時にエラーが発生する場合があります。

両オプションの組み合わせが引き起こす競合

/ Hオプションによるシンボル名の短縮と、/ GyオプションによるCOMDATセクションの生成が同時に使用されると、異なる関数でも名前の先頭部分が一致してしまい、結果として同一のCOMDATシンボルが複数定義されたとみなされることがあります。

これが、LNK1179エラーの主な原因となります。

関数名の衝突によるエラー発生

別の原因として、関数名そのものが似通っている場合にもエラーが発生する可能性があります。

COMDATシンボルの基本

COMDATシンボルは、重複して定義された関数や変数を一つにまとめるための仕組みです。

ただし、名前が重複すると、本来別々に存在すべき関数が同一のシンボルとして扱われ、リンク時のコンフリクト(競合)を招きます。

名前の先頭文字重複によるエラーの発生条件

特に、/Hオプションでシンボル名が短縮されると、元々異なる名前の関数でも、先頭部分が同じ場合は区別ができなくなります。

たとえば、「function1」と「function2」のように、最初の8文字が同じ場合、名前が衝突し、LNK1179エラーが発生する可能性が高まります。

LNK1179エラーの対策

エラーを解消するためには、システム上の設定変更やコードの見直しが必要となります。

関数名の命名規則の見直し

命名規則を改善することで、シンボル名の衝突を未然に防ぐことができます。

関数名がわかりやすく、かつ他の関数と十分に区別できるような戦略が求められます。

重複を避ける命名戦略

関数名の最初の数文字で衝突しないよう、名前にプレフィックスやサフィックスを加える方法があります。

たとえば、以下のように命名することで、シンボル名の衝突を防止できます。

#include <stdio.h>
// 重複を避けるために明確な命名を採用した例
void functionOne(void);
void functionTwo(void);
int main(void) {
    functionOne();
    functionTwo();
    return 0;
}
void functionOne(void) {
    // functionOneの実行
    printf("functionOne実行\n");
}
void functionTwo(void) {
    // functionTwoの実行
    printf("functionTwo実行\n");
}
functionOne実行
functionTwo実行

コンパイルオプションの調整

リンカオプションの設定を見直すことも、エラー解消の一つの有効な対策です。

/Hオプションの設定変更方法

/ Hオプションで設定されるシンボル名の文字数制限を現在のプロジェクトに合わせて調整することができます。

プロジェクトの要求によっては、必要なシンボル名の長さを確保できるように、/Hオプションのパラメータを変更することでエラーの発生を回避できます。

Visual Studioなどの開発環境の場合、プロジェクトプロパティからリンカオプションを修正する方法が一般的です。

/Gyオプション使用時の注意点

/ Gyオプションは最適化上有用ですが、COMDATパッケージ化による名前衝突を引き起こす場合があります。

使用中にエラーが発生する場合は、以下の点に留意してください。

  • 他の関数と名前が似通っていないか確認する。
  • 必要に応じて、/Gyオプションをオフにするか、対象コードだけ除外する方法も検討する。
  • オプションの影響を最小限にするため、一部の関数だけ明示的に名前変更や属性指定を行う。

コード修正と検証方法

エラー解決のための具体的なコード修正と、その後の検証方法について確認しておきましょう。

修正前の確認手順

  1. コンパイル時のオプション確認

プロジェクトで使用されているコンパイルオプション(/Hや/ Gy)の設定を確認する。

  1. 関数名チェック

関数名が制限文字数内で重複していないか、特に先頭部分を重点的に調査する。

  1. リンカーメッセージの確認

エラーメッセージに記載されるCOMDAT名や対象ファイルを元に、重複している関数を特定する。

修正後の検証手順

  1. コード修正の反映

命名規則の見直しや必要に応じたリンカオプションの変更を適用する。

  1. 再コンパイル

修正後のコードをビルドし、リンクエラーが解消されたことを確認する。

  1. 動作確認

サンプルコードの実行結果が正しいことを確認する。

以下は、修正後の検証例のサンプルコードです。

#include <stdio.h>
// 修正後のコード例:関数名を明確に区別しています
void functionOne(void);
void functionTwo(void);
int main(void) {
    functionOne();
    functionTwo();
    return 0;
}
void functionOne(void) {
    // functionOneの処理
    printf("functionOne実行\n");
}
void functionTwo(void) {
    // functionTwoの処理
    printf("functionTwo実行\n");
}
functionOne実行
functionTwo実行

LNK1179エラーの原因

リンカが「COMDAT ‘filename’ を複製します」というエラーを報告する場合、複数のオブジェクトファイル内で同一のCOMDATシンボルが検出されることが原因です。

特に、コンパイル時に使用されるオプションがこの現象に大きく関与しています。

リンカオプションの影響

リンカオプションは最終的なバイナリ生成に大きな影響を与え、特定のオプション同士が組み合わさると、意図しないシンボル名の重複が発生することがあります。

/Hオプションの動作と特徴

/Hオプションは、外部シンボルの名前の長さを制限する機能を持ちます。

たとえば、/H8と指定すると、各シンボル名は最初の8文字までしか使用されません。

この制限により、本来は区別できる長い関数名も、最初の数文字が同じ場合は同一視される可能性があります。

/GyオプションによるCOMDATパッケージ化

/Gyオプションは、関数単位でコードを分割する最適化を行います。

これにより、各関数がCOMDATセクションにパッケージ化され、重複定義されるとリンク時にエラーが発生する場合があります。

両オプションの組み合わせが引き起こす競合

/Hオプションによるシンボル名の短縮と、/GyオプションによるCOMDATパッケージ化が同時に使用されると、異なる関数でも名前の先頭部分が一致し、結果として同一COMDATシンボルの重複が発生し、LNK1179エラーが出る可能性があります。

関数名の衝突によるエラー発生

別の原因として、関数名そのものが似通っている場合にもエラーが発生する可能性があります。

COMDATシンボルの基本

COMDATシンボルは、重複して定義された関数や変数を一つにまとめる仕組みです。

しかし、名前が重複すると本来分かれている関数が衝突し、リンクエラーを引き起こします。

名前の先頭文字重複によるエラーの発生条件

特に、/Hオプションでシンボル名が短縮されると、元々異なる名前の関数でも、先頭部分が同じ場合は同一視され、結果としてLNK1179エラーが発生するリスクが高まります。

LNK1179エラーの対策

エラーを解消するためには、システム上の設定変更やコードの見直しが必要です。

関数名の命名規則の見直し

命名規則の改善により、名前の衝突を未然に防ぐ工夫が求められます。

わかりやすい命名により、同一の先頭文字による不具合を回避できます。

重複を避ける命名戦略

関数名の衝突を避けるため、プレフィックスやサフィックスを追加するなど、明確かつ一意な名前付けの戦略を採用します。

以下のサンプルコードは、その一例です。

#include <stdio.h>
// 重複を避けるために明確な命名を採用した例
void functionOne(void);
void functionTwo(void);
int main(void) {
    functionOne();
    functionTwo();
    return 0;
}
void functionOne(void) {
    // functionOneの実行
    printf("functionOne実行\n");
}
void functionTwo(void) {
    // functionTwoの実行
    printf("functionTwo実行\n");
}
functionOne実行
functionTwo実行

コンパイルオプションの調整

リンカオプションの設定を見直すことも、エラー解消の有力な手段です。

/Hオプションの設定変更方法

/Hオプションで設定されるシンボル名の文字数制限をプロジェクトに合わせて調整し、必要な名前の長さを確保することでエラーを回避できます。

Visual Studioなどの設定画面から変更可能です。

/Gyオプション使用時の注意点

/ Gyオプションは最適化に有用ですが、COMDATパッケージ化による名前衝突を誘発する可能性があります。

他の関数名とのバランスを考慮し、必要な場合はオプションの一部無効化も検討してください。

コード修正と検証方法

具体的なコード修正とその後の検証手順を紹介します。

修正前の確認手順

  1. コンパイル時オプションの確認

使用している/Hや/Gyオプションの設定内容を検証する。

  1. 関数名のチェック

同一先頭文字が重複していないかを重点的に確認する。

  1. リンカーメッセージの確認

エラーに示されるCOMDAT名から重複箇所を特定する。

修正後の検証手順

  1. コード修正の反映

命名規則やリンカオプションの設定変更を適用する。

  1. 再コンパイル

エラーが解消されたことを確認する。

  1. 実行検証

正常に実行されるか、サンプルコードで動作確認を行う。

以下は、修正後の検証例です。

#include <stdio.h>
// 修正後のコード例:関数名を明確に区別
void functionOne(void);
void functionTwo(void);
int main(void) {
    functionOne();
    functionTwo(void);
    return 0;
}
void functionOne(void) {
    // functionOneの処理
    printf("functionOne実行\n");
}
void functionTwo(void) {
    // functionTwoの処理
    printf("functionTwo実行\n");
}
functionOne実行
functionTwo実行

まとめ

この記事では、C言語で発生するLNK1179エラーの要因として、/Hオプションによるシンボル名短縮と/GyオプションによるCOMDATパッケージ化の組み合わせが原因で関数名が衝突する現象を解説しました。

エラー回避方法としては、明確な命名規則の採用、コンパイルオプションの見直し、及びコード修正と検証手順が挙げられます。

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