C言語のコンパイラエラー C2537 の原因と対処法について解説
この資料では、C言語で発生するコンパイラエラー C2537 について解説します。
C2537 エラーは、リンケージ指定子の記述ミス、たとえば extern "c" のように英小文字を使用した場合に起こります。
適切な指定は、extern "C" や extern "C++" の形となり、ソースコードを修正することで解決できます。
具体例を参考に対処方法を確認してください。
エラー C2537 の発生要因
リンケージ指定子の役割と重要性
リンケージ指定子は、C++で書かれたソースコードとCで書かれたライブラリやモジュールとの間で正しいリンクを行うために必要です。
特に、関数の宣言において正しいリンケージ指定子が使われることで、名前修飾などの違いを吸収し、意図した関数呼び出しを実現できる点が重要です。
言い換えれば、リンケージ指定子は異なる言語間での相互運用性を保つためのキーパーツとなります。
不正な記述パターンの検証
リンケージ指定子の記述方法に誤りがあると、コンパイラはエラー C2537 を出力します。
以下に、誤った記述例と正しい記述例を紹介します。
誤った記述例：extern “c”
下記のサンプルコードのように、リンケージ指定子が小文字の"c"で記述されるとエラーが発生します。
#include <stdio.h>
// 誤ったリンケージ指定子(小文字で記述)
// このコードはコンパイル時にエラー C2537 を発生させます。
extern "c" void funcError();
int main(void) {
// 関数呼び出し(ただし、実際の定義は省略)
funcError();
return 0;
}コンパイル時にエラー C2537 が発生します。正しい記述例：extern “C” と extern “C++”
正しい記述例としては、リンケージ指定子"C"や"C++"(大文字で記述)を使用します。
以下はその一例です。
#include <stdio.h>
// 正しいリンケージ指定子(大文字で記述)
extern "C" void funcCorrectC();
// C++のリンケージを明示する場合
extern "C++" void funcCorrectCpp();
int main(void) {
// 正しい関数呼び出し(実際の定義は省略)
funcCorrectC();
funcCorrectCpp();
return 0;
}プログラムが正しくコンパイルされ、実行されます。コンパイラメッセージの解説
エラー C2537 は、リンケージ指定子が不正である場合に発生します。
具体的には、"C" および "C++" のみがサポートされており、他の記述(例：小文字の"c")が使われるとエラーが発生します。
コンパイラは以下のようなメッセージを出力します。
'specifier': リンケージ指定が不正ですこのメッセージは、使用されたリンケージ指定子が認識されなかったことを示しています。
正しいリンケージ指定子の使用方法
サポートされる指定子の一覧
C++では以下のリンケージ指定子のみがサポートされています。
"C""C++"
これらの指定子を使用することで、関数宣言や定義のリンケージが適切に行われ、名前のマングリングなどの問題を回避することができます。
正しい記述例の紹介
関数宣言における実例
正しいリンケージ指定子を使用した関数宣言の例を以下に示します。
サンプルコードは、funcExampleという関数を正しいリンケージ指定子を用いて宣言し、main関数でこの関数を呼び出す形となっています。
#include <stdio.h>
// 正しいリンケージ指定子 "C" を使用して関数宣言
extern "C" void funcExample();
void funcExample() {
// ここで、関数の動作をシンプルに実装
printf("funcExampleが呼び出されました\n");
}
int main(void) {
// 正しい関数呼び出し
funcExample();
return 0;
}funcExampleが呼び出されましたエラー抑止のための注意点
- リンケージ指定子は常に大文字で記述すること。誤って小文字で記述しない。
- 複数のリンケージ指定子を混在させないように注意する。
- ヘッダーやソースファイル間で一貫性のある指定子を使用する。
- 異なる言語間の連携が必要な場合には文書化された基準に従うこと。
エラー修正の実践対処法
ソースコード修正手順の確認
エラー修正の基本的な手順は以下の通りです。
- エラーメッセージを確認し、問題となっているリンケージ指定子を特定する。
- 該当する関数宣言部分を正しい指定子(
"C"または"C++")に修正する。 - 修正後、再度コンパイルしてエラーが解消されたか確認する。
修正前後のコード比較
以下の表は、修正前のコードと修正後のコードの比較例です。
| 項目 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| リンケージ指定子 | extern "c" void func(); | extern "C" void func(); |
| コメント | // 誤ったリンケージ指定子でエラー発生 | // 正しいリンケージ指定子を使用 |
具体例として、以下にコートブロックで修正前後のコードを示します。
修正前
#include <stdio.h>
// 誤ったリンケージ指定子 "c" の使用(エラー C2537 が発生する)
extern "c" void func();
int main(void) {
func();
return 0;
}修正後
#include <stdio.h>
// 正しいリンケージ指定子 "C" の使用
extern "C" void func();
void func() {
// サンプル動作：メッセージ出力
printf("funcが正しく呼び出されました\n");
}
int main(void) {
func();
return 0;
}funcが正しく呼び出されましたよくある記述ミスの具体例
エラーが発生する記述ミスとしては、以下が挙げられます。
- 小文字の
"c"の使用
誤：extern "c" void myFunc();
正：extern "C" void myFunc();
- 複数のリンケージ指定子の混在
異なるファイル間や同一ファイル内で、同じ関数に対して異なるリンケージ指定子が使われると、リンク時に問題が発生することがあります。
- ヘッダーファイルとソースファイルで指定子が一致しない
ヘッダーで extern "C" と記述しながら、ソースファイルで誤った指定子を用いるとエラーとなるため、両者の統一性を意識することが重要です。
まとめ
この記事では、C言語におけるリンケージ指定子の役割とその重要性、エラー C2537 の原因、そして正しい指定子の使い方について解説しています。
誤った記述例(小文字の “c”)と正しい記述例(大文字の “C” や “C++”)を比較しながら、コンパイラエラーの意味と具体的な修正手順を確認できます。
修正前後のソースコードの比較や注意点を通して、エラーを未然に防ぐためのポイントが明確に提示されています。