[HTTPステータスコード] 308 Permanent Redirectの意味をわかりやすく解説

308 Permanent Redirectは、リソースが恒久的に別のURLに移動したことを示すHTTPステータスコードです。

クライアントは今後その新しいURLを使用するべきで、リクエストメソッド(GETやPOSTなど)やリクエストボディは変更せずにそのまま転送されます。

これは、307 Temporary Redirectと似ていますが、308は「恒久的な」リダイレクトである点が異なります。

検索エンジンやブラウザは新しいURLを記憶し、次回から直接アクセスします。

この記事でわかること
  • 308 Permanent Redirectの基本的な意味
  • 他のリダイレクトコードとの違い
  • SEOへの影響とメリット
  • 適切な実装方法と注意点
  • リダイレクトの設定に関するポイント

目次から探す

308 Permanent Redirectとは

308 Permanent Redirectは、HTTPステータスコードの一つで、リクエストが恒久的に新しいURLに移動したことを示します。

このコードは、特にリクエストメソッドを保持する必要がある場合に使用されます。

たとえば、POSTリクエストを行った際に、308を返すことで、クライアントは同じメソッドを使って新しいURLにリクエストを送信します。

これにより、データの送信が正しく行われることが保証されます。

308 Permanent Redirectの基本的な意味

  • 恒久的なリダイレクト: リクエストが新しいURLに移動したことを示し、今後もそのURLを使用することを推奨します。
  • メソッドの保持: リダイレクト先でも元のリクエストメソッド(GETやPOSTなど)を維持します。
  • クライアントの動作: クライアントは、リダイレクト先に同じメソッドでリクエストを送信します。

308と他のリダイレクトステータスコードの違い

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ステータスコード説明メソッド保持
301恒久的に移動したことを示すいいえ
302一時的に移動したことを示すいいえ
307一時的に移動したことを示すはい
308恒久的に移動したことを示すはい

308 Permanent Redirectが使われる場面

  • APIのエンドポイント変更: APIのエンドポイントが変更された場合、308を使用して新しいエンドポイントにリダイレクトします。
  • データ送信の維持: フォームデータをPOSTメソッドで送信する際に、リダイレクト先でも同じメソッドを使用する必要がある場合。
  • サイトの構造変更: ウェブサイトのURL構造が変更された際に、ユーザーを新しいURLに誘導するために使用します。

308 Permanent Redirectの仕組み

308 Permanent Redirectは、リダイレクトの際にリクエストメソッドやリクエストボディを保持する特性があります。

これにより、クライアントとサーバー間のデータの整合性が保たれます。

以下にその仕組みを詳しく解説します。

リクエストメソッドの保持

308 Permanent Redirectでは、元のリクエストメソッド(GET、POSTなど)が保持されます。

これにより、リダイレクト先でも同じメソッドを使用してリクエストを送信することができます。

たとえば、POSTメソッドでデータを送信した場合、308を受け取ったクライアントは、リダイレクト先に対してもPOSTメソッドでリクエストを行います。

リクエストボディの保持

リクエストボディも保持されるため、POSTリクエストで送信されたデータがリダイレクト先にそのまま送信されます。

これにより、データの損失や不整合が防がれます。

たとえば、ユーザーがフォームに入力した情報を送信する際、308を返すことで、同じ情報が新しいURLに送信されます。

クライアント側の動作

クライアントは、308 Permanent Redirectを受け取ると、リダイレクト先のURLに対して元のリクエストメソッドを使用して再度リクエストを送信します。

これにより、クライアントは新しいリソースにアクセスし、必要なデータを取得または送信することができます。

具体的には、以下のような流れになります。

  1. クライアントがリクエストを送信。
  2. サーバーが308 Permanent Redirectを返す。
  3. クライアントがリダイレクト先のURLに元のメソッドでリクエストを送信。

サーバー側の設定方法

サーバー側で308 Permanent Redirectを設定する方法は、使用するWebサーバーによって異なります。

以下は、一般的なWebサーバーでの設定例です。

  • Apache: .htaccessファイルに以下のように記述します。
Redirect 308 /old-url /new-url
  • Nginx: nginx.confファイルに以下のように記述します。
location /old-url {
      return 308 /new-url;
  }

これにより、指定したURLに対するリクエストが308 Permanent Redirectとして処理され、新しいURLにリダイレクトされます。

308 Permanent RedirectとSEO

308 Permanent Redirectは、SEO(検索エンジン最適化)においても重要な役割を果たします。

リダイレクトの適切な使用は、検索エンジンのインデックスやユーザーエクスペリエンスに影響を与えるため、理解しておくことが大切です。

以下に308 Permanent RedirectがSEOに与える影響を解説します。

検索エンジンへの影響

308 Permanent Redirectは、検索エンジンに対してリソースが恒久的に移動したことを示します。

これにより、検索エンジンは新しいURLをインデックスし、古いURLを削除することが期待されます。

具体的な影響は以下の通りです。

  • インデックスの更新: 検索エンジンは新しいURLをインデックスし、古いURLを非表示にします。
  • リンクジュースの引き継ぎ: 308を使用することで、古いURLから新しいURLへのリンクジュース(SEOの評価)が引き継がれます。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーが古いURLにアクセスした際に自動的に新しいURLにリダイレクトされるため、利便性が向上します。

301 Redirectとの違い

308 Permanent Redirectと301 Redirectは、どちらも恒久的なリダイレクトを示しますが、いくつかの重要な違いがあります。

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特徴301 Redirect308 Permanent Redirect
リクエストメソッド変更される(GETに変わる)保持される
リクエストボディ送信されない送信される
使用シーン一般的なリダイレクトに適用POSTリクエストを維持したい場合

このように、308は特にPOSTリクエストを扱う際に有用です。

リダイレクトチェーンの問題

リダイレクトチェーンとは、複数のリダイレクトが連続して発生する状況を指します。

308 Permanent Redirectを含むリダイレクトチェーンは、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的な問題点は以下の通りです。

  • インデックスの遅延: 検索エンジンがリダイレクトチェーンをたどる際、インデックスの更新が遅れることがあります。
  • リンクジュースの損失: リダイレクトが多すぎると、リンクジュースが分散し、SEO効果が薄れる可能性があります。
  • ユーザーエクスペリエンスの低下: ユーザーがリダイレクトを何度も経由することで、ページの読み込みが遅くなり、離脱率が上がることがあります。

リダイレクトを設定する際は、できるだけシンプルに保ち、リダイレクトチェーンを避けることが重要です。

308 Permanent Redirectの実装例

308 Permanent Redirectを実装する方法は、Webサーバーの設定やプログラムコードによって異なります。

以下に、ApacheやNginxでの設定方法、PHPやNode.jsでの実装例、リダイレクトの確認方法を解説します。

Webサーバーでの設定方法(Apache/Nginx)

Apache

Apacheで308 Permanent Redirectを設定するには、.htaccessファイルを使用します。

以下のように記述します。

Redirect 308 /old-url /new-url

この設定により、/old-urlにアクセスした際に、308ステータスコードで/new-urlにリダイレクトされます。

Nginx

Nginxで308 Permanent Redirectを設定するには、nginx.confファイルに以下のように記述します。

location /old-url {
    return 308 /new-url;
}

この設定により、/old-urlにアクセスした際に、308ステータスコードで/new-urlにリダイレクトされます。

プログラムでの実装例(PHP/Node.js)

PHP

PHPで308 Permanent Redirectを実装するには、以下のようにheader関数を使用します。

header("Location: /new-url", true, 308);
exit();

このコードを実行すると、クライアントは308ステータスコードで/new-urlにリダイレクトされます。

Node.js

Node.jsで308 Permanent Redirectを実装するには、以下のようにres.redirectメソッドを使用します。

res.redirect(308, '/new-url');

このコードを実行すると、クライアントは308ステータスコードで/new-urlにリダイレクトされます。

リダイレクトの確認方法

リダイレクトが正しく設定されているかを確認する方法はいくつかあります。

以下の方法を利用して、308 Permanent Redirectの動作を確認できます。

  • ブラウザのデベロッパーツール: ブラウザのデベロッパーツールを開き、ネットワークタブでリクエストを確認します。

リダイレクトが発生しているか、308ステータスコードが返されているかを確認できます。

  • cURLコマンド: コマンドラインでcURLを使用してリダイレクトを確認できます。

以下のコマンドを実行します。

curl -I http://example.com/old-url

このコマンドにより、HTTPヘッダー情報が表示され、308ステータスコードが確認できます。

  • オンラインツール: リダイレクトチェッカーなどのオンラインツールを使用して、URLを入力し、リダイレクトの状況を確認することもできます。

308 Permanent Redirectと他のリダイレクトコードの比較

308 Permanent Redirectは、他のリダイレクトコードと比較して特有の特性を持っています。

以下に、301、302、307の各リダイレクトコードとの違いを詳しく解説します。

301 Moved Permanentlyとの違い

301 Moved Permanentlyは、リソースが恒久的に新しいURLに移動したことを示しますが、リクエストメソッドが変更される点が308との大きな違いです。

スクロールできます
特徴301 Moved Permanently308 Permanent Redirect
リクエストメソッドGETに変更される元のメソッドを保持
リクエストボディ送信されない送信される
使用シーン一般的な恒久的リダイレクトPOSTリクエストを維持したい場合

301は主にSEOにおいて使用され、リンクジュースを引き継ぐことが期待されますが、308は特にデータ送信を伴うリダイレクトに適しています。

302 Foundとの違い

302 Foundは、一時的なリダイレクトを示すコードで、リソースが一時的に別のURLに移動していることを示します。

308との違いは、リクエストメソッドの扱いです。

スクロールできます
特徴302 Found308 Permanent Redirect
リクエストメソッドGETに変更される元のメソッドを保持
リクエストボディ送信されない送信される
使用シーン一時的なリダイレクト恒久的なリダイレクトでPOSTを維持

302は一時的なリダイレクトに適しており、元のURLが将来的に戻る可能性がある場合に使用されます。

一方、308は恒久的なリダイレクトで、特にデータ送信を伴う場合に有用です。

307 Temporary Redirectとの違い

307 Temporary Redirectは、一時的なリダイレクトを示し、リクエストメソッドを保持する点で308と似ていますが、308は恒久的なリダイレクトであるため、使用シーンが異なります。

スクロールできます
特徴307 Temporary Redirect308 Permanent Redirect
リクエストメソッド元のメソッドを保持元のメソッドを保持
リクエストボディ送信される送信される
使用シーン一時的なリダイレクト恒久的なリダイレクト

307は一時的なリダイレクトに適しており、元のURLが将来的に戻る可能性がある場合に使用されます。

308は、リソースが恒久的に移動したことを示し、特にPOSTリクエストを維持したい場合に使用されます。

このように、308 Permanent Redirectは、リクエストメソッドやリクエストボディの保持が必要な場合に特に有用であり、他のリダイレクトコードとは異なる特性を持っています。

308 Permanent Redirectのメリットとデメリット

308 Permanent Redirectは、特定の状況で非常に有用ですが、メリットとデメリットがあります。

以下にそれぞれのポイントを詳しく解説します。

メリット:リクエストメソッドの保持

308 Permanent Redirectの最大のメリットは、リクエストメソッドを保持することです。

これにより、以下の利点があります。

  • データの整合性: POSTリクエストを行った場合、リダイレクト先でも同じメソッドでリクエストが送信されるため、データが失われることがありません。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーがフォームに入力したデータを送信する際、リダイレクトが発生しても、同じデータが新しいURLに送信されるため、利便性が向上します。

メリット:恒久的なリダイレクト

308 Permanent Redirectは、リソースが恒久的に新しいURLに移動したことを示します。

この特性により、以下のようなメリットがあります。

  • SEO効果: 検索エンジンは新しいURLをインデックスし、古いURLを非表示にするため、SEOにおいても有利です。
  • リンクジュースの引き継ぎ: 308を使用することで、古いURLから新しいURLへのリンクジュースが引き継がれ、SEO効果が維持されます。

デメリット:古いブラウザでの互換性

308 Permanent Redirectは、比較的新しいステータスコードであるため、古いブラウザやクライアントでは正しく処理されない可能性があります。

具体的なデメリットは以下の通りです。

  • 互換性の問題: 一部の古いブラウザでは308ステータスコードがサポートされていないため、リダイレクトが正しく機能しないことがあります。
  • ユーザー体験の低下: 古いブラウザを使用しているユーザーがリダイレクトに失敗すると、エラーページが表示される可能性があります。

デメリット:誤った設定による問題

308 Permanent Redirectを誤って設定すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。

以下のようなデメリットがあります。

  • リダイレクトループ: 不適切な設定により、リダイレクトが無限に繰り返されるリダイレクトループが発生することがあります。

これにより、ユーザーはページにアクセスできなくなります。

  • SEOへの悪影響: 誤ったリダイレクト設定は、検索エンジンのインデックスに悪影響を及ぼし、SEO効果が損なわれる可能性があります。

308 Permanent Redirectは、特定の状況で非常に有用ですが、適切に設定しないと問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。

308 Permanent Redirectの注意点

308 Permanent Redirectを使用する際には、いくつかの注意点があります。

これらを理解し、適切に対処することで、リダイレクトの効果を最大限に引き出すことができます。

以下に、主な注意点を解説します。

リダイレクトループの回避

リダイレクトループは、同じURLが繰り返しリダイレクトされる状態を指します。

308 Permanent Redirectを設定する際には、以下の点に注意してリダイレクトループを回避する必要があります。

  • 設定の確認: リダイレクト先が再び元のURLに戻る設定になっていないか確認します。

例えば、/old-url/new-urlにリダイレクトされ、/new-urlが再び/old-urlにリダイレクトされるような設定は避けるべきです。

  • テストの実施: リダイレクト設定後は、実際にリダイレクトが正しく機能しているかをテストし、ループが発生していないか確認します。

適切なリダイレクト先の選定

308 Permanent Redirectを設定する際には、リダイレクト先のURLを慎重に選定することが重要です。

適切なリダイレクト先を選ぶためのポイントは以下の通りです。

  • 関連性のあるURL: リダイレクト先は、元のURLと関連性のあるコンテンツを持つURLであるべきです。

これにより、ユーザーが期待する情報にアクセスできるようになります。

  • 安定したURL: リダイレクト先のURLは、将来的に変更される可能性が低い安定したURLを選ぶことが望ましいです。

これにより、再度リダイレクトを設定する手間を減らせます。

クライアントキャッシュの影響

308 Permanent Redirectを使用する際には、クライアントキャッシュの影響を考慮する必要があります。

クライアントキャッシュは、ブラウザやプロキシサーバーがリダイレクト情報を保存することを指します。

以下の点に注意が必要です。

  • キャッシュのクリア: リダイレクト先が変更された場合、クライアントキャッシュが古い情報を保持していると、正しいリダイレクトが行われないことがあります。

必要に応じて、キャッシュをクリアするようにユーザーに案内することが重要です。

  • キャッシュ制御ヘッダーの設定: サーバー側でキャッシュ制御ヘッダーを適切に設定することで、クライアントが最新のリダイレクト情報を取得できるようにします。

例えば、Cache-Control: no-cacheを設定することで、キャッシュを無効にすることができます。

308 Permanent Redirectを効果的に活用するためには、これらの注意点を理解し、適切に対処することが重要です。

よくある質問

308 Permanent RedirectはSEOにどのような影響を与えますか?

308 Permanent Redirectは、リソースが恒久的に新しいURLに移動したことを示すため、SEOにおいてポジティブな影響を与えます。

具体的には、以下のような効果があります。

  • インデックスの更新: 検索エンジンは新しいURLをインデックスし、古いURLを非表示にします。
  • リンクジュースの引き継ぎ: 308を使用することで、古いURLから新しいURLへのリンクジュースが引き継がれ、SEO効果が維持されます。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーが古いURLにアクセスした際に自動的に新しいURLにリダイレクトされるため、利便性が向上します。

308と301のどちらを使うべきですか?

308 Permanent Redirectと301 Moved Permanentlyは、どちらも恒久的なリダイレクトを示しますが、使用するシーンによって使い分けるべきです。

  • 308を使用する場合: POSTリクエストを維持したい場合や、リクエストメソッドを保持する必要がある場合に308を選択します。

特に、データ送信を伴うリダイレクトに適しています。

  • 301を使用する場合: 一般的な恒久的リダイレクトで、リクエストメソッドの変更が許容される場合には301を選択します。

SEO効果を重視する場合にも適しています。

308 Permanent RedirectはPOSTリクエストにも対応していますか?

はい、308 Permanent RedirectはPOSTリクエストにも対応しています。

308の特性として、リクエストメソッドを保持することが挙げられます。

これにより、POSTリクエストを行った際に、リダイレクト先でも同じPOSTメソッドでリクエストが送信されます。

これにより、データの整合性が保たれ、ユーザーが入力した情報が正しく送信されることが保証されます。

まとめ

この記事では、308 Permanent Redirectの基本的な意味や仕組み、SEOへの影響、実装方法、他のリダイレクトコードとの違い、メリットとデメリット、注意点について詳しく解説しました。

特に、308はリクエストメソッドを保持する特性があり、データ送信を伴うリダイレクトにおいて非常に有用であることがわかりました。

リダイレクトを適切に設定し、効果的に活用することで、ユーザーエクスペリエンスやSEO効果を向上させることができるため、ぜひ実践してみてください。

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