【Python】”expected an indented block”エラーの解決方法

この記事では、Pythonプログラミングでよく見られる expected an indented block というエラーについて詳しく解説します。

このエラーが何を意味するのか、なぜ発生するのか、そしてどのように解決するのかを初心者にもわかりやすく説明します。

インデントの重要性や正しい設定方法についても触れるので、Pythonのコードを書く際に役立つ知識を身につけることができます。

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エラーの概要

Pythonプログラミングを行っていると、時折 expected an indented block というエラーメッセージに遭遇することがあります。

このエラーは、インデントが必要な場所でインデントが不足していることを示しています。

Pythonでは、インデントがコードの構造を決定するため、正しいインデントがないとプログラムが正しく実行されません。

エラーメッセージの意味

expected an indented block というエラーメッセージは、Pythonが特定のコードブロックの開始を期待しているが、そのブロックが適切にインデントされていないことを示しています。

具体的には、条件文(if文やfor文など)、関数定義、クラス定義などの後に、インデントされたコードが必要です。

インデントがない場合、Pythonは次に何を実行すべきかを理解できず、エラーを発生させます。

例えば、以下のようなコードを考えてみましょう。

if True:
print("これはインデントが不足しています")

このコードを実行すると、 expected an indented block というエラーが表示されます。

これは、if文の後にインデントされたコードが必要だからです。

エラーが発生する状況

このエラーは、主に以下のような状況で発生します。

  1. 条件文やループ内でのインデント不足: if文やfor文、while文などの後に、実行するコードがインデントされていない場合に発生します。
if x > 10:
   print("xは10より大きいです")  # インデントが不足
  1. 関数やクラス定義内でのインデント不足: 関数やクラスを定義した後、その内部に書くべきコードがインデントされていない場合にもエラーが発生します。
def my_function():
   print("関数の中のコード")  # インデントが不足
  1. 複数行の文を使用する場合: 複数行にわたる文を使用する際、適切にインデントを行わないとエラーが発生します。

このように、インデントが必要な場所で不足していると、 expected an indented block エラーが発生します。

次のセクションでは、インデントの重要性について詳しく解説します。

インデントの重要性

Pythonは、インデント(字下げ)を用いてコードのブロックを定義します。

これは、他の多くのプログラミング言語が波括弧 {} やキーワードを使ってブロックを示すのとは異なる特徴です。

インデントが正しくないと、Pythonはどのコードがどのブロックに属するのかを理解できず、エラーを引き起こします。

Pythonにおけるインデントの役割

インデントは、以下のような役割を果たします。

  • コードの構造を明示化: インデントによって、条件文やループ、関数、クラスなどのブロックが視覚的に区別されます。

これにより、コードの読みやすさが向上します。

  • エラーの防止: 正しいインデントを使用することで、意図しない動作を防ぎます。

例えば、条件文の中にあるべきコードがインデントされていないと、Pythonはそのコードを条件文の外にあるものと解釈してしまいます。

  • 可読性の向上: インデントを適切に使うことで、他のプログラマーがコードを理解しやすくなります。

特にチームでの開発においては、コードの可読性が非常に重要です。

インデントのスタイル(スペース vs タブ)

Pythonでは、インデントにスペースを使うかタブを使うかは選択できますが、どちらか一方に統一することが重要です。

混在させると、expected an indented block エラーが発生する原因となります。

  • スペース: Pythonの公式スタイルガイドであるPEP 8では、インデントにはスペースを使用することが推奨されています。

一般的には、1レベルのインデントに対して4つのスペースを使うのが標準です。

  • タブ: タブを使用することも可能ですが、タブの幅はエディタによって異なるため、コードの見た目が変わることがあります。

これが原因で、他の開発者がコードを読む際に混乱を招くことがあります。

以下は、スペースとタブを使ったインデントの例です。

# スペースを使ったインデント
if True:
    print("これはスペースを使ったインデントです。")
# タブを使ったインデント
if True:
	print("これはタブを使ったインデントです。")

このように、インデントのスタイルを統一することで、コードの可読性を保ち、エラーを防ぐことができます。

エラーの原因

Pythonプログラミングにおいて、expected an indented blockエラーは、インデントが不足している場合に発生します。

このエラーは、特に条件文やループ、関数、クラスの定義など、特定の構文でよく見られます。

以下では、具体的な原因を詳しく解説します。

条件文やループ内でのインデント不足

条件文(if文)やループ(for文、while文)を使用する際、ブロック内のコードは必ずインデントを付ける必要があります。

インデントが不足していると、Pythonはそのブロックがどこで終わるのかを理解できず、エラーを発生させます。

例えば、以下のコードはエラーを引き起こします。

if True:
print("条件が真です")  # インデントが不足しています

この場合、print文の前にインデントを追加することでエラーを解消できます。

if True:
    print("条件が真です")  # 正しいインデント

関数やクラス定義内でのインデント不足

関数やクラスを定義する際も、内部の処理はインデントを付ける必要があります。

これが不足していると、同様にexpected an indented blockエラーが発生します。

以下の例では、関数内の処理がインデントされていないため、エラーが発生します。

def greet():
print("こんにちは")  # インデントが不足しています

この場合も、print文の前にインデントを追加することで解決できます。

def greet():
    print("こんにちは")  # 正しいインデント

コメントや空行の扱い

コメントや空行は、インデントの影響を受けることがあります。

特に、条件文や関数のブロック内にコメントや空行を挿入する場合、適切なインデントを維持することが重要です。

インデントが不適切な場合、Pythonはそれをブロックの一部として解釈し、エラーを引き起こすことがあります。

例えば、以下のコードはエラーを引き起こします。

def calculate():
    # 計算を行う
    print("計算中...")
    
    print("完了")  # この行のインデントが正しくない場合、エラーが発生する

この場合、すべての行が同じインデントレベルであることを確認する必要があります。

def calculate():
    # 計算を行う
    print("計算中...")
    
    print("完了")  # 正しいインデント

このように、インデントの不足や不適切な配置は、Pythonプログラムにおいて非常に一般的なエラーの原因となります。

次のセクションでは、これらのエラーを解決するための具体的な方法について説明します。

エラーの解決方法

Pythonでexpected an indented blockエラーが発生した場合、インデントを正しく設定することが最も重要です。

以下に、具体的な解決方法を説明します。

インデントを正しく設定する

インデントは、Pythonの構文において非常に重要な役割を果たします。

正しいインデントを設定することで、エラーを解消することができます。

スペースを使用する場合

Pythonでは、インデントにスペースを使用することが一般的です。

PEP 8(Pythonのスタイルガイド)では、インデントには4つのスペースを使用することが推奨されています。

以下は、スペースを使用したインデントの例です。

if True:
    print("これはインデントされたコードです。")  # 4つのスペースでインデント

このように、条件文やループの内部では、必ずインデントを行う必要があります。

もしインデントが不足していると、expected an indented blockエラーが発生します。

タブを使用する場合

タブを使用してインデントを設定することも可能ですが、スペースとタブを混在させるとエラーが発生することがあります。

タブを使用する場合は、以下のように記述します。

if True:
	print("これはタブでインデントされたコードです。")  # タブでインデント

タブを使用する際は、エディタの設定でタブ幅を統一することが重要です。

タブとスペースを混在させないように注意しましょう。

IDEやエディタの設定を確認する

使用しているIDEやエディタの設定を確認することも重要です。

多くのエディタでは、インデントに使用する文字(スペースまたはタブ)を設定できます。

以下のポイントを確認しましょう。

  • インデントに使用する文字がスペースかタブかを確認する。
  • インデントの幅(スペースの数やタブの幅)を確認する。
  • 自動インデント機能が有効になっているか確認する。

これらの設定が正しくないと、意図しないインデントが発生し、エラーの原因となります。

コードの整形ツールを利用する

コードの整形ツールを使用することで、インデントの問題を自動的に修正することができます。

以下は、一般的な整形ツールの例です。

  • Black: Pythonコードを自動的に整形するツールで、PEP 8に準拠したスタイルに整形します。
  • autopep8: PEP 8に従ってコードを整形するツールです。
  • PyCharmVisual Studio CodeなどのIDEには、コード整形機能が組み込まれています。

これらのツールを使用することで、インデントの問題を簡単に解決できるため、ぜひ活用してみてください。

よくある誤解と注意点

インデントの深さについて

Pythonでは、インデントの深さがコードの構造を決定します。

特に、条件文やループ、関数、クラスなどのブロックを定義する際には、インデントの深さが重要です。

しかし、初心者の方の中には、インデントの深さを誤解していることがあります。

例えば、以下のようなコードを考えてみましょう。

if True:
print("これはインデントが不足しています")

このコードは、if文のブロック内にあるべきprint文がインデントされていないため、expected an indented blockエラーが発生します。

正しくは、次のようにインデントを付ける必要があります。

if True:
    print("これは正しいインデントです")

インデントの深さは、同じブロック内のすべての行で統一する必要があります。

例えば、次のように異なる深さのインデントを混在させると、エラーが発生します。

if True:
    print("これは正しいインデントです")
     print("これはインデントが不正です")  # ここが不正

このように、インデントの深さを正しく理解し、統一することが重要です。

他のエラーとの混同

expected an indented blockエラーは、インデントに関連するエラーですが、他のエラーと混同されることがあります。

特に、以下のようなエラーがよく見られます。

  1. SyntaxError: 文法エラーが発生した場合、expected an indented blockエラーと似たようなメッセージが表示されることがあります。

例えば、条件文やループの後に何も書かずに改行した場合です。

if True:
       # 何も書かれていない
  1. IndentationError: インデントの不一致が原因で発生するエラーです。

例えば、タブとスペースを混在させた場合に発生します。

if True:
       print("これはスペースでインデント")
   	print("これはタブでインデント")  # ここが不正

これらのエラーは、expected an indented blockエラーと同様にインデントに関連していますが、原因が異なるため、注意が必要です。

エラーメッセージをよく読み、どの部分に問題があるのかを特定することが重要です。

このように、インデントに関する誤解や他のエラーとの混同を避けるためには、Pythonの文法やインデントのルールをしっかりと理解することが大切です。

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