【Python】APIリクエストをする方法

この記事では、Pythonを使ってAPIにアクセスし、データを取得・送信する方法をわかりやすく解説します。

必要なライブラリのインストールから、GETリクエストやPOSTリクエストの実行方法、エラーハンドリングの方法まで、初心者でも理解できるようにサンプルコードを交えて説明します。

さらに、実際のAPIを使った具体的な例も紹介しますので、この記事を読めば、PythonでAPIを活用するための基本的なスキルが身につきます。

目次から探す

PythonでAPIリクエストを行うための準備

APIリクエストを行うためには、まず必要なライブラリをインストールし、環境を整える必要があります。

PythonにはAPIリクエストを簡単に行うための便利なライブラリがいくつか存在します。

ここでは、代表的なライブラリであるrequestsを中心に、その他の関連ライブラリについても紹介します。

必要なライブラリのインストール

APIリクエストを行うために必要なライブラリをインストールする方法を説明します。

Pythonのパッケージ管理システムであるpipを使用してインストールを行います。

requestsライブラリのインストール

requestsライブラリは、PythonでHTTPリクエストを簡単に行うためのライブラリです。

以下のコマンドを実行することでインストールできます。

pip install requests

インストールが完了したら、以下のようにインポートして使用します。

import requests

requestsライブラリを使用することで、GETリクエストやPOSTリクエストなど、さまざまなHTTPリクエストを簡単に行うことができます。

その他のライブラリ(json, urllibなど)

APIリクエストを行う際には、requestsライブラリ以外にもいくつかのライブラリが役立ちます。

ここでは、jsonurllibについて紹介します。

  • jsonライブラリ: APIから返されるデータは多くの場合、JSON形式で提供されます。

jsonライブラリを使用することで、JSONデータのパースや生成が簡単に行えます。

Pythonには標準ライブラリとして含まれているため、追加のインストールは不要です。

import json
# JSONデータのパース
data = '{"name": "John", "age": 30}'
parsed_data = json.loads(data)
print(parsed_data)  # {'name': 'John', 'age': 30}
# JSONデータの生成
dict_data = {"name": "John", "age": 30}
json_data = json.dumps(dict_data)
print(json_data)  # {"name": "John", "age": 30}
  • urllibライブラリ: urllibライブラリは、URLの操作やHTTPリクエストを行うための標準ライブラリです。

特に、URLのエンコードやデコード、クエリパラメータの操作に便利です。

from urllib.parse import urlencode
# クエリパラメータのエンコード
params = {'q': 'Python', 'page': 2}
encoded_params = urlencode(params)
print(encoded_params)  # q=Python&page=2

これらのライブラリを組み合わせて使用することで、APIリクエストを効率的に行うことができます。

次のセクションでは、具体的なAPIリクエストの方法について詳しく解説します。

GETリクエストの実行方法

基本的なGETリクエスト

GETリクエストは、サーバーからデータを取得するためのHTTPリクエストです。

Pythonでは、requestsライブラリを使用して簡単にGETリクエストを送信できます。

以下は基本的なGETリクエストの例です。

import requests
# URLを指定
url = 'https://jsonplaceholder.typicode.com/posts'
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url)
# レスポンスの内容を表示
print(response.text)

このコードを実行すると、指定したURLからデータを取得し、その内容が表示されます。

クエリパラメータの追加

クエリパラメータを使用すると、URLに追加の情報を付加してリクエストを送信できます。

クエリパラメータは、URLの末尾に?を付け、その後にキーと値のペアを&で連結して指定します。

requestsライブラリでは、クエリパラメータを辞書形式で指定できます。

import requests
# URLを指定
url = 'https://jsonplaceholder.typicode.com/posts'
# クエリパラメータを辞書形式で指定
params = {'userId': 1}
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url, params=params)
# レスポンスの内容を表示
print(response.text)

このコードでは、userId=1というクエリパラメータを付加してリクエストを送信しています。

ヘッダーの追加

ヘッダーは、リクエストに追加の情報を付加するために使用されます。

例えば、認証情報やコンテンツタイプなどを指定することができます。

requestsライブラリでは、ヘッダーを辞書形式で指定できます。

import requests
# URLを指定
url = 'https://jsonplaceholder.typicode.com/posts'
# ヘッダーを辞書形式で指定
headers = {'Authorization': 'Bearer YOUR_ACCESS_TOKEN'}
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url, headers=headers)
# レスポンスの内容を表示
print(response.text)

このコードでは、Authorizationヘッダーにアクセストークンを指定してリクエストを送信しています。

レスポンスの処理

GETリクエストのレスポンスは、requestsライブラリのResponseオブジェクトとして返されます。

このオブジェクトには、ステータスコードやレスポンスヘッダー、レスポンスボディなどの情報が含まれています。

import requests
# URLを指定
url = 'https://jsonplaceholder.typicode.com/posts'
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url)
# ステータスコードを表示
print('ステータスコード:', response.status_code)
# レスポンスヘッダーを表示
print('レスポンスヘッダー:', response.headers)
# レスポンスボディをJSON形式で表示
print('レスポンスボディ:', response.json())

このコードでは、ステータスコード、レスポンスヘッダー、レスポンスボディをそれぞれ表示しています。

レスポンスボディはJSON形式で返されるため、response.json()メソッドを使用して辞書形式に変換しています。

以上が、PythonでGETリクエストを実行する基本的な方法です。

次のセクションでは、POSTリクエストの実行方法について解説します。

POSTリクエストの実行方法

POSTリクエストは、サーバーにデータを送信するために使用されます。

例えば、フォームのデータを送信したり、新しいリソースを作成したりする場合に利用されます。

ここでは、Pythonのrequestsライブラリを使用してPOSTリクエストを実行する方法を解説します。

基本的なPOSTリクエスト

まずは、基本的なPOSTリクエストの実行方法を見てみましょう。

以下のコードは、指定したURLに対してPOSTリクエストを送信する例です。

import requests
url = 'https://example.com/api'
data = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}
response = requests.post(url, data=data)
print(response.status_code)  # ステータスコードを表示
print(response.text)  # レスポンスの内容を表示

このコードでは、dataという辞書型のデータを指定したURLに送信しています。

requests.postメソッドを使用してPOSTリクエストを実行し、レスポンスを受け取ります。

JSONデータの送信

次に、JSONデータを送信する方法を見てみましょう。

JSONデータを送信する場合は、jsonパラメータを使用します。

import requests
import json
url = 'https://example.com/api'
data = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}
response = requests.post(url, json=data)
print(response.status_code)  # ステータスコードを表示
print(response.json())  # レスポンスの内容をJSON形式で表示

このコードでは、jsonパラメータを使用してデータを送信しています。

response.json()メソッドを使用すると、レスポンスの内容をJSON形式で取得できます。

フォームデータの送信

フォームデータを送信する場合は、dataパラメータを使用します。

以下の例では、フォームデータを送信する方法を示しています。

import requests
url = 'https://example.com/api'
data = {
    'username': 'example_user',
    'password': 'example_password'
}
response = requests.post(url, data=data)
print(response.status_code)  # ステータスコードを表示
print(response.text)  # レスポンスの内容を表示

このコードでは、dataパラメータを使用してフォームデータを送信しています。

フォームデータは辞書型で指定します。

ファイルのアップロード

最後に、ファイルをアップロードする方法を見てみましょう。

ファイルをアップロードする場合は、filesパラメータを使用します。

import requests
url = 'https://example.com/upload'
files = {'file': open('example.txt', 'rb')}
response = requests.post(url, files=files)
print(response.status_code)  # ステータスコードを表示
print(response.text)  # レスポンスの内容を表示

このコードでは、filesパラメータを使用してファイルを送信しています。

ファイルはバイナリモードで開き、辞書型で指定します。

以上が、POSTリクエストを実行する基本的な方法です。

これらの方法を組み合わせることで、さまざまなデータをサーバーに送信することができます。

PUTリクエストとDELETEリクエストの実行方法

APIリクエストには、データの取得や送信だけでなく、既存のデータを更新したり削除したりするためのリクエストもあります。

これらの操作は、PUTリクエストとDELETEリクエストを使用して行います。

以下では、それぞれのリクエストの実行方法について詳しく解説します。

PUTリクエストの実行

PUTリクエストは、既存のリソースを更新するために使用されます。

例えば、ユーザー情報の更新や商品の情報の変更などが該当します。

PUTリクエストを実行するためには、更新したいデータをリクエストボディに含めて送信します。

以下に、PUTリクエストの基本的な実行方法を示します。

import requests
# 更新するデータ
data = {
    'name': '新しい名前',
    'email': '[email protected]'
}
# PUTリクエストの送信
response = requests.put('https://api.example.com/users/1', json=data)
# レスポンスの確認
if response.status_code == 200:
    print('更新が成功しました')
else:
    print('更新に失敗しました')

この例では、ユーザーIDが1のユーザー情報を更新しています。

requests.putメソッドを使用して、更新するデータをJSON形式で送信しています。

レスポンスのステータスコードを確認することで、更新が成功したかどうかを判断できます。

DELETEリクエストの実行

DELETEリクエストは、既存のリソースを削除するために使用されます。

例えば、ユーザーアカウントの削除や商品の削除などが該当します。

DELETEリクエストを実行するためには、削除したいリソースのURLを指定してリクエストを送信します。

以下に、DELETEリクエストの基本的な実行方法を示します。

import requests
# DELETEリクエストの送信
response = requests.delete('https://api.example.com/users/1')
# レスポンスの確認
if response.status_code == 204:
    print('削除が成功しました')
else:
    print('削除に失敗しました')

この例では、ユーザーIDが1のユーザー情報を削除しています。

requests.deleteメソッドを使用して、指定したURLのリソースを削除します。

DELETEリクエストが成功すると、通常はステータスコード204が返されます。

PUTリクエストとDELETEリクエストを適切に使用することで、APIを通じてデータの更新や削除を効率的に行うことができます。

これらのリクエストを実行する際には、必ずレスポンスのステータスコードを確認し、エラーハンドリングを行うことが重要です。

エラーハンドリング

APIリクエストを行う際には、エラーハンドリングが非常に重要です。

エラーハンドリングを適切に行うことで、予期しないエラーが発生した場合でもプログラムがクラッシュするのを防ぎ、ユーザーに適切なフィードバックを提供することができます。

ここでは、ステータスコードの確認、例外処理の実装、タイムアウトの設定について詳しく解説します。

ステータスコードの確認

APIリクエストのレスポンスには、ステータスコードが含まれています。

ステータスコードは、リクエストが成功したかどうか、またはどのようなエラーが発生したかを示します。

以下は、一般的なステータスコードの例です。

ステータスコード説明
200OK (リクエストが成功)
400Bad Request (リクエストが不正)
401Unauthorized (認証が必要)
404Not Found (リソースが見つからない)
500Internal Server Error (サーバー内部エラー)

ステータスコードを確認することで、リクエストの結果を適切に処理することができます。

以下は、ステータスコードを確認するサンプルコードです。

import requests
response = requests.get('https://api.example.com/data')
if response.status_code == 200:
    print('リクエストが成功しました')
elif response.status_code == 404:
    print('リソースが見つかりません')
else:
    print(f'エラーが発生しました: {response.status_code}')

例外処理の実装

APIリクエストを行う際には、ネットワークエラーやタイムアウトなどの例外が発生する可能性があります。

これらの例外を適切に処理するためには、try-exceptブロックを使用します。

以下は、例外処理を実装したサンプルコードです。

import requests
try:
    response = requests.get('https://api.example.com/data')
    response.raise_for_status()  # ステータスコードが200以外の場合に例外を発生させる
    print('リクエストが成功しました')
except requests.exceptions.HTTPError as http_err:
    print(f'HTTPエラーが発生しました: {http_err}')
except requests.exceptions.ConnectionError as conn_err:
    print(f'接続エラーが発生しました: {conn_err}')
except requests.exceptions.Timeout as timeout_err:
    print(f'タイムアウトエラーが発生しました: {timeout_err}')
except requests.exceptions.RequestException as req_err:
    print(f'リクエストエラーが発生しました: {req_err}')

タイムアウトの設定

APIリクエストが長時間かかる場合、タイムアウトを設定することで、一定時間内にレスポンスが返ってこない場合にリクエストを中断することができます。

タイムアウトを設定することで、プログラムが無限に待ち続けるのを防ぐことができます。

以下は、タイムアウトを設定したサンプルコードです。

import requests
try:
    response = requests.get('https://api.example.com/data', timeout=5)  # タイムアウトを5秒に設定
    response.raise_for_status()
    print('リクエストが成功しました')
except requests.exceptions.Timeout:
    print('リクエストがタイムアウトしました')
except requests.exceptions.RequestException as err:
    print(f'リクエストエラーが発生しました: {err}')

このように、エラーハンドリングを適切に行うことで、APIリクエストの信頼性とユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

実践例

ここでは、実際にAPIを利用する具体的な例を紹介します。

公開APIを使ったサンプルと、認証が必要なAPIの利用方法について解説します。

公開APIを使ったサンプル

天気情報API

天気情報APIを利用して、特定の都市の天気情報を取得する方法を紹介します。

ここでは、OpenWeatherMapのAPIを使用します。

まず、OpenWeatherMapのAPIキーを取得する必要があります。

公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを取得してください。

次に、以下のコードを実行して天気情報を取得します。

import requests
# APIキーを設定
api_key = "YOUR_API_KEY"
# 取得したい都市名を設定
city = "Tokyo"
# APIエンドポイントを設定
url = f"http://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q={city}&appid={api_key}"
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url)
# レスポンスをJSON形式で取得
data = response.json()
# 天気情報を表示
print(f"City: {data['name']}")
print(f"Weather: {data['weather'][0]['description']}")
print(f"Temperature: {data['main']['temp']}K")

このコードを実行すると、指定した都市の天気情報が表示されます。

APIキーを自分のものに置き換えてください。

為替レートAPI

次に、為替レートAPIを利用して、特定の通貨ペアの為替レートを取得する方法を紹介します。

ここでは、ExchangeRate-APIを使用します。

まず、ExchangeRate-APIのAPIキーを取得します。

公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを取得してください。

次に、以下のコードを実行して為替レートを取得します。

import requests
# APIキーを設定
api_key = "YOUR_API_KEY"
# 取得したい通貨ペアを設定
base_currency = "USD"
target_currency = "JPY"
# APIエンドポイントを設定
url = f"https://v6.exchangerate-api.com/v6/{api_key}/latest/{base_currency}"
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url)
# レスポンスをJSON形式で取得
data = response.json()
# 為替レートを表示
rate = data['conversion_rates'][target_currency]
print(f"1 {base_currency} = {rate} {target_currency}")

このコードを実行すると、指定した通貨ペアの為替レートが表示されます。

APIキーを自分のものに置き換えてください。

認証が必要なAPIの利用

APIキーの取得と使用

多くのAPIは、利用するためにAPIキーが必要です。

APIキーは、APIプロバイダーの公式サイトでアカウントを作成し、取得することができます。

APIキーを取得したら、リクエストのヘッダーやクエリパラメータに含めて送信します。

以下は、APIキーを使用して認証が必要なAPIにリクエストを送信する例です。

import requests
# APIキーを設定
api_key = "YOUR_API_KEY"
# APIエンドポイントを設定
url = "https://api.example.com/data"
# ヘッダーにAPIキーを含める
headers = {
    "Authorization": f"Bearer {api_key}"
}
# GETリクエストを送信
response = requests.get(url, headers=headers)
# レスポンスをJSON形式で取得
data = response.json()
# データを表示
print(data)

このコードを実行すると、APIキーを使用して認証が必要なAPIにアクセスできます。

APIキーを自分のものに置き換えてください。

OAuth認証の実装

OAuth認証は、より高度な認証方法で、多くの大手APIプロバイダー(例えば、Google、Twitter、Facebookなど)が採用しています。

OAuth認証を実装するためには、まずAPIプロバイダーの開発者ポータルでアプリケーションを登録し、クライアントIDとクライアントシークレットを取得する必要があります。

以下は、OAuth2.0を使用して認証を行う例です。

ここでは、requests-oauthlibライブラリを使用します。

まず、requests-oauthlibライブラリをインストールします。

pip install requests-oauthlib

次に、以下のコードを実行してOAuth認証を行います。

from requests_oauthlib import OAuth2Session
# クライアントIDとクライアントシークレットを設定
client_id = "YOUR_CLIENT_ID"
client_secret = "YOUR_CLIENT_SECRET"
# リダイレクトURIを設定
redirect_uri = "https://your-redirect-uri.com/callback"
# 認証エンドポイントとトークンエンドポイントを設定
authorization_base_url = "https://api.example.com/oauth/authorize"
token_url = "https://api.example.com/oauth/token"
# OAuth2セッションを作成
oauth = OAuth2Session(client_id, redirect_uri=redirect_uri)
# 認証URLを取得
authorization_url, state = oauth.authorization_url(authorization_base_url)
print(f"Please go to {authorization_url} and authorize access.")
# ユーザーが認証した後、リダイレクトURIにリダイレクトされる
# リダイレクトURIに含まれる認証コードを取得
redirect_response = input("Paste the full redirect URL here: ")
# 認証コードを使用してアクセストークンを取得
oauth.fetch_token(token_url, authorization_response=redirect_response, client_secret=client_secret)
# 認証されたリクエストを送信
response = oauth.get("https://api.example.com/user")
# レスポンスをJSON形式で取得
data = response.json()
# データを表示
print(data)

このコードを実行すると、OAuth2.0を使用して認証が必要なAPIにアクセスできます。

クライアントID、クライアントシークレット、リダイレクトURIを自分のものに置き換えてください。

以上で、Pythonを使用してAPIリクエストを行う方法についての解説を終わります。

これらの例を参考にして、さまざまなAPIを利用してみてください。

当サイトはリンクフリーです。出典元を明記していただければ、ご自由に引用していただいて構いません。

目次から探す