C言語のexit関数とreturn文の違いについてわかりやすく解説

2023 3/20

C言語において、プログラムを終了する方法として「exit関数」と「return文」があります。

これらは似たような機能を持っていますが、使い分けによってプログラムの動作に大きな違いが生じます。

この記事では、具体的なサンプルコードを交えて、exit関数とreturn文の違いについて解説します。

exit関数とreturn文の違いとは

C言語において、プログラムを終了する方法には主に2つあります。それがexit関数とreturn文です。この2つの方法には役割や使い方など、いくつかの違いがあります。

exit関数：プログラムを強制的に終了させる
return文：現在実行中の関数から値を返す

exit関数は、プログラムを強制的に終了させるためのものです。

例えば、エラーが発生した場合や特定の条件が満たされた場合など、プログラムを途中で終了させたい場合に使用します。

一方で、return文は現在実行中の関数から値を返すために使用されます。

exit関数とreturn文の使い分け

C言語において、プログラムを終了する方法にはexit関数とreturn文があります。それぞれの使いどころを見ていきましょう。

exit関数の使いどころ

exit関数は、プログラムを強制的に終了させるために使用されます。例えば、エラーが発生した場合や、特定の条件が満たされた場合にプログラムを終了させる必要がある場合などです。

以下は、exit関数を使用してプログラムを終了させるサンプルコードです。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main() {
    int num;
    printf("数字を入力してください: ");
    scanf("%d", &num);

    if(num < 0) {
        printf("負の値が入力されました。\n");
        exit(1); // プログラムを強制終了
    }

    printf("入力された数字は %d です。\n", num);
    return 0;
}

このプログラムでは、ユーザーから入力された数字が負の値であった場合に、exit関数を用いてプログラムを強制的に終了させています。

return文の使いどころ

一方で、return文は、現在実行中の関数から呼び出し元へ戻り値を返すために使用されます。主に関数内で処理した結果や計算結果などを呼び出し元で利用する際に使用します。

以下は、return文を使用して計算結果を返すサンプルコードです。

#include <stdio.h>

int add(int a, int b) {
    int result = a + b;
    return result; // 計算結果(result)を呼び出し元へ返す
}

int main() {
    int x = 10, y = 20;
    int sum = add(x, y); // add関数から計算結果(sum)を受け取る
    printf("%d + %d = %d\n", x, y, sum);
    
    return 0;
}

このプログラムでは、add関数内で引数aとbの和(result)を計算し、その計算結果(result) をmain関数内で利用するためにreturn文で呼び出し元(main関数)へ返しています。

exit関数とreturn文の注意点

exit関数の注意点

exit関数を呼び出すと、プログラムが直ちに終了します。そのため、exit関数を呼び出した後に実行される処理はありません(atexit関数で登録された関数を除く)。
exit関数は、引数として渡された値をプログラム実行元に返します。この値は、プログラムが正常終了した場合は0、異常終了した場合は0以外の値が設定されることが一般的です。
exit関数でプログラムを強制終了すると、ファイルやリソースなどが正しく解放されない可能性があるため、注意が必要です。